アサーティブで。大事なことはアサーティブであることです。
アサーティブであるためには、誠実、率直、対等、自己責任をモットーにして実行します。人はみんな対等です。
しかし、同じ職場で働いていても、マネジャー(プロフェッショナル)とワーカーは、職種が全く違います。
マネジャーは人を使って、チームワーク(役割分担)で、目標を達成するのが仕事です。
ワーカーはマネジャーの指示を受けて自分の役割を果たすのが仕事です。
パートナーをさしおいて、動き回って汗をかいてるマネジャーのことを、私は「ワーカーマネジャー」、あるいはアイドルタイムにパートナーと同じように待機状態で過ごすマネジャーを「風見鶏マネジャー」と呼んでいました。
両者とも許しがたい典型的なダメ・マネジャーです。
マネジャーにはパートナーにも、マネジャーの上司であるスーパーバイザーにも、できない重要な仕事があります。
マネジャーはどんな時でも忙しいのが普通です。
パートナーをさしおいて注文を取り、動き回って汗をかいてるマネジャーは、動き間わている時に忙しさを感じているものです。これはマネジャーの忙しさとは違います。また暇なときにパートナーと同じように待機するのも、パートナーと同じリズムで動いているからです。
マネジャーの仕事は、準備が大半です。アサーティブな仕事は準備があって可能になります。
来店してくれたすべてのお客様に喜んで帰ってもらうこと。
働くすべてのパートナーに全神経を仕事に集中してもらうこと。
両者をアサーティブにするために、最高の状態でつなぐのがマネジャーの仕事です。
サービスと企業文化について書いた「真実の瞬間」という書籍がありますが、真実の瞬間を最高の状態に持って行く準備がマネジャーの仕事です。これはマネジャーにしかできません。
社長にも、スーパーバイザーにもできません。別に責任を押し付けるわけではありません。条件上、マネジャーにしか出来ないのです。
だからマネジャー冥利につきると言えるのです。準備と言っても、人によってイメージが違うと思います。
たとえば舞台劇の準備なら、幕があがる迄のような印象があります。
しかし、野球の監督のように試合前の準備もあるけど、試合中も刻一刻変化する状況に適応して準備を続けるケースもあります。
私がいう準備は野球に似ています。
だから年中忙しいのです。
売上をして、パートナーの心から最高の「ありがとうございます」が出るようにする。
お客様から「ありがとう」と感謝の言葉を言ってもらえるようにする。
そして両者に満面の笑顔が自然に出るようにする・・・・マネジャーの仕掛け、つまり準備次第なのです。
作業に追われてしまうマネジャーには、感情的になり、全体が見えなくなるというデメリットがあります。
準備に忙しいマネジャーも作業に追われることはあります。しかし彼らの場合、準備が優先順位のトップにあり、しかもルーチンワーク化しているので作業に追われていても、全体を掌握し、必要な指示を忘れません。
なにをルーチンワークにしているのか、それで生産性は天と地ほどの開きがでます。
なぜ天と地ほどの開いてしまうのか、差の大きさが判っていないから、注意しても改善せずに走り回っています。そこには前回お話したように隠れた見返りがあるからですが、知らないことがロスの後押ししています。
準備をしていないために、ミスが発生します。その処理に追われて、感情的になりパートナーとの関係性も悪くなります。悪くなるからますます準備しなくなります。指示も出ません。ますますミスとロスが生じます。その責任をパートナーにあると思い込みます。人間関係が悪くなり、マネジャーもパートナーも仕事がおもしろくなくなります。
この背景には、「知ろうとしない」と「隠れたメリット(見返り)」があり、それがひとつになって「知らない」「できない」が続きます。本当はできなくないのです。「しないだけ」なのです。
だから、「ワーカーマネジャー」、「風見鶏マネジャー」と呼んできました。
本当にできないのなら、そんな言い方はしません。ひとはどんな場合にも対等だからです。
悪循環を断ち切って、良い循環を作るには、パートナーに少しでも早く仕事を教えて戦力化し、自分の手を空けるのは不可欠です。日常的にスイッチチェンジをして冷静を手に入れます。いまと少し先に集中して、準備に次ぐ準備を最優先したルーチンワークとして実行するしかありません。
誰にでもできる仕事はパートナーに任せ、マネジャーにしかできない状況判断と的確な指示をするのが優秀なマネジャーです。
指示ができないから、動いてしまうのです。自分が動けば良い接客、売上げが上がるという考えは、マネジメント力の不足を表現しているだけです。それでは優れたマネジャーにはなれません。マネジャーには、それ以外にも管理しなければならない重要な仕事もあります。
優先しているルーチンワークをチェックしてください。
それぞれ自分の役割を果たすのが対等です。