アサーティブなコミュニケーションを実現に書かせないツールであるDESC法は、次の4つで構成されています。
D=Describe(描写する)
E=Express(表現する)
S=Specify(提案する)
C=Consequences (結果を伝える)
では、「上司が話を聞いてくれない。」という困った状況を、 DESC法で心の通うアサーティブなコミュニケーションに置き換えてみましょう。
クライアントとの関係ではメリットを柱にしてアサーティブなコミュニケーションが容易ですが、社内の場合はそうはいかない場合が多いように見えます。
しかし、冷静に考えると判りますが、人の行動には理由があります。クライアントと違うのは、メリット(見返り)が複雑なだけです。その複雑なメリットはクライアントとの関係にも共通しているので、社内だからと甘えず、自分を磨く場と心して、アサーティブにチャレンジしていきましょう。
上司からイエスを獲得するコツは、日頃から気持ちのいいコミュニケーションをしておくことです。
それは「信頼」を築くことです。信頼出来る部下というのは上司にとって最大のメリット(見返り)と言えます。
さて、「上司が話を聞いてくれない。」場合ですが、
D)描写=「都合の悪い事はいつも耳を貸さない」
E)表現する=「大事なことなのに、どうでもいいのかな」
S)提案する=「後で困っても知りませんよ」
C)結果を伝える=「指示が出るまで放置しておきます」
これでは、信頼を自ら台無しにするようなものです。
この状態を、DESC法でスイッチチェンジして、
快適なコミュニケーションに向かって変えていきます。
D)描写=「都合の悪い事は聞きたくないのは誰でも同じだ」
E)表現する=「部長の関心のあるテーマにも影響する」
S)提案する=「テーマへの影響も含めて、整理して企画書にしてみよう」
C)結果を伝える=「部長もご心配だと思います。随時ご報告しますので、確認とアドバイスだけしていただけば、この企画で任せていただけばご安心していただける結果にいたします」
任せるのがイヤなタイプの上司の場合には、
C)結果を伝える=「段取りは私の方で整えます。指揮を執っていただくと、安心して打ち込めますので、結果が出るように頑張ります」
というようにアレンジします。
先のD→E→S→Cと比較してみてください。
随分違いますね。同じ状況なのに、全く違うアプローチになります。
上司の気性を考慮して、2つの案をサンプルしましたが、どちらにしても自信を持ってアプローチすることが大切です。
もし、あなたが上司の立場なら、部下が自信のない態度で同じことを言っても不安になるだけで、おそらく態度は変わらないでしょう。
最大のターニングポイントは、状況の描写です。
「都合の悪い事はいつも耳を貸さない」→「都合の悪い事は聞きたくないのは誰でも同じだ」
と、スイッチチェンジしたことで、状況を変えました。
先の事例が「自分はOK、他者はNO」の否定的な態度を、完璧主義を他者に求めず「自他肯定」に変えた点です。
完璧主義から離れた 結果、気持ちのいいコミュニケーションにして、共感、共有を作り出しています。
上司に上司がいる場合、あなたのスイッチチェンジによるアサーティブなアプローチは上司の強い味方になります。上司がよい評価をもらえば、あなたも引っぱりあげてもらえます。
ここからも個人の完璧主義の無意味さが浮き彫りです。
以上、アグレッジブな不適当な状態を、 DESC法を使ってアサーティブな状態に最適化するサンプルを簡単にお話しました。
DESC法は、DESCの順に述べなければならないということはありません。
状況に応じて、順序を変えてもいいのです。