アサーティブを土台にして、WIN-WINなコミュニケーションを展開するとき、言葉・態度・表情のありかたがアサーティブでなければ、アサーティブな関係は構築できません。
つまり言葉の使い方でアサーティブなコミュニケーションができる、できないというようなことが怒ってきます。正しい言葉遣いができるかどうかで相手に与える印象が変わるだけでなく、自分の扱い方も相手にメッセージしています。
よりよいコミュニケーションが出来るように、言葉の理解を深めたいものです。
敬語にはいろいろな種類がありますが、大きく分けて3つあります。
●尊敬語
●謙譲語
●丁寧語
「尊敬語」と「謙譲語」は、会話(文中)に登場する人や物に対して敬意を表すものです。
「丁寧語」は、実際に会話を聞いている相手に対して敬意を表して使うものです。
「丁寧語」は、多くの人が使いこななしているように思っていますが、一般に「尊敬語」との違いが分からず、混同して使っている傾向が見受けられます。
尊敬語
尊敬語は、動作、会話、文中に登場する人や物に対して敬意を表すもので、相手に敬意を表すときに使います
「いらっしゃる」、「めしあがる」など相手(相手の身内含む)の動作を敬った表現に使います。
謙譲語
謙譲語は、動作、会話、文中に登場する人や物に対して敬意を表すもので、相手に敬意を表すときに使います
「拝見する」、「いただく」など自分自身(及び自分の身内)の動作をを敬った表現に使います。
丁寧語
「丁寧語」は、実際に会話を聞いている相手に対して敬意を表して上品に伝える場合に使います。
「丁寧語」の表現として、分かりやす事例に、「です・ます」があります。
会話の語尾に使い、幼いときに習う親しみ深い敬語といえます。
相手に敬意を表す意味で相手の事や物にも「お」や「ご」をつけて表現します。
「菓子」を「お菓子」、「腹」を「お腹」、「箸」を「お箸」というように使う、言葉の頭に「お」を付けて言う表現がそうです。
また、「ございます」のように、頭に「ご」をつける表現もあります。
最高級の丁寧語として、受付、電話応対、高級志向の店舗などの接客に多く使われています。
●「お」と「ご」の使い分け
一般的に「お」は和語(訓読み)、「ご」は漢語(音読み)に使います。
「幸せ」、「きれい」などひらがなが入った和語(訓読み)は、「お幸せ」、「おきれい」というように「お」を付けます。
「意見」「指導」など漢語(音読み)には、「ご意見」、「ご指導」というように「ご」を付けます。
●つけてはいけない場合
反対に「お」や「ご」をつけてはいけない場合もあります。
まず、「お」も「ご」は、自分や自分の身内、近親の事や物にはつけません。
・自分や自分の身内、近親の事や物
・「お」で始まる言葉
・外来語
・自然現象
・動物
・公共物
屋上、置物、踊り、帯、奥様、落ち葉などに、「お」を付けません。お茶はつけますが、コーヒー、ジュース、コーラに「お」を付けるのは間違いです。
地震、雨、雪など自然現象にはつけません。犬、猫など動物にはつけませんが、「お馬」「お猿」など幼子と会話する場合に例外もあります。
お車とは言いますが、公共物である消防車には「お」を付けません。
つまり対象の事や物に対して、「お」や「ご」がついているのではなく、人に向けられてついています。
相手を自分ろの関係性で使われていますが、へりくだるというよりは、アサーティブ、アサーティブのポリシー、自他尊重の見地からホスピタリティという意識で考えるほうが正しいと言えます。