アサーティブの「自己主張」とは、その時、その場で、自分の言いたい事を表現するのが自己主張ではなく、「なりたい自分」「実現したいこと」を実現するためにコミュニケーションすることです。
たとえば、自分がめざす学校に進学するために、黙々と勉強する。遊びに行きたい誘惑にかられても、自分のしたいを実現するために我慢する。それを嫌々、渋々我慢するのではなく、積極的に我慢するということに他なりません。
遊びたいのを我慢するといえば、禁欲的な印象すらありますが、実現したい事を実現するという視点に立てば、自分の願望に率直に応えているに過ぎません。
これこそが積極的に自己主張している状態です。
目的、目標を明確に意識していないと、このことが分かりません。
自分の願望は知っているつもりでも実行していないと、自分の願望が達成されることはありません。
他者が肩代わりして達成することは出来ないのです。
だからこそ繰り返し繰り返し目的、目標を確認し、脱線しないように自分の感情を認識する力を平常心に加えたいものです。
「生きる、暮らす、働く」とは、選択の連続です。
よりよく生きるために「なにを、どうするのか」という選択の場面で役に立つ技術がライフスキルです。
ライフスキルは性格を変えようとするものではありません。また性格や頭のよさの問題でもありません。
ライフスキルというと特別なもののように感じるかも知れませんが、言葉こそなかったものの、かつては、生活の知恵やコツとして、親から子へしつけというかたちを通して身につけたものです。
地域社会や子供社会で、また年長から年少者へ世代の違った集団による遊びの中で、無意識的・体験的に伝えられていたのです。
しかし、少子化、地域社会の変質、情報化が進むなかで、世代間の乖離が進み、人間関係が希薄になり、ライフスキルを学ぶ機会が極度に減少する傾向にあります。
そうしたなかにあって、人が幸福、安全、快適に暮らすためにスキルとして、いまもっとも必要とされているものは携帯電話でも、液晶テレビでもない、
ライフスキルこそが、いまもっとも必要とされていることであると言えます。
ライフスキルの内容は10
種類あります。
・自己認識スキル Self-awarenessr
・共感性スキル Empathy
・効果的コミュニケーションスキル Effective Comunication Skills
・対人関係スキル Interpersonal relationship Skills
・意志決定スキル Decision Making Skills
・問題解決スキル Problem Solving Skills
・創造的思考スキル Creative Thinking
・批判的思考スキル(クリティカル思考) Criticai Thinking
・感情対処スキル Copingwith Emotions
・ストレス対処スキル Copingwith Stress
以上10 の技術のことで、その集約が自己肯定感(セルフエスティーム)といえます。
健全な自己主張をする力になる自己肯定感とは自分のよいところを発見し、短所も含めて、自分を好きになり、自分を大切にできる自尊感情、健全な自尊心などの意味で、自他肯定の基本になっています。
自他肯定とは、自分もOK、他者もOK とするありのままの自分、ありのままの他者を受け入れる力で、この力が発揮する効果は自分の人生はもちろん、周囲の人に及ぼす影響は絶大です。