■感情的な行動と感情の表現は全く違う。
小さいこどもは、
「あたしはフジオちゃんが大好き」とか、
「さびしくなるよ、もっと一緒にいたい」とか、
「いやだ、そんなに怒ったら。悲しくなるよ。」
というように感情を素直に表現します。
でも大人になるにつれ、素直に言わなくなってしまいます。
なぜでしょうか?言わないことが成長だと考えているのでしょうか?
事実、そんなバカみたいなこと言えるか。という人も多いでしょう。
でも本当にバカでしょうか?
そんなことはないのです。感情はどんどん表現しましょう。
感情を表現するのは恥ずかしいことではありません。
していけないのは、感情的な行動。
どんどんしていいのは、 感情の表現です。
「うれしい」「悲しい」「イヤな気分です」を言葉にするのは表現です。
ブスッとするのは、行動です。
この違いを混同しているために、感情を表現してはいけないと思い込んでいる人が多いのです。
自分は不愉快で、その不愉快を相手にぶつけると、相手は「なぜ?」と、怒る理由があるのかが分からないままイヤな気分にさせられます。
感情の表現は自分の不愉快を感情的な態度や行動でぶつけるのではなく、言葉でそのまま率直に伝えたらいいのです。
つまり、「あなたと意見が番うと不安になるのですが」とか、「あなたがそういうと、悲しくなってしまう」というように。小さい頃の出来ていたことをそのままやればいいのです。
それは誰も傷つかない方法なのです。
人とのコミュニケーションは感情ではなく、
客観的な判断で行うのが大人の関係です。
でも、感情は表現してもいいのです。
好み焼きをソースなしで食べたり、お寿司を醤油なので食べるような味気ない関係は、感情を表現がないからです。
しかし、それが度を越すと感情的な行動に発展しすぎたり、境界を突破してしまうことも少なくありません。
なにごとも過ぎたるは、及ばざるが如し、味気のある関係を求めるがゆえに、感情の表現の求めすぎには注意しましょう。
たとえば、電車で足を踏まれた。自分は嫌な気がした。腹が立った。
しかし相手は悪意がない。
このような時に、相手に怒りをぶつけません。ましてや暴力行為に及びません。
感情を理性が抑えて適切な行動をとっているからです。
しかし、感情で行動したらどうなるでしょうか?
相手に怒りをぶつけ、時には暴力行為に及んでしまいます。感情の扱いは注意が必要です。
感情的な行動と感情の表現は全く違うことを強く意識しながら、感情的な行動は撲滅しましょう。
■アサーティブの準備
感情的な行動の一例として、先に足を踏まれた場合のことをあげましたが、このように分りやすい事例ばかりではありません。
もっと分りにくいけれど、もっと頻繁に起っている感情的な行動があります。
行動してうまく行かなかった場合を想像して、挫折感を味わうことを回避するために、最初から行動を避けることがよくあります。
「しかし」、「もし」の説明で行動を避けるやり方はその典型です。
しなければ、できないこともなくなる理屈です。
これ以上、失敗感を味わいたくない、傷つきたくない、その気持ちは分かります。つらいでしょうね。
でも自分の責任は誰でも果たしたいものです。それが自立している状態だからです。
求める気持ちが強い反面、避けたい気持ち強くなります。傷つく度合いが大きいからです。
無意識のうちに感情的な行動に走っているのです。合理的な判断で行動しているわけではありませんが、「しかし」、「もし」の文法で考え、話すために、自分では合理的な判断をしていると錯覚します。しかし実際は違うのです。
では、どうすれば感情的な行動をやめることができるのでしょうか?
アサーティブは、自分にも他者(ひと)にも感情的な行動をしないように、その力を身につけ、行動することです。
その力とは、自分への信頼に他なりません。信頼を取り戻すとは、自分を頼りにできる人になることです。
その第一歩が先にあげた、過剰な理想像を自分に課すことをやめることです。
いま、あなたにはできること、できないことがたくさんあります。
もし、できることが少なくて、できないことがたくさんあっても、大した問題ではありません。先に欠いたように20;80
の法則を思い起こしてください。あなたがいまこの文章を読んでいるなら、20の力は身につけているといっても差し支えないでしょう。
アサーティブの準備をしましょう。
まず、一枚のA4用紙に、自分のできることリスト、あなたが思い浮かぶできたらいいけど、自分にはできないことリストを書いて一度整理してましょう。