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こんにちは。『3倍とんがる!モチベーションの作り方』のメルマガの発行者で、当サイト運営者株式会社マートワン代表、酒井実です。

ここでは、 自分の、そして周りの人のモチベーションを高める上で欠かせないアサーティブな「コミュニケーション力」を再点検するために見逃せないポイントをお話させていただきます。

ビジネスの世界では日常的に問題が起こります。
外的なもの、人的なもの、意欲などを問題の原因と考えがちですが、元を正せばコミュニケーションの悪さに主な原因があります。そして、その向こう側には人間関係の力学に対する誤解が潜んでいます。

私は、ずっと対立のない仕事の仕方を追求してきました。そしてアサーティブに辿り着きました。アサーティブについて連載する内容に注目しながらトライしてみてください。仕事を通して幸福に近づいていただけたら最高にうれしいです。アサーティブな世界に触れていただき、今までと違う世界観と自分を発見してください。

では、アサーティブな「コミュニケーションの力」とは?から始めます。

●コミュニケーションの力

たとえば、ガソリン高騰に絡んで、ガソリン税・暫定税率の失効でスタンド業界が2008年4月、熾烈な値下げ競争を展開したことは記憶に新しいでしょう。

この時、スタンドによって在庫量、仕入価格の違いなどいくつも要因が重なり、値下げ時期、値下げ幅も違いました。同じ商品を売っていて違いが出るのは、どんな業界にもあり、不思議なことだとは思いませんが、それにしても違いが出るのは、なぜでしょう?

分りやすくするために、安直を承知の上で三段論法にまとめます。たとえば、販売価格が高いのは仕入れが高いから。それは販売力の弱さに起因する。
そして、販売力の弱さの原因は、社内コミュニケーションの悪さにある。と、まあこんな感じ。でも、これって事実です。

ビジネスとはコミュニケーション力、人間力は人間関係力です。
いいかえれば、才能という点を繋ぎ線にして進めないと成功は困難であるということです。 いくら優秀な人材を集めても、歯車がかみ合わず、個々の力を十分に活かすことができないというケースは、思っている以上に多いのです。

逆に優秀な人材の集団よりも、一人ひとりが十分に自分の力を活かすことができるような、密度の高い連携をとれる人間関係、仕組みを持つ組織のほうが勝ることもあるのです。
つまりアサーティブな「コミュニケーションの力」がものを言うのです。

競争が激しさを増しても、人の本質は変わりません。人はみんな、自分のことを価値ある存在と思いたい。そのために生きています。そういった人間関係の力学に適応し、一貫した目的を持つコミュニケーションが、人を育てると同時に、人を有機的につなぐのです。

┌─────────今ポイント─────────┐
企業活動の問題のほとんどは
コミュニケーションの悪さに原因がある。
└─────────────────────────┘

 

●問題発生時のコミュニケーション術「3つのステップ」

コミュニケーションは相手のあること。相手の感情に注目して、自分にできる行動を選択するのが基本です。だからアサーティブなコミュニケーション力が大切になるわけです。
ノンアサーティブ、アグレッシブに 自分の感情のまま行動に発展させず、相手の感情も意識的に確認していく必要があります。

しかし、ここで気をつけなくてはいけないのが、相手の感情ばかりを気にして自分の感情に注意を払わないことです。
自分の感情を無視したり、抑圧したりすることは、逆に感情的な行動の原因になります。感情の波に「押し流される」という状態です。

建設的で気持ちのいいアサーティブなコミュニケーションには、自分の感情の把握やコントロールが不可欠なのです。
平常時、自分の感情に意識的でいることは、それほど難しくないかもしれません。しかし、何か問題が発生したときに、感情をコントロールしていくことはとても難しいものです。

そんな時には、以下の3つのステップを意識して、問題の対処に進むことが理想です。感情に流されない建設的なコミュニケーションを開始することが可能になります。

(1)起こっている事実を把握する
(2)自分の感じ方を確認する
(3)解決のための最適な方法を考える。

しかし問題が大きく不安が募ると、その不安に押し流され、自分の感情を客観的に捉えることのできない状況に陥ることがあります。

そうなると最後の(3)のステップに到達することなく(1)や(2)の状態からコミュニケーションを始めてしまいがちです。

(1)から先に進めない状態というのは、事態の大きさに萎縮してしまい、自
分の感情にも向き合うことができない場合が考えられます。この状態からコミュ
ニケーションをスタートしてしまうと、相手に「状況の解釈」「とるべき解決
策」を完全に委ねてしまうことになります。いわゆる「傍観者」の状態である
といえるでしょう。

また(2)から先に進めない状態とは、「自分は被害者だ」と錯覚しがちな状態です。ここからコミュニケーションをスタートすると、過剰に相手を責めてしまったり、また必要以上に責任を感じてしまい、客観性のある合理的な判断ができません。結果的に「加害者」になってしまうことも少なくありません。
こう考えると、どんなに不安が大きくとも何とかそれを乗り越え(3)の状態に達するべきだといえそうです。

しかし、言うのは簡単ですが、そのためには、ちょっとしたコツが必要です。問題が困難なほど、不安も大きいのが正常です。不安を恥じることはありません。

まずは、自分を(3)の状態までもって行くことに努めてください。それがコツです。(2)のステップで、感じたままに行動せずに、自分の感じ方を客観的にとらえ、目的達成にふさわしい行動を選び、実行することです。人間は何かに没頭すると、いつの間にか「不安」を忘れてしまうものなのです。

たとえば冒険活劇のヒーローたちを思い起こしてください。苦難に遭遇しても、ポジティブ、楽観的に難攻不落の要塞を攻め落とします。彼らの勇気の源泉は、いまこの瞬間、もっとも適切な行動の選択と実行に忙しく、考えても仕方のない不安や恐怖にとらわれている時間などない、ということことです。

┌─────────ポイント─────────┐
どんな場合にも、自分の感情を客観的にとらえることが、
建設的なコミュニケーションをスタートするための秘訣
└─────────────────────────┘

 

●最善のコミュニケーションのために

ラスベガスには、ドライブスルーの結婚式があります。カップルの気持ち次第ですが、やはり冗談に使う人が多いそうです。大切な約束をするときは、相応のシチュエーションが必要ですよね。

前回もお伝えしたように、コミュニケーションのはじめ方には3つのステップがありますが、さらに求める結果を出すためには、最適なタイミング、最適な場所を意識して始める必要があります。

たとえば、すれ違いざまに重要な案件を依頼するのと、時間と場所を予め約束した後に打ち合わせするのでは、どちらが相手に響くでしょうか?もちろん後者ですよね。

ただし、いつ、どの場所で伝えるのが正しいのかという問いに絶対的な正解はありません。用件、重要度によって、そのつど考える必要があります。しかし、場所、時間などのシチュエーションを意識することは、とても重要です。どんな言葉、どんな言い回しで、と考えることと同じくらいに。「そんなこと今更いわれなくても分ってるよ」という声が聞こえてきそうですが、皆さんが思っている以上に、できていないことの方が多いものです。

しかも、意外なことに、いつも以上に気をつけたい重要な話題の場合は特に。普段は慎重な人でも、伝えるべき「最適なシチュエーション」を考えられなくなってしまうことがあります。その大きな原因に相手に伝えたときの反応に対する「不安」があります。重要な話題に多いと言ったのは、ここに理由があります。

不安なこと、言いたくないことは、最低限の義務「伝える」ということだけで済ませ、さっさと終わらせてしまいたいと考えがちです。これでは、言いにくく、不安を強く感じるほどの重要な問題であるはずなのに、それが相手に伝わりません。
とりあえず伝えたから分かってくれるだろう、では他人任せというものです。
健全な精神の持ち主なら、不安感が強い問題ほど避けたくなるのが自然です。

それをよく理解して、重要な話題こそ感情的にならずに意識的に最適な場所、時間を選び、最善のコミュニケーションを用意しようと努めてください。

この体験を重ねるほど、アサーティブなコミュニケーションの達人に近づき、同時に楽観力を育むことができるでしょう。  
 ┌

──────────ポイント──────────┐
    どんな状況でも、最適な場所、最適なタイミングを意識して
    コミュニケーションを始めることが大切である。
   └───────────────────────────┘

 


●進化する組織、停滞する組織


人の力は大別して2種類あります。ひとつが、肩書きや地位による権限や権威、所有物、専門知識・技術など、外部の評価によって計られる「外部評価による力」。

もうひとつが、適応力、気付き力、協調性、自主性など様々なプロセスの中で発揮される内側のスキルともいうべき「じぶん力」です。アサーティブなコミュニケーションに最適なスキルです。

この2つの力。組織を維持していくにはどちらも必要ですが、どちらを重視してコミュニケーションをするかで、組織の質は大きく変わっていきます。

人は誰でも自分は大切な存在だと思いたい。そのために生きています。ですから周囲の人の評価を気にして「外部評価による力」を過剰に重視する傾向があります。

「外部評価による力」は他人から見て、明快な評価だからです。
特に「外部評価による力」偏重になりがちなビジネスシーンでのコミュニケーションでは、上下関係重視になります。活発な意見の交換が行われず、上意下達な単調なものになりがちです。

上から下という関係での仕事は、作業を求めるだけならその方が合理的という考え方もあります。しかし、それで「やりがい」を感じることができるでしょうか?。
それでは、言われたことだけをしていたらいいという考え方を強めるだけではないでしょうか。
これでは相手の「じぶん力」である、気付きや、適応力などを活かすことができません。

一方、「じぶん力」重視のアサーティブなコミュニケーションでは、自分や相手のポスト、ポジションにかかわらず対等な立場で、一人ひとりの意見、気付きなどが共有されます。
活発な意見交換が行われ、有機的に人をつないでいきます。ほとんどの場合、仕事はチームワーク(役割分担)です。自分のポスト、ポジションでモノを言うことが必要な場面はもちろんありますが、対等な立場で、率直、誠実にコミュニケーションをとることによって、より多くの意見、気付きを得ることができるのです。

「外部評価による力」と「じぶん力」。
どちらを重視してコミュニケーションをするかが、「進化を続ける組織」「停滞する組織」の分かれ道といっても過言ではないと言えるのではないでしょうか? 
  

  ───────── ポイント ────┐────────┐
 人の力は大別して「じぶん力」「外部評価による力」の2種類
 「じぶん力」を活かすコミュニケーションが組織を活発にする
└────────────────────────────

 

●心と用件を伝えるコミュニケーションのコツ

コミュニケーションは、まず伝えたいことを正確に伝える必要があります。
正確に伝えるには原則があります。

アサーティブに 伝える原則とは、
 1) 直接、伝える相手ひとりごとに
 2) コミュニケーションの目的を明示した上で
 3) 単一の案件を
 4) 日と時刻、期限を具体的に表現する
 5) 途中で確認しながら聴く
 6) 結果の確認をする(どう理解したか聴く)
 7) 目的や結果報告などは数字で表現
 8) 本題と終了のメリハリをつける

コミュニケーションの目的は、課題のはじまり、 途中確認、結果確認のいずれかが多いものです。
行動に対する準備や確認である場合がほとんどです。
つまり伝えて終わりでなく行動が起こることが重要です。
それには正確に伝えて正確に理解することが大切です。

1)〜7)は欠かせない条件で、相手が自分より目下のひとの場合は尚更です。
1)の直接、伝える相手ひとりごとにというのは、 相手が話しやすいように配慮するもありますが、 理解力に個人差がある点に注意するからです。

8)の本題が終わった段階で、 「理解してくれてホッとしたよ、実のところ、どうなるかなと心配したんだよ」と 言うように、仕事と個人的な感情を区別することで、信頼を築いていきます。

緊張を緩和するために本題中に混同される方がいますが、 相手の理解力を弱めてしまう場合が多いのでメリハリをつけましょう。 
正確さだけでなく、さらに気持ちのいいアサーティブなコミュニケーションにするには、 次の点に留意してください。

 A)どんな結果を出すのか目標を持って
 B)終始、感情的にならずに、自分の感情はコントロールして
 C)目的と内容に適した場所とタイミングを選定いて
 D)ポストや専門知識に頼らず、自身の内面に備わったじぶん力で
 E)傾聴を心がけ、相手の感情に注目して、
 F)自分にできる行動を意識しながら
 G)会話の原則を遵守しながら進める 

コミュニケーションの基本は、話ことが目的でなく、 聴くために話すことを忘れないでください。

相手が理解しやすいように話すことが大切なのも、 正確に聴けるようにするためと記憶してください。 ・・・・ 何のために聴くのか? 相手が自らの気づきにより正しい行動を促すためです。

コミュニケーションは技術です。技術はくり返し希求すれば身につきます。
その最大の障害は感情的になることです。
技術はどんなものでも、心を確実に伝えるために欠かせないものです。
言葉を伝えるだけでは、心がなくても伝えられます。

しかし、感情を動かすことはできません。
感情が動かないノンアサーティブなコミュニケーションは、目的を果たすことは困難です。
感情的にならないから、感情を動かせることもお忘れなく。

 

 ───────── ポイント ────┐────────┐
 コミュニケーションは技術です。
   どんな技術は心を間違いなく伝えるために欠かせないものなので、
    条件を忘れないでクリアしましょう。
└────────────────────────────

 

■アサーティブなコミニュケーションについて

未知の分野に挑戦できる基礎的な理解力、それが教養です。30代はなにより教養を高める時期です。
スキルは生涯かけて学び続けますが、人それぞれに高めやすいスキルと苦手なスキルがあります。それが人の適正で、優劣と混同しないようにしたいものです。しかしコミュニケーションはすべての基本です。
アサーティブであるほどコミュニケーションは良好になります。
苦手でも知識を持てば、コミュニケーションスキルをアップする機会は飛躍的に増えます。コミュニケーション力はリーダーシップと深く関係しています。
リーダーの資質は部下はもとより、同僚、先輩、上司からも敬服される状態を実現することです。
短い連載に集約したように、コミュニケーションの本質は相手を思う気持ちです。
それを意欲にして自他ともに成長していく日々を楽しんでいただけたら、うれしく思います、ありがとうございました。

 

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