人は自分は価値ある者と思いたい。自由主義社会であり共産主義も、そのためのアプローチの仕方の違いに過ぎません。つまりビジネスとはコミュニケーション力であり、それを支える人間力とは人間関係力につきます。
よく安く売るなら誰でも売れると、安く売る人を下に置いたような見方をする人がいます。それはコミュニケーション力、人間関係力を使おうとしない姿勢を批判的に語っていることが多いのですが、安く売るにはコミュニケーション力、人間関係力がしっかりしていないと続かないものです。さて、コミュニケーション力とは?
コミュニケーション力は、次の3つに集約できます。
・伝えたいことがある
・伝えたいWIN-WINの意欲がある
・正しく伝えるスキルがある
伝えるスキルとは
・正しいフレームワークが使える
・正しいプロセス(PDCA)を使える
・正しい態度(率直・誠実・対等・自己責任)がとれる
・正しく反省できる
以上がバランスよく揃っていることです。
正しいフレームワークとして役に立つものをいくつかご紹介します。
事実・認識・行動の3段階
3Cモデル
マーケティング・ミックスの4P
サービスの5原則
5W!H
人口分布曲線
製品進化トライアングル
イノベーター理論(採用者分布曲線)
事業優先順位のマトリックス
SWHO
緊急度・重要度のマトリックス
PPM分析(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)
エドワード・デ・ボノ博士の6つの帽子(水平思考)
CTQ(シックスシグマ)
移動平均法
Seven S
事業優先順位設定
等です。
どういったフレームワークを使えばいいかは、事実によって変わります。
フレームワークとは額を使うという意味で、事象をどう見るか、額の中に入れて観察、検証、分析することです。事象に適正なフレームを使うことがポイントです。
最適なフレームを使うには知識が必要であり、使いこなすには技術が必要です。いずれも量と質の経験を重ねることで強化されます。
こういった知識、技術を使うことが偉いように思う方がいますが、本質はそういうことではありません。
求める結果を出すことが目的であって、これが目的化してしまうとおかしなことにあります。
本質で重要なのは、答えを知っていることです。答えを知っていると、目標に到達するためのプロセスが逆算でひねり出せます。到達するためのプロセスを、マイルストーンにして描けることが重要で、マイルストーンをステージにして適切な行動を実行することに集中するのが仕事の本体です。これが計画するということです。
しかしアサーション権で説明したように、人間は神様ではありません。答えが判らない場合に仮説を使います。仮説がないなら、仮説がなくて動けないより、間違った仮説でも使って前進した方がましです。
前進して間違いだと気がついたらすぐに改めればいいことです。朝令暮改は当たり前というのは、正解を見つけるためだからです。
どんどん迅速にPDCAを繰り返すのです。これもアサーション権でお話したことです。成功するために失敗はしていいのです。
しかし迅速にPDCAを使わないと失敗は失敗でしかなくなります。もし、正解を見つける目的もなしに、失敗を繰り返す、朝令暮改を繰り返すとしたら、バカとしか言いようがないのです。よく「頑張ります」と心意気でぶつかろうとする方がいますが、答えも仮説もなしに、ただ目標に挑戦するというのはあまりにも拙い愚行です。
物事の仕組みが根本的に判っていないために。 ルールがあることも判っていないです。
つまり感情で動くなということです。感情で目標を設定してはいけません。
このようなチームは当然のように空中分解しますが、反省すら出来ないのでカイゼンの糸口すらつかめないままになります。
率直・誠実・対等・自己責任のどれもがなく、コミュニケーションの断絶が起こっていて、人間尊重の精神から大きく離脱しているからです。
コミュニケーション力の不足とは、3つの条件のどれもが満たされていない状態と言えます。スタート段階で身についていないのは仕方がないにしても、期限を定めて身につけるようにしましよう。そのためには「感情は行動にしなくもいい」ことを忘れないようにしましょう。