感情的な行動をしない
ストレスマネジメントスキル (感情対処・ストレス対処)
【基調】
● 言葉にするどんな感情も認める
● 感情的な行動をしない
● 相手や周囲への気配りをする
● 言葉づかいをアップする
● 礼儀作法、マナー、エチケットの励行
いついかなる場合も、感情的な行動は、人を破壊する行動です。
まず自分を破壊します。次に周囲の人を破壊します。
不安や恐怖のもとである自己肯定感の欠如は、ほとんどの場合、感情的な行動の影響を受けていますし、逆に感情的な行動を取りがちになります。
つまり感情的な行動を受けると、今度は他者にしてしまう連鎖が続きます。
どこかで断ち切ることが重要な行為です。
人間は感情の動物ですから、感情は年中動きますし、感情的になることもあります。
感情的になるなといっても無理でしょう。
そこできっちりと認識しておきたいのは、感情の表現はいいけれど、感情的な行動はやめるということです。
感情の表現と感情的な行動は二つは全く異質なものです。
さらに、物事を良い方向へ動かすには、2つの重要な要因があります。
● 感情的な行動をしないこと。
● 時間の有効な使い方。
この二つの要因は全く別なように見えますが、実は密接にリンクしています。
感情的な行動は、恨みを晴らすかのように時間を浪費します。また、物事を為すためのプロセスに占める累積成果と累積投入時間のギャップ(努力したけれど報われない)が大きいと、つらさの実感も大きく孤独の実感の深さになります。
その上、もとからある孤独感や、解消されていない甘えなどがあると、痛みの相乗効果
が働きます。
実感は他者の想像を越えるものになることもあります。
他者は自分の経験から相対的に比較するか、客観的に想像して「そのくらいの辛抱は誰
だってしているよ」と言うかも知れません。
それが必ずしも適切でないのは、ひとの実感は個別に違うからです。
この実感は他者には分かりません。
ですから自分が痛みを訴えても通じないことは少なくありません。
すると、自分の苦痛を誰も分かってくれないと思うようになります。
どのような感情も、他者に共感してもらうとすっきりします。
幼い頃から感情に注目してもらい、感情を処理してもらう経験を十分していると、成人
したときには、未処理の甘えはほとんどなくすっきりしています。
しかしそれは稀なことで、たいていのひとは未処理な感情をもって成人しています。
誰にも分かってもらえない「つらい感情」は、次の四つの実行によって処理します。
【 実行 】
● 感情を知る
● 感情を認める
● 感情処理を可能にするため感情的な行動はしない
● 変化に注目してその成果を認めるまずつらい感情の存在を知って認めます。
「面倒だな」「いやだな」「おもしろくないな」といった気分がそれです。
知ることで、感情的な行動をせずに処理できる機会を持ちます。
「ああ、自分はいま悲しい気分になっているな。可哀想に。よし、よく聴いてあげよう。」
機会を持てば、処理が可能になります。
努力したことは決してムダになっていないものです。
たとえば部屋の掃除をしている時に、用ができて中断しても、手をつけた部分はきれい
になっています。
このように自分が手にしたものに注目すれば、自分の成果を感じることができます。
「どれどれ、なにができていなくて、なにができたのかな」
注意深く変化を探して見つけます。
その上で変化にどんな意味があるのか、よく考えます。
どんな小さな変化だって意味があるものです。
たとえば失敗も成果です。
失敗したことでヒントを手に入れています。
失敗していない人には分からないことを、自分が行動によって得たのです。
先のことは分からないので誰にとっても不安な材料です。
だから、自分も変化を続けていることを忘れないようにしたいものです。
【問題点】
● ラケットを使う
● ヒステリックになる、パニックを起こす
● 自分や周囲の人を責める
感情的な行動の原因は、コミュニケーション不全から起こるのが一番多いのですが、まず自分が感情的な行動をしないように心がけます。
ラケットというのは、心理学用語で表情や態度をメッセージにして、相手の行動を変えようとするもので、無力なこどもが主に親に対して多用するものです。それを成人したいまも使っているのです。
ラケットを使うと人間関係をこじらせますが、自分もイヤな気分になります。その他、自尊心の欠如からトリッキーなことをします。
否定、抑圧、反動形成、退行、投影、合理化、同一化、置き換え、感情分離、知性化、
取り消し、昇華、補償など様々な行為が生じます。
なかには成長に役立つものもありますが、結果的には破綻します。
たとえば補償という行為は、コンプレックスをバネに力をつけます。
こんな事例も補償です。
貧しくて学校に行けなかったひとが、学歴へのコンプレックスから一生懸命勉強して知識を蓄えます。
ここまではいいのですが、その知識をひけらして嫌われます。
このように自尊心にこだわると、折角の長所も台無しになってしまいます。
【実行できない場合】
● 大局を観る
● ユーモア
● それでもイエスと言う
● 人より優位に立とうとしない
● プラス志向
● 楽観的(準備を怠らない)