アサーティブなコミュニケーションの阻害要因となる人間関係。
マネジャー(管理者)の悩みとして一番多いのが、スタッフの意欲が低いという問題です。
どのように低いのかと聞くと、ほとんど同じように、もっと自主的にやってほしいということです。
マネジャーの心中を察するとよく分かる悩みです。
そこで、マネジャー諸氏に、スタッフの作業のプロセスに関心を持っていますかと問いただすと、同じように「それはほとんどない」と返ってきます。
つまり、複数の指示は出すものの、その後の作業進行中に関心を持っていないということです。ですから「確認」が非常に少ない状態です。
マネジャーが関心を持っているのは「結果」だけのようです。
ところで、人間の交流パターンは以下の通り4つあります。
●私はOK, あなたもOK(自己肯定、他者肯定)
●私はOK, あなたはNO(自己肯定、他者否定)
●私はNO, あなたはOK(自己否定、他者肯定)
●私はNO, あなたもNO(自己否定、他者否定)
この4つの内、どれかがあなたの基本的な対人及び自分自身との交流パターンです。基本的な構えともいえます。
人によって変わると思っている方も多いと思いますが、相手が誰であっても、基本的な構えは変わりません。
この基本的な構えの上に個別の対人関係が乗っていると考えてください。
さて、あなたは4つの内のどれでしたでしょうか?
次に、もうひとつ質問です。
この4つの内、自分が幸福になれる交流パターンはどれでしょうか?
あるいは、よい状態で、店の運営や会社の経営が行えるアサーティブな交流パターンはどれでしょうか?
■自分や周囲を幸福にするアサーティブな交流パターン。
少し考えていただくと分かると思いますが、自分が幸福になれる交流パターン、あるいはよい状態で、店の運営や会社の経営が行える交流パターンはひとつしかありません、
私はOK, あなたもOK
(自己肯定、他者肯定)
あなたの交流パターンと同じでしたか?
違う場合は、あなたの交流パターンは、いますぐ捨てるのが賢明です。
私はOK, あなたもOK(自己肯定、他者肯定)
以外は持っていても役に立たないので、全部廃棄してください。
■目的を持って育てようとしているか?
▼自主的にできるようにしょうとするなら、
自立していないと、それは無理です。
さて、スタッフの自主性の問題ですが、目的をもってスタッフを育てようとしているでしょうか?
具体的にどんなスタッフになってもらおうとしているのでしょうか?
「目先の作業をこなすことしか頭にない」そう語るマネジャーが大半です。
ですから、自立させるように日常的に関わっているか重要になりますが、その点はいかがでしょうか?
マネジャーが、自立させようと取り組まないと自立しません。
なぜならスタッフはマネジャーの指示で動くのが仕事だからです。
ではなぜ、自立させようとしないのでしょうか?
自主的にやってほしいと願うなら、自立できるようにするのがいいはずです。
自主的にとは、「自立も自分でしないさい」ということなのでしょうか?
もし、そういう人物を想定していたとしたら、
そういう部下でないと使えないというなら、
そのような状況であったら、私は、真っ先にマネジャーは不要でないのかと考えます。
マネジャーの仕事は、部下を使って目標を達成することです。
その役割に集中していたら、「しかし」も「もし」も、考えるより先にどうすれば部下を思うように使えるか。
つまり目標達成に必要な部下の能力を引き出し、能力をフルに使うかに集中します。
その前に、目標達成に必要な自分の能力を引き出し、能力をフルに使うかに集中します。
その状態が、●私はOK, あなたもOK(自己肯定、他者肯定)の出発点、アサーティブなコミュニケーションの必要な条件です。