Make believe that you are with me
一人じゃないふりをしよう。 ローマの心
♪ ローマの心
もうすぐ君は発つんだね
家路へと帰る旅に
そして間もなく僕は独り
君を愛するこの僕
ラ、う、ラ、ラ、ラ、このローマのどこかで
*すべての噴水に願いをかけよう
君が戻ってきますようにと
指折り数えて待っているよ
愛の炎よ、どうか消えないで
君の写真を枕もとにおき
一人じゃないふりをしよう
君が一緒にいると思い込むのさ
ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、このローマのどこかで
突然、涙が溢れだす
汽笛の音とともに
別れる前に抱きしめて
ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、このローマのどこかで
*2回くり返し
(歌詞翻訳:川越由佳氏)
「ローマの休日」の後日談のような話が、汽笛に途切れて飛んで行く。
エルヴィス・プレスリー、映画主題歌のような情熱的な歌声が伴奏に乗って、ローマのイメージがどこにもないユニークな仕上がりになっているのは、ラ、ラ、ラ、ラ、ラも伴奏も、南米の風が吹いているからか?
恋の歌は聴く人の体験で変わる。
それにしても、元気そうで、ハッピーエンドの予感。一度聴いたら忘れないインパクトがある。
この手の歌はもっと思い切り悲しくやってほしいと思うのは自分だけだろうか?
<ローマの心>は、同じく恋の別れを歌った<アイム・リーヴィン>のB面としてリリースされた。
どちらかというと感情的にも、聴き応えという点でも、断然<アイム・リーヴィン>に軍配があがる。
<アイム・リーヴィン>は1971年5月に録音、6月にシングルリリース。
一方<ローマの心>は、70年6月に録音。「ラヴレター・フロム・エルヴィス」からのシングルカットだったのに比べて<アイム・リーヴィン>は、生前アルバムに収録されることはなかった。
この点からも、それぞれのコンセプトがはっきり伺い知ることができる。
<アイム・リーヴィン>は、この後のシングル<イッツ・オンリー・ラブ>と併せてアルバム「エルヴィス・アーロン・プレスリー」に収録された。没後3年、1980年の8枚組ボックスだった。
シングルにするならコレという傑作<ガット・マイ・モジョ・ワーキング>や、後にアルバムタイトルにもなった<アイル・ネヴァー・ノウ>に「ラヴレター・フロム・エルヴィス」に意義を感じるけれど、自分は「ラヴレター・フロム・エルヴィス」と「エルヴィス・ナウ」がどうにも苦手。
自分のなかのエルヴィス・プレスリーのキャリアでこの2枚が落ち込んでいる。
その原因になっているひとつが<ローマの心>のユニークと、女性フアンを意識しすぎたアプローチにあるのかも知れない。
力感溢れるメッセージ”ELVIS: THAT'S THE WAY IT IS”が風に消えそうな気がしたものだ。
♪ HEART
OF ROME
In a little whi!e you're leavin'
Start!ng on the journey home
Soon l'll be alone
The one who loves you
La, Ia, Ia, Ia, Ia, somewhere in the heart of Rome
* l'll make a wish in every fountain
Say a prayer that you'll return
Minutes l'll be coutin'
May the fire of love stiil burn
l'll keep your picture by my pillow
And pretend that l'm not alone
Make believe that you are with me
La, Ia, Ia, Ia, Ia, in the heart of Rome
Suddenly the tears are faliin'
As we hear the whistle blow
Hold me very close before you leave me
La, Ia, Ia, Ia, Ia, somewhere in the heart of Rome
* Repeat 2 times
もうこれ以上の人はいない。そう思う。そうとしか思えない人の存在は幸福なのか、不幸なのか?その答えをエルヴィスの歌声に訊く。
しかし、エルヴィスならニヤリと笑って、「歌では表現出来ないよ」と言いながら、一曲歌いそうだ。
その歌がなんであるのか?想像できないでいる。
グレイスランド(メンフィス、テネシー州)のエルヴィス・ウィーク1999