"Oh, return to sender"の"Oh,"はまさしくオー!といいたくなるほどセクシー。
ピエロは初めて見たエルヴィスのカッコよさが何だったのか分からないままに惹かれた。いま思うに自分に微笑みかけるポジティブな姿勢だったのではないかと思い巡らす。
熱烈なエルヴィス・フリークの主人公が登場する映画『TRUE ROMANCE』の脚本を書き、自らもエルヴィス・フリークの役柄を演じたことのあるクエンティン・タランティーノはかってインタビューで「ザ・フーを本気で好きな奴っているのか?ほとんどは好きでなければいけないと思っているのではないのか」と人は本質でなく、空気のような評価、あるいは権威者の評価に自分が左右されやすい点に注視している。同じように関西人なら「阪神タイガース」のファンでなければならないと思っている人が多い。と、思う。また同じように日本人の場合、ザ・ビートルズのファンでなければならないように思い込んでいる人も多いように思う。
だがビートルズは<レット・イット・ビー(あるがままに)>と歌った。
やはりエルヴィスも<レット・イット・ビー・ミー>と歌っていた。
英国のスーパースター、クリフ・リチャードが「ほたるの光」のメロディに合わせて歌った<主の祈り−−ミレニアム・プレイヤー>が発売前から所属先のEMIなど大手レコード会社は音楽の質が低いとの理由で、BBCなど主要ラジオ局の放送は不可にした。にもかかわらず英国ヒットチャートでは1位を続けた。周囲の評価とは反対の結果を出したことに対してコンサートでクリフ自身「評論家の評判は悪かったけれど、結果的に大ヒットした」とコメントし聴衆から大喝采を浴びた。コンサートのパフォーマンスでは観衆の目には涙が浮かんでいた。
少なくともそこには理屈では到底できない自然な調和があることを証明している。
巨人ファンであることは時にカッコ悪いに似て、エルヴィスを聴くのがカッコ悪いと思っている人も時にいる。関西人だからって巨人ファンであってもいいんだ。ビートルズが好きになれなくて三波春夫が好きでもいいんだ。ひとはそれぞれ自分の好みがあっていい。他人の評価に左右されるのではなく、自分のあるがままに自分の好みを大切にするほうがいい。自分に微笑むエネルギーを失さないために。
大事なことはそういうことなんだ。”But my letter keeps coming back"の後の足の動きがそう言ったような気がする。
『ガール!ガール!ガール!』でのチビまる子のようなガールズまで参加したフィナーレの大腰ふり大会?が馬鹿げているって?そんなに心冷さずに全身隅々まで微笑みでほぐしましょう!
どうやらポストマンのバッグには太陽の光と海の香りに満ちた自然の恵みと「ほほえみの心がつまったラヴレター」が入っていたようだ。
Hi! KING!いま宝物が届いたよ!