このイントロ------。
椰子の木、夜空の星、月に照らされた波。---------かけがえのない地球の贈り物--------なんだと思い起こさせる音。
Night and-------。
体温が地球の温度と同じになって、人が大自然と溶け合っている声。--------かけがえのない宇宙の贈り物----------人はこんなにも豊かになれるのだと教えてくれる声。
夜と君と、そしてブルーハワイ
今宵はまるで夢のよう
そして君は僕の天国
美しい君とブルー・ハワイ
これほど素敵な場所ならば
きっと愛も芽生えるはず
おいでよ、僕と
月明かりが海を照らす間に
今宵、そして僕らの恋も
たった今、始まったばかり
夢が叶うブルー・ハワイ
今夜、僕の夢もすべて叶う
君と過ごす魔法の一夜
おいでよ、僕と
月明かりが海を照らす間に
今宵、そして僕らの恋も
たった今、始まったばかり
夢が叶うブルー・ハワイ
今夜、僕の夢もすべて叶う
君と過ごす魔法の一夜
このエルヴィスの<ブルー・ハワイ>に惹かれる人の多くは、この涼しいイントロでグラッと和んでしまっているのではないだろうか?ハワイまるごと濃縮した出合い頭の一撃で後はメロメロ、気がついたらアルバム一枚通しで聴いてしまっていたというような事態に陥っていませんか?途中に少し気を取り戻しそうになるものの、すかさずうっとりするような歌声とメロディー、伴奏が出てきて、また魔法にかかったようにココロはすっかり時空を超えてハワイでエルヴィスとデイト。
このアルバムが20週アルバムチャート・トップを続けたのも、映画が大当たりしたのも納得。それもこれもこの恐るべき”イントロとNight and”強力タッグのパワーが果たした役割は大きい。
このイントロはロックもブルースも関係ない、エルヴィス全曲ピカ一と言っても差し支えないのではだろうか。1961年3月22日にハリウッド・レディオ・レコーダーズでサントラ・セッションとして録音。
オリジナルはエルヴィスの大先輩格、ビング・クロスビーの1937年の映画『ワイキキの結婚』の主題歌として、ビング・クロスビー自身が歌って大ヒットしたもので「ハワイアン」ではない。その後シナトラはじめ著名な音楽家がカヴァーしているが、エルヴィス・バージョンは先輩たちをまるごと海の藻くずにしてしまったほどの魅力的な出来栄になっていると言っても文句ないだろう。
さらに痛快なのは、1961年10月にリリースされたアルバム『ブルー・ハワイ』が20週トップになったということはクリスマス、正月にかけて全米を常夏ムードにしていたということ。吹雪の中を”夜とキミと、そしてブルー・ハワイ〜”と口ずさみながら歩いていたといことか。さすが、これぞ、ヤンキー魂だ。やっぱりカラダは鍛えておかないとね。この頃ってクリスマスにはクロスビーの<ホワイト・クリスマス>が巷を占領するのが定番だったのでは?と、いうことはクロスビー先輩には恨みはないものの、ダブル・パンチでKOしていたということにならない?
でもアカデミー賞を受賞している大物。「エルヴィスの創造したものはすでに歴史の一部だ。なんと素晴らしいものを残していってくれたのだろう」と1997月8月16日に温かいコメント。
この<ブルー・ハワイ>はいまはカラオケ屋さんにも定番でストックされてる馴染みのある曲。エルヴィス印がついてるとさすがに恐れ多くてなかなか歌えないけれど、名曲太鼓判(盤?)。
本国ではシングル・カットされなかったけれど、さすがビクターは目のつけどころが良かった。サントラからスタンダードである<ノー・モア(ラ・パロマ)>とともにピックアップしてリリースしてしまった。そもそも、このアルバムは全曲シングルにしてもおかしくない出来栄!!これは20世紀のアーティストのココロこもった地球規模の雄大な贈り物なのだ。
どうだ、持ってない人はひとつ、自分に御中元であげてください。持ってる人はいまが旬。聴きまくろう!
紙ジャケット盤の在庫を見つけたらいますぐゲット!なければ22曲にアップグレイドされたものを、こちらには<好きにならずにいられない>のムービー・バージョンが収録されている。(『バラード2』にも収録されましたね)
しかしおすすめは、快適でスムーズな旅がお約束できる14曲のオリジナル紙ジャケット盤です!
では、ハワイでエルヴィスが待っていますから、また来週までバイバイ。