きっとどこかに
もっと明るく灯る光があるはず
きっとどこかに
もっと青い空高く飛ぶ鳥がいるはず
兄弟たちが手に手をとって
歩める地を夢見ることができるなら
教えて、なぜ、ああ、なぜ、なぜに
僕の夢は叶わない、なぜなんだ
平和と思いやりも
世の中、時には必要なんだ
疑いや恐怖を吹き飛ばす
固い信念も大切
希望で入々を照らす
暖かな太陽を夢見ることがでぎるなら
教えて、なぜ、ああ、なぜ、なぜに
なぜ太陽は現われない
雲の中で迷子の僕ら
どしゃぶりの雨にうたれながら
痛みだらけの世の中に
捕らえられているけれど
人間、夢見る力が
どこかに残っている限り
魂を解き放ち飛ぴたてる
心のずっと奥深く
抱いている恐ろしい疑問
でも分かっているんだ、その答えは
答えはいつか明かされると
はるか彼方の暗やみに灰めくロウソクが誘う
僕が自分で考え、話し
立って、歩き
夢見られるうちに
どうか夢を叶えてほしい
ああ、今すぐに
今すぐに叶えてほしい
Ooh、yeah
失われた命は還ってこないが、心に受けた傷は勇気で乗り越えていける。勇気さえあれば、深い絶望からも抜け出ることが可能になる。それは決して楽ではない。楽ではないが、多くの声が、手が、応援してくれていることを知れば、踏ん張ろうという勇気につながっていく。
そういう意味で、エルヴィスに限らず、多くのアーティストが参加するチャリティ・イベントは暗闇に灯る明りとして寒い心を少しでも温かくしてくれる。
2001年9月11日、大惨事となったNYテロ事件の被害者へのチャリティCDとしてシングル・リリースされた<明日への願い>は68年のカムバック・TVスペシャルのファイナルを飾る曲として、悶着の末に誕生した曲だった。
当初マネジャーであるパーカー大佐の計画はクリスマス・ソングだったが、TVプロデューサ・ステーブ・バインダーの意見は違った。もっとストレートに強いメッセージを国民に投げかけるほうがいいという考えだった。すでに内容の多くが大幅に刷新された挙句のファイナルだ。
その過程を通じてエルヴィスはプロデューサ、ステーブ・バインダーに信頼を寄せていた。数多くのロック・ショウをプロデュースをしてきた実績を持つだけでなく、エルヴィス・ファンの代表を担う存在でもあったステーブ・バインダーはパーカー大佐の意見に妥協することなく、ファンの真情に応えることこそ、この番組を意味あるものにする唯一の手段であるとの信念のもと、曲を作らせた。
エルヴィスはその曲を聴かせてくれと申し入れた。
キング牧師の「私には夢がある」に呼応したような形になっているこの曲をエルヴィスは繰り返し聴いた。それはエルヴィスを本来の自分に向かわせる上で奮い立たせるにふさわしい力が備わっていた。
2001年のいまテロ被害者を支援する曲が、1968年の時点では、誰よりも自分を支援する曲として、エルヴィスの耳にこだましていたのだ。
そしてエルヴィスにとって久々にヒットチャートをばく進する曲が生まれた。エルヴィス完全復活を意味した。
この曲は僕にとってはそれ以上でも、それ以下でもない。熱唱である。エルヴィスはその曲の意味と当時のポップシーンを十分に知っていて、声まで変えて、適応し新しいエルヴィスの創造へ突進した。
しかしボクにはそれが悲しいのだ。そして同時に尊敬するのだ。悲しいのは自然体には聴こえないからだ。これ以上やったら壊れそうなキングとしてのプライドをぎりぎりのところで維持しながら、時代に適応している姿に敬服する。
エルヴィスはこのTVショウに賭けたのだ。このショウはステーブ・バインダーの熱意ほどに、ステーブ・バインダーの才能は発揮されたとは思えない。しかしこのフィルムは公に残されているエルヴィスの映像の中でも、ショービジネスに生きる者の姿を唯一と言っていい生々しさで塗りつぶされている。
ある映像は血ヘドで真っ赤である。
ある画面はくやしさでズブ濡れである。
ある画面は「どうだい、簡単さ、こんなふうにモンキー・ビジネスをやるんだぜ」と言わんばかりの怒りに引き裂かれている。ステーブ・バインダーの計画ではもっと激しく引き裂かせるつもりだったが、テレビコードに抵触するとのことから抑えられた。そして白いスーツを着込んだファイナルは渾身の力で熱唱するほどに遠い日の突進を想像させながらも、その一方で「なんでもやるぜ」と言ってるようにも聞こえるのだ。「キングのカードはただでは手に入らないんだよ、ベイビー」と言ってるような気がする。
しかし現実は、その驚異的な視聴率とその後の活動が示すように、エルヴィスが想像した以上に簡単だったようだ。
ステーブ・バインダーは、プロデュースの困難さに、その野望とありきたりの落差に地団駄踏みながら、エルヴィスという大きすぎる素材の才能の深さを改めて感じただろう。
パーカー大佐はなにが起こっていたのか掌握できないまま視聴率に感動しただろう。
ボクはニューヨーク行きのチケットを持っている。10月の初めに行く予定だったが、9月11日のテロ事件によって気後れした。クリスマスに行けたらーーと思っている。その時<毎日がクリスマスなら>をラジカセで流しながら闊歩してみたいと思っている。
大した曲ではない。<明日への願い>と同じメッセージを持ちながらも、柔らかく温かく悲しみに満ちている。
エルヴィス自然体のメッセージソングである。
エルヴィス・プレスリーが歌った曲で、エルヴィス・プレスリーを超える曲は一曲もなかった。
There must the lights
Burnin' brighter somewhere
Got to be birds flyin' higher
In a sky more blue
If I can dream of a better land
Where all my brothers walk hand in hand
Tell me why, oh why, oh why
Can't my dream come true, oh why
There must be peace
And understanding sometime
Strong winds of promise
That will blow away the doubt and fear
If I can dream of a warmer sun
Where hopes keeps shinin' on everyone
Tell me why, oh why, oh why
Won't that sun appear
We're last In a cloud
With too mvch rain
We're trapped in a world
That's troubled with pain
But as long as a man
Has the strength to dream
He can redeem hls soul and fly
Deep in my heart
There's trembling question
Still am sure that the answer's
Answer's gonna' come somehow
Out there in the dark
There's a beckoning candle, yeah
And while In can think while I can talk
While I can stand , while I can walk
While I can dream Oh, please let me dream come true
Ooh, right now
Let it come true right now
Ooh, yeah
いまエルヴィスがアメリカの市井の人々を支援している。