バカだよ、彼女は求めていたのに
バカだよ、彼女からも愛されたのに
バカだよ、愛すればよかっただけなのに
だけどもう、愛は去ってしまった
消えてしまった、愛と笑い
朝からのことを思い起こす
気づくことはできなかったのか、彼女の瞳が痛々しく
もう、終わりねと言っていたのを
バカだね、彼女を傷つけずに済んだのに
バカだね、彼女を失うことはなかったのに
バカだね、愛すればよかっただけなのに
だけどもう、愛は去ってしまった
バカだよ、愛すればよかっただけなのに
あの,恋はもう消えてしまった
バカだよ、彼女は求めていたのに
バカだよ、彼女からも愛されたのに
バカだよ、愛すればよかっただけなのに
だけどもう、愛は去ってしまった
バカだね、彼女を傷つけずに済んだのに
バカだね、彼女を失うことはなかったのに
バカだね、愛すればよかっただけなのに
だけどもう、愛は去ってしまった
ELVIS(1973)
盲目の人が杖を奪われた頼りなさを、嘆くこともせずに、これまで歩んだまっすぐな道を黙してまっすぐに進みながら歌っているような気がして、聴く者を圧倒する孤高の美しさを感じてしまうこの曲<フール>はプリシラと別れた直後、72年3月28日の録音。<別離の歌>も同日の録音。ともにエルヴィスの心情をそのまま歌ったような楽曲は何度聴いても胸を打つ。
映画『エルビス・オン・ツアー』の中では<別離の歌>を演奏しているシーンが挿入されている。映画では<別離の歌>が流れる中、演奏シーンから早朝の寒々しい空港をエルヴィスとバンドのメンバーが乗り込んでツアーに出発するシーンに変わっていくが、いいようのない哀感が漂う印象深い場面になっている。
* Fool, you didn't have to hurt her
Fool, you didn't have to lose her
Fool, you only had to love her
But now the love is gone
* *Fool, you could have made her want you
Fool, you could have made her love you
Fool, you only had to love here
But now the love is gone
Gone now, the love and laughter
See yourself the mornin' after
Can't you see her eyes all misty
As she said goodbye
* Repeat
Fool, you only had to love here
But now the love is gone
* * Repeat
* Repeat
バカだねが響く。
響くほどにバカが痛い。
バカ痛いぞ!
でも泣いていいんだと
歌ってくれた。