I WANT TO BE
FREE
自由になりたい
エルヴィス・プレスリーの音楽
エルヴィス・プレスリーのDVD
エルヴィス・プレスリーの本
出た!1年ぶり。未発表テイクが収録された新譜。クローズ・アップ。26th命日記念企画。4枚組は50年代のサントラ録音。60年代初期の『G.Iブルース』『燃える平原児』『嵐の季節』『ブルー・ハワイ』のサントラ録音。60年代のナッシュビルRCAスタジオに於ける録音、そして72年4月のテキサス・ライブという構成で全86曲がマニアックな未発表音源。
ディスク: 1
50年代の未発売ステレオ・マスター
1.谷間の静けさ/Peace In
The Valley (Take 9 MASTER)
2.アイ・ベッグ・オブ・ユー/I Beg Of You (Take 11)
3.心のうずく時/That's When Your Heartaches Begin (Take 2)
4.イット・イズ・ノー・シークレット/It Is No Secret (Take 13 MASTER)
5.ブルー・ベリー・ヒル/Blueberry Hill (Take 9 MASTER)
6.愛していると言ったっけ
/HAve I Told You Lately That I Love You (Take 15 MASTER)
7.イズ・イット・ソー・ストレンジ/Is It So Strange (Take 12MASTER)
8.ラヴィング・ユー/Loving You (FAST Take 5)
9.ラヴィング・ユー/Loving You (FAST Take 15)
10.監獄ロック/Jailhouse Rock (MASTER)
11.やさしくしてね/Treat Me Nice (version1 Take 19)
12.ヤング・アンド・ビューティフル/Young & Beautiful (Takes 11 - 13)
13.ヤング・アンド・ビューティフル/Young & Beautiful (SOLO MASER Take
3)
14.ヤング・アンド・ビューティフル/Young & Beautiful (NIGHT CLUB MASTER
Take 7)
15.自由になりたい/I Want To Be Free (Moovie Version Take12)
16.やさしくしてね/Treat Me Nice (2nd version Take 13)
17.自由になりたい/I Want To Be Fre (Record Version Take 11 MASTER)
18.ドント・リーヴ・ミー・ナウ/Don't Leave Me Now (Take 2 - Elvis On Piano)
19.ドント・リーヴ・ミー・ナウ/Don't Leave Me Now (Movie version Take
21)
20.ベイビー・アイ・ドント・ケア/(Are You So Square) Baby,I Don't Care
ディスク: 2
「GIブルース」(60年)、「ブルー・ハワイ」(61年)
「燃える平原児」(60年)と「嵐の季節」(61年)録音風景とともに
1.GIブルース/G.I blues
(Take 6)
2.ベストは尽くしたが/Doin' The Best I Can (Take 10 - 12)
3.さらばふるさと/Wooden Heart (Take 1)
4.ポケットが虹でいっぱい/Pockeful Of Rainbows (Take 15 & 16)
5.いかす買物/Shoppin Around (Take 4 & 5)
6.フランクフルト・スペシャル/Frankfurt Special (Takes 4 & 5)
7.奴のあだ名はビッグ・ブーツ/Big Boots (FAST - Take 1)
8.今夜は恋の気分で/Tonight's All Right For Love (Take 4 & 5)
9.夏に開いた恋なのに/Summer Kisses Winter Tears (Take 2)
10.燃える平原児/Flaming Star (Take 2)
11.ロンリー・マン/Lonely Man (SOLO - Take 3)
12.イン・マイ・ウェイ/In My Way (Take 2)
13.僕を忘れないで/Forget me Never (Take 1)
14.嵐の季節/Wild In The Country ( Takes 1 & 14)
15.ロンリー・マン/Lonely Man (Take 1)
16.アイ・スリップト、アイ・スタンブルド、アイ・フェル
/I Slipped, I Stumbled, I fell (Take 14 - 16)
17.アロハ・オエ/Aloho-oe (Take 1)
18.ハワイアン・サンセット/Hawaiian Sunset (Takes 3)
19.私の恋人/Ku-U-I-PO (Take 6 & 7)
20.ノー・モア/No More (Take 11)
21.スライシン・サンド/Slicin' Sand (Takes 6 & 7)
22.ステッピン・アウト・オブ・ライン/Steppin Out Of Love (Take 15)
23.オールモスト・オールウェイズ/Almost Always True (Take 3)
24.月影の渚/Moonlight Swim (Take 4 edited)
25.好きにならずにいられない/Can't help Falling Me In Love (Take 14,15,16)
ディスク: 3
ナッシュヴィルのマジック
大量のヒット曲を生んだ伝説のナッシュヴィルのRCAスタジオBにて1960年から67年にかけてエルヴィスがレコーディングしたセッションからのアウトテイク集。
1.君の気持ちを教えてね/Make
Me Know It (Take 1)
2.固い枕の兵隊暮らし/Soldier Boy (Take 10)
3.アイ・フィール・ソー・バッド/I Feel So Bad (Take 1)
4.奴の彼女に首ったけ/Girl Of My Best Friend ,The (Take 9)
5.サレンダー/Surrender (Takes 5 & 6)
6.家を建てて/Workin' on The Building (Take 4)
7.スターティング・トゥディ/Straiting Today (Take 1)
8.キス・ミー・クイック/Kiss Me Quick (Take 4)
9.忘れ得ぬ人/That's Someone You'll Never Forget (Take 7)
10.マリーは恋人/(Marie's The Name) His Latest Flame (Take 12)
11新しい恋人見つけた/I Met Her Today (Take 16)
12.ナイト・ライダー/Night Rider (Take 1)
13.内気な打ち明け/Just Tell Her Jim Said Hello (Take 4)
14.恋のやまびこ/Echoes Of Love (Take 8)
15.アスク・ミー/Ask me (Take 7)
16.わが傍らに立ちて/Stand By Me (Take 10)
17.大いなる人/Somebody Bigger Than You & I (Take 15)
18.神がなければ/Without Him (Take 8)
19.私のもの/Mine (Take8 & 9)
20.シンギング・トゥリー/Singing Tree (First version Take 4)
21.アメリカ魂/U.S. Male (Take 10)
ディスク: 4
1972 ライヴ・イン・テキサス 1972年8月18日のテキサス州サン・アントニオでのライヴ録音。
オープニングから最後までほぼ全容を収録。この一部は映画「エルヴィス・オン・ツアー」に収録。
1.ツァラトゥストラはかく語りき/Also
Sprach Zarathustra
2.シー・シー・ライダー/See See Rider
3プラウド・メアリー/.Proud Mary
4.ネヴァー・ビーン・イン・スペイン/Never Been To Spain
5.ユー・ゲイブ・ミー・ア・マウンテン/You Gave Me A Mountain
6.別れの時まで/Until It's Time For You To Go
7.ポーク・サラダ・アニー/Polk Sakad Annie
8.ラヴ・ミー/Love Me
9.恋にしびれて/All Shock Up
10.テディ・ベア〜冷たくしないで/(Let Me Be Your) Teddy Bear〜Don't Be Cruel
11.ハートブレイク・ホテル/Heratbreak Hotel
12.ハウンド・ドッグ/Hound Dog
13.偉大なるかな神/How Great Thou Art
14.愛さずにはいられない/I Can't Stop Loving You
15.ラヴ・ミー・テンダー/Love Me Tender
16.サスピシャス・マインド/Suspicious Minds
17.メンバー紹介/Introductions
18.心の想い出/For The Good Times
19.バーニング・ラヴ/Burning Love
20.アメリカの祈り/American Trilogy
21.時のたつのは早いもの/Funny How Time Slips Away
22.好きにならずにいられない/Can't Help Falling In Love
23.クロージング・ヴァンプ/Closing Vamp
サントラ録音は『G.Iブルース』から8曲『ブルー・ハワイ』からは9曲と完璧ぶり。また72年ライブはショーをタイムマシンよろしく、まるごと伝えて熱いサービス。
未発表テイクといってもエルヴィスの場合、歌はその場の情熱、生鮮もので、それぞれが一発勝負のスリリング。テイクによってはまるで違う曲かのように違う場合もあるので、新譜のような新鮮さがあるのは相変わらず。
50年代<心のうずくとき>では台詞から歌に変わるときの入り方の鮮やかさに胸騒ぎ。どうすれば動揺、グラグラめまいするか知り抜いた完全セクシー。
<LOVING YOU>ではオーケストラを思わせる粋なアレンジをバッグにジャズを聴いている気分だ。ディーン・マーティンにでも憧れているのかと思わせる不良青年の初々しさがキラリーンと光って魅力。
それらがいずれも体温が感じ取れる距離でのライブな感覚で聴くことができるのだ。まるで小さなコンサートホールかパブのスポットライトのなかにエルヴィスが目の前にいるような錯覚に溢れている。談笑とそこにあるピアノの音色がリアル。
生でぶつかる潔さこそエルヴィスの真骨頂。そして歌の中にある世界観だけは誰にも邪魔させない。それはハリウッド・マジックの手先のような場合のエルヴィス映画に於いても同様であることは、このアルバムを聴くと瞬時に理解できる。『監獄ロック』サントラ録音では可能性に向かっておなじみの楽曲との格闘の足跡が伺える。歌こそがキングのホームグランド。それはエルヴィスの聖地である。
There's no joy in my
heart
Only sorrow
And I'm sad as a man can be
I sit alone in the darkness
Of my lonely room
And this room is a prison to me
I Iook out my window and what do I see
I see a bird way up in a tree
I wanna be free free free
I wanna be free like the bird in the tree
Oh, what good are my eyes
They can't see you
And my arms, they can't hold you so tight
I have two lips that are yearning
But they're no good to me
'Cause I know I can't kiss you tonight
l look out my window and what do
I see I see a bird way up in a tree
I wanna be free free free
I wanna be free like a bird in a tree
I wanna be free like a bird in a tree
キング・オブ・ロックンロール、エルヴィス・プレスリーが映画『ハレム万才』で演じた役のモデルであったルドルフ・バレンチノの葬儀がニューヨークのキャンベル教会で執り行われた際、参列者は2万人に達した。1926年の話だ。
その後、それに匹敵する人が集まることはなかったが1969年は違った。
キャンベル教会の通りを2万人からの若い人で埋めつくしたのは、ジュディ・ガーランドの眠りだった。ジュディ・ガーランド・・・『オズの魔法使い』(39年子役)『スター誕生』(54年)、『ニュールンベルグ裁判』(61年)は、それぞれアカデミー特別賞受賞、同じく主演女優賞ノミネート、助演女優賞ノミネートに輝く。
ジュディ・ガーランドはショー・ビジネスによって有名になる一方で、ショー・ビジネスと激しく格闘し、疲れきり、ボロボロになった。
繊細な神経と映画会社からのダイエットの強要に苦しみドラッグで目をさまし。睡眠薬で眠る日々が続いた。
1969年6月22日、睡眠薬を誤って多量に飲みすぎ他界。 まだ47歳の若さだった。
ジュディ・ガーランドの日常をネタに出版された暴露本的な小説『Valley of
the Dools(人形の谷)』は大ベストセラーになり、1967年『哀愁の花びら/Valley of the Dools』として映画化された。
心ないそれらはさらにジュディを苦しめ、彼女の命を縮めた。
人々はその苦痛を十分知っていた。時は60年代後半である、特に若い人々の間では、文学的価値も品位もない、そのような本や映画に嫌悪感が広がった。
止まらない涙のように長蛇の列となった別れの挨拶は1日がかり翌朝まで続いた。
弔辞を読んだのは、『オズの魔法使い』で共演した名優ジェームス・メーソン。
2万人の弔問客の前で「これだけの若い人々が彼女の苦しみを共感している」と語った。
いまでもガーランドが歌う主題歌「虹の彼方へ」に愛らしい笑顔と美しい声を思い起こし、素敵な気持ちになる人々は世界中に数知れない。
ジュディ・ガーランドの娘、ライザ・ミネリ(1946年生まれ)は2歳で母と映画共演、14歳からオフ・ブロードウェイの舞台にたっていた。68年映画デビュー。ジュディー・ガーランドが他界した69年に『帰らざる河』『栄光への脱出』の巨匠オットー・プレミンジャー監督作品『愛しのジュニームーン/Tell
Me That You Love Me,Junie Moon』に出演。
この時、映画会社は『愛しのジュニームーン』に出演契約するなら複数出演契約の必要をライザ・ミネリに要求。しかしオットー・プレミンジャー監督はこの契約を断固拒否したという。
ようやくブロードウェイで認められるようになっていた彼女が、たとえ映画で有名になっても、自分の夢を失えば、自分はいないのと同じだ。映画会社にしばられて、自分を見失うことの恐れへの配慮からだった。
3年後、ライザ・ミネリは『キャバレー』でアカデミー主演女優賞を獲得する。
エルヴィスにも守ってくれる人がいたらと思う。自分で自分を応援してサン・レコードの扉をあけた。スターになってからは、エルヴィスを取り込もうとする人がいる一方で、自分を応援することが少なくなっていったキング。
ライザ・ミネリがその後、母の影を追うようにアルコール依存症になってしまったように、誰にとっても過去の呪縛から逃れるのは難しい。