HOW GREAT THOU ART | |
黒人教会の前にひとり佇んでいた少年の心が詰まった一枚は、あなたに何を伝えるでしょう? | |
クリスマスアルバムを別にして、ゴスペルアルバムは3枚ありますが、このアルバムには特に『思い』が強い方が多いのではないかと思います。このアルバムは1966年5月にナッシュヴィルRCAスタジオでの録音によります。この時にボブ・ディランの<明日は遠く>初回の<ラブ・レター>を。6月には<アイル・リメンバー・ユー>も録音しています。なんと1963年の<悲しき悪魔>以来のサントラ盤外の作品に取り組んでいるわけです。ファンが渇望していた歌手エルヴィスを明確に示したアルバムであり、しかも威風堂々たる表現は、映画音楽の域では表現できないものばかり。その分インパクトが強かったと思うのです。特に<偉大なる神>はいろんな歌手がいろんなアレンジで歌っていますが、?。こもった熱唱はピカイチ! このアルバムに先立って60年に録音されていた<クライング・イン・ザ・チャペル>を65年シングル・リリースし、ミリオンセラーさせて、本アルバムをリリースしました。68年の歌手エルヴィス復活への助走になったアルバムといえます。このアルバムを『助走』と位置付けられるところが凄いでしょう。恐らくこのアルバムは音楽シーンの状況がすべて変わっていく中で、どうしていいのか具体的なプランも出せないまま、エルヴィスの存在を示したものだと思うのです。 録音しながらエルヴィスは自分の中に燃え上がるものを感じながら、感じることでさらにそれを確かなものとしながらも、どう噴出したらいいのか。精神を表現するにも表現するべき身体は、ナニも変わっていないという顔つきの映画会社とレコード会社に拘束されてしまっている。実際にはエルヴィスは孤立していたし、苛立っていたのでは?そんなエルヴィスを癒すのはゴスペル。そして68年にようやく解き放たれてエルヴィスは野生に戻り、豹のごとく、あのシッドダウンショーへ突撃していくわけですよね。ロックンローラー復活の助走たる所以です。 ピエロとしては少年時代からエルヴィスを支え続けたゴスペルを聴きながら、「潰れなかった魂」を学んでみたいと思うのです。GWも終わったことだし。 |
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1.By And By/やがていつの日か 2.How Great Thou Art /偉大なるかな神 3. So High /高きところに 4. In The Garden /園にて 5. If The Lord Wasn't Walking By My Side /主がわれと共に歩まなければ 6. Somebody Bigger Than You And I /大いなる人 7.Run On /ラン・オン 8. Farther Along /はるか彼方 9. Stand By Me /わがかたわらに立ちて 10. Without Him /神がなければ 11. Where Could I Go But To The Lord /主のみ許に行かん 12. Where No One Stands Alone /誰もひとりでは立てない所 13. Crying In The Chapel /涙のチャペル 14. Peace In The Valley /谷間の静けさ(初回日本盤には入っていない) |
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