エルヴィス・プレスリーのガール！ガール！ガール！

エルヴィス・プレスリーの暑中お見舞いリゾート３連発。



くじらの潮もご機嫌な夏、エルビス映画も最高潮。
名曲＜心の届かぬラブレター＞が生まれた快調エルヴィス・ムービーは漁港が舞台のハワイアン第２作。今週はオリジナルのLPで紹介されたライナーノーツを全文ご紹介。筆者は関光夫氏。
1.King Of The Whole Wide World 2. This Is Living 3. Riding The Rainbow 4. Home Is Where The Heart Is 5. I Got Lucky 6. Whistling Tune, A ------------------------------------------------------ 7. Girls! Girls! Girls! 　ガールス!ガールス!ガールス! 8. I Don't Wanna Be Tied 　僕を縛らないで 9. Where Do You Come From - (not in film) 　あなたは何処から 10. I Don't Want To - (not in film) 　好きになりたくないんだが 11. We'll Be Together 　　一緒にいようよ 12. Boy Like Me, A Girl Like You, A 　似合いのカップル 13. Earth Boy 　大地の子 14. Return To Sender 　心のとどかぬラヴ･レター 15. Because Of Love 　恋のおかげで 16. Thanks To The Rolling Sea 　海への感謝 17. Song Of The Shrimp 　小えびの唄 18. Walls Have Ears, The 　壁の耳には聞こえない 19. We're Coming In Loaded 　大漁の唄 20. Mama - (not in film) 21. Plantation Rock - (not in film) 22. Dainty Little Moonbeams 23. Girls! Girls! Girls! - (end title version) ●現在発売されているCDの曲目リスト、下の写真はCDジャケット

1)プロローグ 1937年、これは、映画が音をもち始めた年である。そして、1929年、此の年から、映画は全篇に音をもった。オール･トーキーと云う言葉が云われ、オール･トーキーとは、、映画と同じ意味を示すことに成る。尤もその頃の日本では、活動と映画のことを呼んでいた。処で映画が音をもったことは、音楽映画の製作を盛んにし、歌う映画スターを育てること成った。育てると云っても口で云う程生やさしいことではないから、既に歌手として人気のあるものを起用し、ルディ･ヴァレー、アル･ジョルソン、エセル･マーマン等が、次々に音楽映画のスターとして名をあげたのである。そしてビング･クロスビー、今は監督に成っているディック･ポウェル等が、歌う映画スターとして全盛期をつくった。歌手でも映画にも成功したものが、次々に現われると、人気歌手は、一応映画にタッチし、映画界でも彼らの人気に便乗Lて、使ってみる。併し歌手として成功した人、必ずしも映画にも成功するとはかぎらない。2、3本の映画出演で、映画界に見きりをつける歌手、つけられる歌手、ひどいのは一回の出演で望みなしと云うのもある。その中で1930年代にビング･クロスビー、1940年代でフランク･シナトラ、1950年代でエルビス･プレスリー、イヴ･モンタンが、収穫であった。クロスビーは、40年代に成って初めて彼の演技力が、表面に出てオスカーを得、シナトラも1950年代に成って演技的に開眼、アカデミー賞を獲得している。つまり天才でも、本格的映画スターに成る迄、10年の年月がかかっているのである。そうしてみるとプレスリーにとって、1960年代は、本格的映画俳優になれるかどうかの大切な時代である。幸いに彼は、1960年に、軍隊生活を柊えてカムバックし、人間が一段と成長、円熟した。一本、一本歌手プレスり一をはなれて、俳優としての彼の地歩をかためる時、右手に金色の像オスカーがほほえむことであろう。
2)プレスリー映画の役柄分析演技することでは、その俳優のもっている生れ乍らのもの-----つまり顔、姿、声、そして性格----を全く無視することは出来ない.それどころか、それを逆に利用して行く場合がかなりある。特に演技力不足な新人の間は------。「せりふを云った経験は、正直な処ありません.」映画にスタートした当時プレスリーは、こう答える全くの素人てあった。だから彼が、無理をしなくてすむような役柄が、多く選ばれたのである。プレスリーがプレスリーでさえあれば、その映画は物語を運んでくれた。「やさしく愛して」では、兄を救う為に射合い、重傷を負って死ぬ男。それも戦死したと思ったその兄の妻と再婚している弟。此処では、兄弟に殉じる犠牲の精神、潜在的には、兄嫁を不運にも奪う形に成ったそのつぐないを果そうとする悲愴感をもっている。「さまよう青春」では、孤児院から火事の時、逃げ出した孤児で、マネージャーに成ってくれた女性を恋し、彼女が人妻だと知って一時は自暴自棄に成るが、終りにあきらめる青年。此処でも愛する者の幸福の為に自分を押える犠牲の精神をもち、母性愛的愛情から飛躍して、常識的な愛情に生きる青年で、終りはめでたしめでたしだが、やや失恋と云う悲性感がある。「監獄ロック」では、あやまって人を殺し刑務所に入った好青年が、そこで民謡とギターをおぼえ、出所後、ある女性の力で歌手として成功する。此の映画で彼は、他人を犠牲にして、世の中に出る男と云うあつかましさを出して此れ迄の犠牲的精神を発揮することからはなれている。「闇に響く声」では、女性の力で歌手として成功する貧しい青年。気の弱い父親を見るにつけて劣等感とレジスタンスの渦にまきこまれる。此処迄が入隊前の映画だが、除隊後も「燃える平原児」「嵐の季節」と母性愛的雰囲気につつまれたものが多く、それ丈にうすい黒雲が流れるような暗さが、ただよっていた。何か年上の女の同情をひくプレスリーの内にあるもの、そして全ての幸福をすてて火の中に身を投じてしまうような彼の悲愴感のそれは、政治と云う大きな力にふり廻されて殉じてしまう愛国の志士的でさえある。これ迄の多くのプレスリー映画は、こうした彼から受ける感じを充分に利用して来たが、「夢の渚」で、ガラッと変った劇的な面が引き出され、彼の新しいタイプがつくられた。「僕は何にも判らない。監督さんの云う通り動く。せりふを云う。判らないことは、監督さんにきく。」プレスリーは、映画の演技ついてこう謙遜するが、それ程、人形的な男ではない。寧ろ此れこそ'彼のスマートな作戦と云えよう。彼の映画をよく監督するノーマン･タウログの作品では、至極平凡なそれでいて女の子にもてる青年を演じて、屈たくがない。併しプレスリーは、まだまだ何かをもっているスターである。彼は、それを誰かがひき出して呉れるのを待っている。歌はともかくとして、演技は、素人だった彼から引き出されたものであり、そうした点では、彼自身より目のきくガメツイ連中がいることを知っているからである。
3)「ガールス!ガールス!ガールス!」フロリダ、ハワイと此処の処、プレスリー映画の舞台は、海辺が多い。軍隊できたえた男盛りの彼の躯を惜し気なく、スクリーンに示すことが出来るからであろう。人のいいギリシャ人で、漁船「西風号」の船主アレキサンダーは、船をまかせている好青年のロスに「此の船は何時かお前に買い易い値段で売ってやるよ。何しろお前の死んだおとっつあんとお前がつくった船だからなあJと激励し、本当にそのつもりである。併し物事はうまく行かないもので、アレキサンダーの妻が病弱の為、アリゾナに転地の費用として、ロスが船を買う金がたまる前に売らなけれほ成らなく成った。何しろ、ナイト･クラフの歌手ロビンの魅力も云いよるやさしい言葉も船を買うことに夢中になっているロスには入らない位だから、船が転売されるニュースに彼はガッカリ。それでもローレルと云う娘には、一寸彼の心も動き、彼女の父親を恋人と間違えてカーツと来たりした末、「僕の恋人は、西風号です」とかなんとか云い乍らもローレルとデイト。一諸にアレキサンダーのパーティに出たりする.ある日、二人に西風号をあやつって海にランデヴーと酒落こんだが、途中で嵐に成り、パラダイス入江に逃げ込む。此処には、彼の一番の親友チェンの家があり、名前の通りロマンティックな風景に富んだ漁村である。二人はチェンの両親の家に泊めてもらうが、眠られぬ儘、それぞれロマンティックなムードに包まれ、互に恋しまいとする心に反して、忘すれがたいものを感じてしまう。彼等が帰って耳にしたのは、アレキサンダーがとうとう「西風号」をジョンソンと云うブローカーに手ばなしてしまったことであった。ロスは、ウェスレーに交渉するがジョンソンは、法外な値段を云ってロスを怒らせる。併しロスは、「西風号」を手に入れる為にジョンソンの下で働き、一日でも早く船を自分のものにしようと、その上ロビンの働いているクラブで唄い始める。そして大成功を収めるが、ロビンは、めしの喰上げならぬ、自分のパンを取り上げる気かと彼に文句を云って困らせた。一方ローレルは、船の入手に夢中に成るロスを何時が喜ばせようと金持の父にたのんで、ジョンソンから、西風号を買入れ、ジョンソンに誰にも此のことを云っては、駄目よと約束させる。ロスは、「此の船売ります」の札がないので、ジョンソンが誰かに売ってしまったことを知って、ガッカリする。ローレルは、自分の気持を判ってもらいたいのだが、人の情にすがることを恥とするロスのプライドを少しも傷つけずに事を運ぶにはどうしたらいいか、心なやますのである。そんな時失望したロスは、消息を絶った。彼は、恐らくパラダイス入江にいるのではないだろうか……。ローレルは、ジョンソンにたのんで、船を入江に向けてもらう。船の上の2人を双眼鏡でみたチェンは、ローレルに大事が起ったと感違いして入江のロスに連絡する。ロスは、ローレルを救う為に「西風号Jに向い、ジョンソンの癖解も何のその彼をコテンコテンにやっつける。パラダイス入江の楽しいパーティの夜、ロスは、腕にだいた美しい娘にささやく。「僕達は、結婚しよう!!そして僕達の別の船をつくろう!！その娘は、勿論ローレルであった。
4)主題歌について〈A面〉 (1)ガールス!ガールス!ガールス! 劇中では、プレスリーと8ケ国の美女30人が、踊り唄う大変にぎやかなメロディで、此処では打楽器とサックスが、聞きどころに成っている。ジェリー・ライバーとマイク・ストラーの曲。 (2)僕を縛らないでナイト・クラブのシーンでプレスリーが唄うもので、パーカッションのバックが面白いムードをつくり上げている。ビル･ジャイアント、バー二一･バウム、エフ･ケイの曲。 (3)あなたは何処からロスとローレルの初めての出違いで、月下の散歩に唄われるリストのピアノ曲を思わせる静かなメロディ。ルース･バチェラー、ポップ･ロバーツの曲。 (4)好きになりたくないんだが唯一人、「西風号」の上でプレスリーが唄うバラード。ギターに始るハワイアン調で、ジャニス･クールとフレッド･スピールマンがーいたもの。 (5)一緒にいようよアレキサンダーのパーティで、アミコスのコーラスと共に唄われるラテン訳の曲で、ギターとクラベスが気分をつくる。チャールズ･オクラン、ダッドレイ･ブルックスの曲。 (6)似合いのカップル濠に船をあやつり乍ら、プレスリーが、ローレルに唄う.彼のソフトな面が、よく生かされた曲で、シッド･テパー、ロイ･C･ベネットが書いたもの (7)大地の子中国の恋の唄で、シッド･テパーとロイ･C･ベネットが書いたバラード.

〈B面〉 (1)心の届かぬラヴ・レターナイト･クラブのシーンでブレスり一が唄うツイスト調。オティス・ブラックウェルとウィンフィールドスコットの曲 (2)恋のおかげで前の曲のアンコールとして唄われるソフト・タッチ。ルース･バチェラーとポップ･ロバーツの書いたメロディ (3)海への感謝マグロ漁船の上でプレスリーと漁師達によって唄われるもので、太鼓の連打が、ハワイアン調とミックストしてあらあらしい男性美を描く。バチェラーとロバーツの曲。 (4)小えびの唄海でプレスリーを中心に船のり達が唄うカリブソ調。ロイ･ベネットとシト･テパーの曲である。 (5)壁の耳には聞こえないローレルのアパートで踊り、プレスり一が、タンゴ調で唄う曲で、ベネットとテパーがーいたもの。 (6)大漁の唄大漁でプレスり一と漁師遷が、唄う祝い歌m.インディアン調ロックと云った感じで、オティス・プラックウェルとウィンドフィール・スコットが書いている。尚(A-5)を除いてプレスリーと仲好しのジョーダネア－ズがつき合っている。
ELVIS PRESLEY コレクション　トップ　　　20世紀不滅のロックベスト100アンケート募集中！
エルヴィス・プレスリー全アルバム
http://www.genkipolitan.com/

エルヴィス・プレスリーの暑中お見舞いリゾート３連発。



くじらの潮もご機嫌な夏、エルビス映画も最高潮。
名曲＜心の届かぬラブレター＞が生まれた快調エルヴィス・ムービーは漁港が舞台のハワイアン第２作。今週はオリジナルのLPで紹介されたライナーノーツを全文ご紹介。筆者は関光夫氏。
1.King Of The Whole Wide World 2. This Is Living 3. Riding The Rainbow 4. Home Is Where The Heart Is 5. I Got Lucky 6. Whistling Tune, A ------------------------------------------------------ 7. Girls! Girls! Girls! 　ガールス!ガールス!ガールス! 8. I Don't Wanna Be Tied 　僕を縛らないで 9. Where Do You Come From - (not in film) 　あなたは何処から 10. I Don't Want To - (not in film) 　好きになりたくないんだが 11. We'll Be Together 　　一緒にいようよ 12. Boy Like Me, A Girl Like You, A 　似合いのカップル 13. Earth Boy 　大地の子 14. Return To Sender 　心のとどかぬラヴ･レター 15. Because Of Love 　恋のおかげで 16. Thanks To The Rolling Sea 　海への感謝 17. Song Of The Shrimp 　小えびの唄 18. Walls Have Ears, The 　壁の耳には聞こえない 19. We're Coming In Loaded 　大漁の唄 20. Mama - (not in film) 21. Plantation Rock - (not in film) 22. Dainty Little Moonbeams 23. Girls! Girls! Girls! - (end title version) ●現在発売されているCDの曲目リスト、下の写真はCDジャケット

1)プロローグ 1937年、これは、映画が音をもち始めた年である。そして、1929年、此の年から、映画は全篇に音をもった。オール･トーキーと云う言葉が云われ、オール･トーキーとは、、映画と同じ意味を示すことに成る。尤もその頃の日本では、活動と映画のことを呼んでいた。処で映画が音をもったことは、音楽映画の製作を盛んにし、歌う映画スターを育てること成った。育てると云っても口で云う程生やさしいことではないから、既に歌手として人気のあるものを起用し、ルディ･ヴァレー、アル･ジョルソン、エセル･マーマン等が、次々に音楽映画のスターとして名をあげたのである。そしてビング･クロスビー、今は監督に成っているディック･ポウェル等が、歌う映画スターとして全盛期をつくった。歌手でも映画にも成功したものが、次々に現われると、人気歌手は、一応映画にタッチし、映画界でも彼らの人気に便乗Lて、使ってみる。併し歌手として成功した人、必ずしも映画にも成功するとはかぎらない。2、3本の映画出演で、映画界に見きりをつける歌手、つけられる歌手、ひどいのは一回の出演で望みなしと云うのもある。その中で1930年代にビング･クロスビー、1940年代でフランク･シナトラ、1950年代でエルビス･プレスリー、イヴ･モンタンが、収穫であった。クロスビーは、40年代に成って初めて彼の演技力が、表面に出てオスカーを得、シナトラも1950年代に成って演技的に開眼、アカデミー賞を獲得している。つまり天才でも、本格的映画スターに成る迄、10年の年月がかかっているのである。そうしてみるとプレスリーにとって、1960年代は、本格的映画俳優になれるかどうかの大切な時代である。幸いに彼は、1960年に、軍隊生活を柊えてカムバックし、人間が一段と成長、円熟した。一本、一本歌手プレスり一をはなれて、俳優としての彼の地歩をかためる時、右手に金色の像オスカーがほほえむことであろう。
2)プレスリー映画の役柄分析演技することでは、その俳優のもっている生れ乍らのもの-----つまり顔、姿、声、そして性格----を全く無視することは出来ない.それどころか、それを逆に利用して行く場合がかなりある。特に演技力不足な新人の間は------。「せりふを云った経験は、正直な処ありません.」映画にスタートした当時プレスリーは、こう答える全くの素人てあった。だから彼が、無理をしなくてすむような役柄が、多く選ばれたのである。プレスリーがプレスリーでさえあれば、その映画は物語を運んでくれた。「やさしく愛して」では、兄を救う為に射合い、重傷を負って死ぬ男。それも戦死したと思ったその兄の妻と再婚している弟。此処では、兄弟に殉じる犠牲の精神、潜在的には、兄嫁を不運にも奪う形に成ったそのつぐないを果そうとする悲愴感をもっている。「さまよう青春」では、孤児院から火事の時、逃げ出した孤児で、マネージャーに成ってくれた女性を恋し、彼女が人妻だと知って一時は自暴自棄に成るが、終りにあきらめる青年。此処でも愛する者の幸福の為に自分を押える犠牲の精神をもち、母性愛的愛情から飛躍して、常識的な愛情に生きる青年で、終りはめでたしめでたしだが、やや失恋と云う悲性感がある。「監獄ロック」では、あやまって人を殺し刑務所に入った好青年が、そこで民謡とギターをおぼえ、出所後、ある女性の力で歌手として成功する。此の映画で彼は、他人を犠牲にして、世の中に出る男と云うあつかましさを出して此れ迄の犠牲的精神を発揮することからはなれている。「闇に響く声」では、女性の力で歌手として成功する貧しい青年。気の弱い父親を見るにつけて劣等感とレジスタンスの渦にまきこまれる。此処迄が入隊前の映画だが、除隊後も「燃える平原児」「嵐の季節」と母性愛的雰囲気につつまれたものが多く、それ丈にうすい黒雲が流れるような暗さが、ただよっていた。何か年上の女の同情をひくプレスリーの内にあるもの、そして全ての幸福をすてて火の中に身を投じてしまうような彼の悲愴感のそれは、政治と云う大きな力にふり廻されて殉じてしまう愛国の志士的でさえある。これ迄の多くのプレスリー映画は、こうした彼から受ける感じを充分に利用して来たが、「夢の渚」で、ガラッと変った劇的な面が引き出され、彼の新しいタイプがつくられた。「僕は何にも判らない。監督さんの云う通り動く。せりふを云う。判らないことは、監督さんにきく。」プレスリーは、映画の演技ついてこう謙遜するが、それ程、人形的な男ではない。寧ろ此れこそ'彼のスマートな作戦と云えよう。彼の映画をよく監督するノーマン･タウログの作品では、至極平凡なそれでいて女の子にもてる青年を演じて、屈たくがない。併しプレスリーは、まだまだ何かをもっているスターである。彼は、それを誰かがひき出して呉れるのを待っている。歌はともかくとして、演技は、素人だった彼から引き出されたものであり、そうした点では、彼自身より目のきくガメツイ連中がいることを知っているからである。
3)「ガールス!ガールス!ガールス!」フロリダ、ハワイと此処の処、プレスリー映画の舞台は、海辺が多い。軍隊できたえた男盛りの彼の躯を惜し気なく、スクリーンに示すことが出来るからであろう。人のいいギリシャ人で、漁船「西風号」の船主アレキサンダーは、船をまかせている好青年のロスに「此の船は何時かお前に買い易い値段で売ってやるよ。何しろお前の死んだおとっつあんとお前がつくった船だからなあJと激励し、本当にそのつもりである。併し物事はうまく行かないもので、アレキサンダーの妻が病弱の為、アリゾナに転地の費用として、ロスが船を買う金がたまる前に売らなけれほ成らなく成った。何しろ、ナイト･クラフの歌手ロビンの魅力も云いよるやさしい言葉も船を買うことに夢中になっているロスには入らない位だから、船が転売されるニュースに彼はガッカリ。それでもローレルと云う娘には、一寸彼の心も動き、彼女の父親を恋人と間違えてカーツと来たりした末、「僕の恋人は、西風号です」とかなんとか云い乍らもローレルとデイト。一諸にアレキサンダーのパーティに出たりする.ある日、二人に西風号をあやつって海にランデヴーと酒落こんだが、途中で嵐に成り、パラダイス入江に逃げ込む。此処には、彼の一番の親友チェンの家があり、名前の通りロマンティックな風景に富んだ漁村である。二人はチェンの両親の家に泊めてもらうが、眠られぬ儘、それぞれロマンティックなムードに包まれ、互に恋しまいとする心に反して、忘すれがたいものを感じてしまう。彼等が帰って耳にしたのは、アレキサンダーがとうとう「西風号」をジョンソンと云うブローカーに手ばなしてしまったことであった。ロスは、ウェスレーに交渉するがジョンソンは、法外な値段を云ってロスを怒らせる。併しロスは、「西風号」を手に入れる為にジョンソンの下で働き、一日でも早く船を自分のものにしようと、その上ロビンの働いているクラブで唄い始める。そして大成功を収めるが、ロビンは、めしの喰上げならぬ、自分のパンを取り上げる気かと彼に文句を云って困らせた。一方ローレルは、船の入手に夢中に成るロスを何時が喜ばせようと金持の父にたのんで、ジョンソンから、西風号を買入れ、ジョンソンに誰にも此のことを云っては、駄目よと約束させる。ロスは、「此の船売ります」の札がないので、ジョンソンが誰かに売ってしまったことを知って、ガッカリする。ローレルは、自分の気持を判ってもらいたいのだが、人の情にすがることを恥とするロスのプライドを少しも傷つけずに事を運ぶにはどうしたらいいか、心なやますのである。そんな時失望したロスは、消息を絶った。彼は、恐らくパラダイス入江にいるのではないだろうか……。ローレルは、ジョンソンにたのんで、船を入江に向けてもらう。船の上の2人を双眼鏡でみたチェンは、ローレルに大事が起ったと感違いして入江のロスに連絡する。ロスは、ローレルを救う為に「西風号Jに向い、ジョンソンの癖解も何のその彼をコテンコテンにやっつける。パラダイス入江の楽しいパーティの夜、ロスは、腕にだいた美しい娘にささやく。「僕達は、結婚しよう!!そして僕達の別の船をつくろう!！その娘は、勿論ローレルであった。
4)主題歌について〈A面〉 (1)ガールス!ガールス!ガールス! 劇中では、プレスリーと8ケ国の美女30人が、踊り唄う大変にぎやかなメロディで、此処では打楽器とサックスが、聞きどころに成っている。ジェリー・ライバーとマイク・ストラーの曲。 (2)僕を縛らないでナイト・クラブのシーンでプレスリーが唄うもので、パーカッションのバックが面白いムードをつくり上げている。ビル･ジャイアント、バー二一･バウム、エフ･ケイの曲。 (3)あなたは何処からロスとローレルの初めての出違いで、月下の散歩に唄われるリストのピアノ曲を思わせる静かなメロディ。ルース･バチェラー、ポップ･ロバーツの曲。 (4)好きになりたくないんだが唯一人、「西風号」の上でプレスリーが唄うバラード。ギターに始るハワイアン調で、ジャニス･クールとフレッド･スピールマンがーいたもの。 (5)一緒にいようよアレキサンダーのパーティで、アミコスのコーラスと共に唄われるラテン訳の曲で、ギターとクラベスが気分をつくる。チャールズ･オクラン、ダッドレイ･ブルックスの曲。 (6)似合いのカップル濠に船をあやつり乍ら、プレスリーが、ローレルに唄う.彼のソフトな面が、よく生かされた曲で、シッド･テパー、ロイ･C･ベネットが書いたもの (7)大地の子中国の恋の唄で、シッド･テパーとロイ･C･ベネットが書いたバラード.

〈B面〉 (1)心の届かぬラヴ・レターナイト･クラブのシーンでブレスり一が唄うツイスト調。オティス・ブラックウェルとウィンフィールドスコットの曲 (2)恋のおかげで前の曲のアンコールとして唄われるソフト・タッチ。ルース･バチェラーとポップ･ロバーツの書いたメロディ (3)海への感謝マグロ漁船の上でプレスリーと漁師達によって唄われるもので、太鼓の連打が、ハワイアン調とミックストしてあらあらしい男性美を描く。バチェラーとロバーツの曲。 (4)小えびの唄海でプレスリーを中心に船のり達が唄うカリブソ調。ロイ･ベネットとシト･テパーの曲である。 (5)壁の耳には聞こえないローレルのアパートで踊り、プレスり一が、タンゴ調で唄う曲で、ベネットとテパーがーいたもの。 (6)大漁の唄大漁でプレスり一と漁師遷が、唄う祝い歌m.インディアン調ロックと云った感じで、オティス・プラックウェルとウィンドフィール・スコットが書いている。尚(A-5)を除いてプレスリーと仲好しのジョーダネア－ズがつき合っている。
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