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ゴールデンレコード第三集

エルヴィスのファーリングルバムに<ハートブレイク・ホテル>が収録されなかったことが示しているように、レコーディングセッションからシングルカットされたものはそのセッションを収録したアルバムには収録されないことがパターン化していた。
したがって当然のことながらヒットチャートを騒がせたヒット曲はアルバムには入らないということになる。
そこで制作されたのが<ゴールデンレコード>シリーズ。但し映画用に製作されたヒットシングルはサントラ・アルバムに収録されているため収録されてされていない。
この第三集には除隊後の復帰第一作<本命はお前だ>から<悲しき悪魔>の前までの60年〜62年の2年間のヒット曲を収録していて12曲の内5曲がビルボード第一位になっている。

1.It's Now Or Never
2. Stuck On You
3. Fame And Fortune
4. I Gotta Know
5. Surrender
6. I Feel So Bad
7. Are You Lonesome Tonight?
8. His Latest Flame
9. Little Sister
10. Good Luck Charm
11. Anything That's Part Of You
12. She's Not You
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(以下はアップグレード盤の場合に収録)
13. Wild In The Country
14. Wooden Heart
15. Girl Of My Best Friend, The
16. Follow That Dream
17. King Of The Whole Wide World
18. Can't Help Falling In Love


第1集から4年、第2集から僅か2年だが、入隊の留守中の音楽の変遷を感じさせる。もっとも第2集の<I NEED YOUR LOVE TONIGHT>からサウンドに変化は起こっていた。
第1集のブラッキーな感じは少し薄れポップなロックンロールになっていたわけだが、それはナッシュヴィルでの録音ということと、何よりバックが変わっていたことに影響する。楽曲により、スコッティ・ムーア、D.J.フォンタナ、ビル・ブラックに変わってバディ・ハーマン(G)、ハンク・ガーランド(G)、ボブ・ムーア(B)、ブーツ・ランドルフ(SAX)、それにアルバム「歌の贈り物」で冴えわたる華麗なピアノを奏でていたフロイド・クレーマーなどが参加していた。これらのプレーヤーは楽曲によって臨機応変に変わっていた。

このアルバムで聴けるようにエルヴィスは華麗な変身を遂げている。ギラギラするロックンローラーからスケールの大きなシンガーへ成長、フランク・シナトラの後継者というポジションを間違いなく獲得していた。それはそういう時代だったのだ。

除隊後のエルヴィスで印象深いのは『ブルー・ハワイ』『G・I・ブルース』。この2本の映画用に制作されたサントラ盤は共に、以後のサントラ盤の水準を超えているだけでなく、映画をを離れてもすばらしいアルバムとなっていた。

エルヴィスは終生コンセプトアルバムを作らなかった。強いていうなら『エルヴィス・イン・メンフィス』がそれにあたるが、『ブルー・ハワイ』『G・I・ブルース』をコンセプトアルバムと見なすこともできる。
『ブルー・ハワイ』で歌われた数々のハワイアンは勿論のことだが、『G・Iブルース』での<Wooden Heart>や<It's Now Or Never ><Surrender><Can't Help Falling In Love
>など民謡やクラシックを単なるアレンジのレベルを超えた表現は流石というしかない。どれもがエルヴィスそのものにしている。このエルヴィスが70年代エルヴィスの下敷きになっている。

あるインタビューで「映画の演技にしても、歌にしても、誰も手伝ってくれる人がいないんだ。」とエルヴィスが語っていたことは有名だ。栄光の裏での孤独。孤独の中の順応性。
順応性はエルヴィスの特徴だったのだろう。だからこそキングとして君臨できた。ジェリー・リー・ルイスたちと一線を画すのは、そのシンガーとしての能力だけでなく、孤独に耐える精神性と環境への順応性によるところが大きいのだろう。

このアルバムに収録された曲以降のものとしては『恋のKOパンチ(EP盤)』『ガール!ガール!ガール!』『ヤング・ヤング・パレード』『アカプルコの海』『ラスベガス万才(EP盤)』『キッスン・カズン』『青春カーニバル』『フロリダ万才』(『メンフィス・テネシー』)『ハレム万才』『フランキー・アンド・ジョニー』『ハワイアン・パラダイス』『カリフォルニア万才』『偉大なるかな神/ゴールデン・ヒム』『ゴー!ゴー!ゴー!(EP盤)』『ダブル・トラブル』『ブルー・マイアミ』(『ゴールデンレコード第四集』)『スピードウェイ』そして68年の『NBCテレビ・スペシャル』『エルヴィス・イン・メンフィス』『エルヴィス・イン・パーソン(2枚組)』と19のアルバムとEP盤3枚が続いた。その後他界するまでに(廉価盤を別にして)17枚のアルバムと追悼アルバムとして『エルヴィス・イン・コンサート'77(2枚組)』をリリースした。

中でも神通力を失ったのは、1965年の『ハレム万才』以降『NBCテレビ・スペシャル』が登場するまでの間だ。1964年にビートルズがアメリカを揺さぶったが、なによりも極端に映画も楽曲も質が低下した。それまではサントラと言えど『青春カーニバル』はナンバーワンヒットにもなっていたし、すべてのアルバムがヒットチャートトップ10にランクされていた。緩やかな下降線であったにせよ4年の低迷期があったと言える。この間エルヴィスの力量が発揮されたのは『偉大なるかな神/ゴールデン・ヒム』だけとはあまりにも寂しすぎる。

映画や楽曲の出来栄えと時代背景は関係ないと思うが、時代の空気が一変したのも事実だ。
エルヴィス映画の脳天気を誰も信じられなくなった時代でもある。ケネディ暗殺からベトナム戦争、映画は『イージー・ライダー』『卒業』に代表されるニューシネマの時代に突入していた。

このゴールデン・レコード第3集には「キューバ危機」で冷戦が頂点に達した時代に突入するまでの作品が収録されている。それは「アメリカの戦後」の終焉でもあるのだろう。戦争に勝利したアメリカは20世紀を自分たちのものにすることに成功した。
繁栄を迎えながら、その裏では「原爆」「核戦争」の無言の恐怖がアメリカ国民、特に若い世代に不信が蔓延していた時代。
エルヴィスはそんな時代に突如あらわれたヒーローだった。どう表現していいのか分からない感情を、エルヴィスは叩き付けるようなパフォーマンスでやってのけた。明確なメッセージを主張したわけではないが、言葉を超えたメッセージが感性を突いた。公民権運動の下敷きにもなった。繁栄の足下にくすぶっていた様々な問題を揺り動かした。

それも束の間、自身が軍隊に行き、ケネディがニューフロンティアを訴えた。若いリーダーのもとアメリカは明らかに変化を求めていた。
日本人には星条旗が眩いばかりだった時代。その暮らしは羨望そのものであり、アメリカは若く強く健康的に見えた時代。エルヴィスの声も健康そのものだった。
ケネディは暗殺され、歩調を合わすかのようにエルヴィスも徐々に低迷期に向かっていった。

第三集はアメリカ人にも、日本人にも、まさしくゴールデン・アルバムだったのだろう。

スコッティのギターはカッコよかった。
フロイド・クレーマーのピアノは胸にしみ込んだ。
だけど最後の楽器はなにより最高だった。
最後の楽器はいまも終わらない
20世紀、最高の声をありがとう、エルヴィス。

 
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