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昔、ビートルズがまだ若く、ローリング・ストーンズが<サティスファクション>や<19回目の神経衰弱>をやっていた頃、 しかし、なんであれ、エルヴィスはすごいのだ。最近ますますそう思う。エルヴィスはうまい。しかしうまい、へたが問題ではない。ハートがある。 ハートで歌うという抽象的な表現で、だからすごいのだと言っても、実際のところ、なんのことやら分からない。 心のある人間が魂から歌うことがなぜいいのかというと、聴いている人が自分のことを考えるからだ。 |
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<I Believe In The Man In The Sky/天の主を信ず> 1965年にスマッシュ・ヒットとなった<クライング・イン・ザ・チャペル>のB面に収録されたゴスペル。 この時期サントラを除きエルヴィスのシングルはすでにリリースされたアルバムからカットされたものばかりで、それぞれチャート・インはしているが、<クライング・イン・ザ・チャペル>は別格の大ヒットで、日本国内でもトップ10、上位にランキングされていた。 サントラを除けば規模的に<悲しき悪魔>以来のヒット曲となった。 ブリティッシュサウンド隆盛の最中に、ディーン・マーティンのラブいバラード<誰かが誰かを恋してる>と共に、静かな<クライング・イン・ザ・チャペル>は清涼な風のようだった。B面の<天の主を信ず>はA面とはまた違う見事な声を披露してくれて、いつ聴いてもホッとする。 <Fame And Fortune/恋にいのちを> あまりにも有名な除隊後の復帰第一作シングルのB面。 エルヴィスにしてみれば、易々とこなしている感じのブラッキーなバラード。 若さに満ちた情感の素晴らしさは、あらゆる流行り廃りを超えて永遠にあせない魅力。音楽のなかに入り込んで楽しめるR&Bナンバー。 自分の感情を認めてもらうために世間の慈悲にすがることなく、自分で認めてあげていいのだよ、自分を生きていいのだよと腹から言ってくれるような気がする。 感情をせきとめることなく、自分で受け止めることができたら、人はゲンキになれる。ゲンキは感情を超えて行動を起こすエネルギー。感情は自分の一部であるけれど自分そのものではない。自分そのものは行動の中に存在する。 「自分の感情を表現しょうとしたら身体が勝手に動くんだ!」・・・・エルヴィス・プレスリーが教えてくれた。エルヴィス・プレスリーのロックンロールが教えてくれた。 それは同時に「ボクの感情世界で休んでいたらダメだよ」というメーセージを内包している。だからエルヴィス・プレスリーを聴くことで、エルヴィスを考えず、自分を動かすために自分を考える。 ボクのエルヴィス・プレスリーはそこから始まる。正確には始まるようにしたいと思い続けてきたのだが。 <It's A Sin/イッツ・ア・シン> 甘い、甘い、甘い、甘すぎて滅多に聴かないカントリー・バラードだが、とにかく巧い。色がある。どんな色?聴く人のキャンパスに描かれるいろんな色。想像する力の源泉になる歌声だ。 <They Remind Me Too Much Of You/あなたにそっくり> このまま生きていると、もっとも好きな曲になるかも知れないと思ってしまう、ずっと昔から好きな、聴けば聴くほど好きになる、しんみりとしたバラード。 映画『ヤング・ヤング・パレード』のサントラ・アルバムからコミカルなナンバー<破れたハートを売り物に>をA面にしてカットされたシングル。 エルヴィスの複雑な魅力の一面がムーディーなメロディーなかで爆発している名曲だ。起伏の少ないスローな曲を、映画では、1曲まるごとほぼワンカットで収録する大冒険にキングのガッツを感じる。見ているこちらが恥ずかしくなって気合負け。 それにしても、この歌のような気分に一体何度なったことか。 それにしてもなぜ女性は理屈にあわない行動、いくら考えても理解できない行動をとるのだろうか。 気のある素振りでひきつけて、冷たい態度やいじわるな言動を放つ。彼女たちはなぜ、とんでもないリスクのある行動をとるのだろうか、まったく不思議な生き物だ。エルヴィス・プレスリーは世界中の不思議な動物を熱狂させたのだから、不思議な人物であるのも当然か。
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