メンフィスの香りが漂うブラックでパワフルな曲
GENTLE ON MY MIND
ジェントル・オン・マイ・マインド



知ってるさ、君の心の扉はいつも開いていて
その中の小径を自由に歩けるってことは
だから僕はいつも丸めた寝袋を
そっと君のソファーの後にしのばせている
わかっているさ、
忘れられた言葉や絆に捕られているんじゃないってことは
数行に残った乾いたインクのしみが
記憶の中の川のほとりの脇道に君をとどまらせ
いつでも穏やかな君を、思い起こさせる

思い出は岩にはりついたり、柱にからみつく蔦のように
僕を縛っているわけではないんだ
二人が似合いのカップルだからって
誰かが悪口を言ったわけでもないよ
知ってるさ、
世間は罵ったり、許したりはしないと
線路づたいに歩きながら気づいたよ
僕は何時間かの間、記憶の中の川のほとりの脇道を
歩いている君お、穏やかに思い浮かべてる

小麦畑に物干し紐
廃品置場や幾つもの道が僕らの間にある
どこかの女が母親に向かって泣いている
振り返ったら僕がいなかったからね
でも僕は沈黙したまま走り、喜びの涙が顔に跡を践すかも
そして夏の太陽が盲目にするほど照らしても
君が記憶の中の川のほとりの脇道を歩いているのが
見えなくなるほどではないさ

どこかの鉄道操車場で僕は
グツグツと煮えたスープを鍋からカップにとる
ヒゲはまるで石炭の固まりのようにザラザラで
汚い帽子を目深にかぶっている
ブリキの缶を両手でおおい
君を抱いたつもりになってみると
君が記憶の中の川のほとりの脇道で手を振りながら
やさしく僕に微笑んでいる

ELVIS PRESLEY コレクション