■キングなオススメ インデックス
1966年5月。
映画出演とリリースされないアルバムの間で、本当の自分に向かいます。
エルヴィス・プレスリ−はロックンロールのルーツに本来の自分を発揮します。
聞き覚えたゴスペル・ソング<偉大なるかな神 HOW GREAT THOU ART>を何気なしに、歌っていたのが、キッカケで正式録音。ゴスペル・アルバムを制作します。
お手軽なサントラとは、一味違った力感溢れる楽曲に、実力を発揮。
アルバムタイトルも、そのまま「HOW
GREAT THOU ART」(邦題:ゴールデン・ヒム)とつけられたアルバムは、ゴスペルが好きでなかった人でも、エルヴィスの本気がうれしくて、夢中で聞き込んだ人が多いようでした。
おお、主なるわが神
われは畏怖と驚嘆をもって
あなたの御手の創造し給う森羅万象を眺めん
われは星を見 雷鳴の轟きを聞き
あなたの御力か全宇宙に顕れるのを見る
(キリストか再びこの世に来たり給う時
主が高らかな歓呼に迎えられて来たり給いて
われを故郷に導き給う時
わか心はいかなる喜びで満たされることか)
その時われはひれ伏し崇めて おお、わか神よ
あなたか如何に偉大なる御方かを誉め歌わん
わが魂は救い、主なる神に向かいて歌う
偉大なるかなわか神
偉大なるかなわが神
わが魂は救い主なる神に向かいて歌う
偉大なるかなわが神
偉大なるかなわが神
前田 絢子氏 翻訳
BMGファンハウス
「ピース・イン・ヴァリー〜コンプリート・ゴスペル・コレクション〜」より
その後、<偉大なるかな神>は70年代のライヴ・バージョンでも収録されています。
1974年、メンフィスに於ける迫真のパフォーマンスを収録した「エルヴィス・ライヴ・イン・メンフィス」で、74年度グラミー賞ベスト・インスピレーション・パフォーマンスを受賞したことは有名。
選び抜かれたゴスペル24曲を収録した、現在最も新しいゴスペル・アルバム「エルヴィス・アルティメット・ゴスペル」の1曲目に収録されています。エルヴィスのゴスペルへの真摯な愛情溢れる世界の入口として、感銘深いオープニングです。
ゴスペルは不安を鎮めて明日へ一歩踏み出そうと肩を叩くのかも知れません。
ブルースは不安より、もっと確かな明日への絶望からしぼり出したもの。
ロックンロールは不安に負けずに、悲しみをやっつけようとする雄叫びでしょう。
占いの人気の高さを見ても分かるように、自分の明日が分からないもどかしさ、その裏にある不安。
相手のあることなら尚更、自分の明日が分からない恐怖は、誰にとってもいい気がしないものですね。
でも分かってしまえば退屈でしょうね、きっと。
そう考えると、いい気はしなくても、それを楽しむだけのエネルギーを持ちたいと思ったりします。
不安に負けないだけのゲンキ。それこそがロックンロールのすてき。
人は誰しも今しかありません。だから今を生きる以外にないのですが、そうはいっても今の行いが、次に来る今に影響するとなると、単純に今を生きようと思えないのも事実です。悩むのも当然です。
それにしても悩むのはなぜでしょう?自分のなかに対立する考えがあるからでしょう。
対立するのは、本当にしたい考えと、そうでない考えがあるからです。
たいていは本当にしたいことは難易度が高く、本当に求めないない方はリスクが低い。
ゲンキになるには、難易度に気をとられずに、本当にしたいことに目を向けるべきなのですが、
それが出来なくて止まってします。
それに気がつけば、まだトライする可能性もありますが、社会はビジネスの道具に「身近な代用品」を用意します。
本来の自分から代用品に逃避し、貴重な時間とお金が使われます。
結局、自分のエネルギーを無意味に消費してしまい、本来の自分から遠のきます。
そして。自分の神は遠のきます。
「偉大なる神」を「自分の神」に置き換えて、僕は聴くようにしています。
難易度が高くても、社会の常識からはずれようと、自分の希望と自分の常識を信じます。
時にとても疲れますが、そうでないと意味がないと感じます。
他人の視線は気にしないようにしています。
自分のこと、他人のことを、考えて考えて、考え抜いてすることです。
テレビや雑誌の情報で、物事を判断しないし、参考にもしない。
難易度が高いのは、実現の可能性がほとんどないと思える状態からのスタートですが、その分これから良くなっていくしかありません。
だから「ほとんど可能性がない」は、「これから毎日が楽しみの山」
行動を重ねていくほど、可能性が見つかるのですから、楽しみの山です。
もし実現しなかったとしても、そこまで真剣になれたことを幸福と思えばいいだけのこと。
エルヴィスは、音楽的にロックンロールのルーツとしてブルースの裏返しにあるゴスペルを生涯愛しました。
一発録りの、いまこの瞬間にこそソウルがあるとして、ライヴな録音を生涯好みました。
不安に塗りつぶされた三つ子の魂をボロボロになるまでひきずって、歌うことで自分で自分の肩を、叩き疲れるまで叩き続けました。
栄光の裏は、傷だらけの人生だったかも知れません。
でも、いまだに愛され続けている理由の一番は、シングル盤を一枚作りたいという無邪気な夢と、その奥底にある人生への真摯な祈り、つまりほとんど可能性がないことへの挑戦と、挑戦へ向かわせたほどの現状脱出への希求。
それがないと、どんな声が良くても、歌がうまくても、何も起こらなかったのです。
あるコンピュータ・ショップの一角でプレイする若いミュージシャン
「今度2枚目のアルバムを出しました」・・・そう語る女性ミュージシャン。
しかし誰に聞いても、彼女の名前を知らない。
どこにでもある光景です。でもみんなそこから始めます。
いくつになっても、それは同じこと。
毎日、人生は終わり、人生は始まっている。
人にはみんな自分のゴスペルがあり、ブルースがあり、そしてロックンロールがあります。
時に和み、時に癒され、自分の中にエネルギーを見つけるために、そのキッカケとして、音楽に入り、音楽を受け入れます。
黙って聴けば、黙って自分のエネルギーに出会うのが音楽のマジック。
ブルースもゴスペルもロックも、バラードも、みんな同じオレの歌としたエルヴィスの生々しい声がする<偉大なるかな神>を聴きながら、自分を信じることができる自分になりたいと悪戦苦闘するのが正調ロックンロールと信じています。
明日の不安は年中無休、どこにもつながっていない自分が頼みの綱。
自分の中の、自分の神を信じて、教祖が自分なら、信者も自分、たったひとりの自分教。
それゆえ自分を磨いて高みに移動することを怠れば、絶望を忘れた単なる狂人に成り下がる危うさ。
母の背中で聞いた「よしよし」の言葉の意味を、自分で立証するのが人生。
なんとしてでも手に入れたいのは、「絶対的な自信」。
他人には狂気に映るかも知れない闇の、そんな日々も、音楽も、
開き直って自分を信じて行動すれば、この上なく楽しい。
ゆえに電気仕掛けのロックンロールに用はないと思う。
いずれ、自分も土に還るのだから。
頭の中には、メンフィス・ライヴでの、偉大なる神さえ照れくさくて逃げ出しそうな絶唱ヴァージョンの<偉大なるかな神>が響きます。
こだまするかのように、自分の神が、叫んでいます。
はやくオレの側に来いと叫んでいます。
■エルヴィス・アルティメット・ゴスペル
1.偉大なるかな神
2.ソー・ハイ
3.アメイジング・グレイス
4.クライング・イン・ザ・チャペル
5.ユール・ネヴァー・ウォーク・アローン
6.スイング・ダウン・スイート・チャリオット
7.ミルキー・ホワイト・ウェイ
8.ヒズ・ハンド・イン・マイン
9.アイ・ビリーヴ・イン・ザ・マン・イン・ザ・スカイ
10.ホエア・クッド・アイ・ゴー・バット・トゥ・ザ・ロード
11.イフ・ザ・ロード・ワズント・ウォーキング・バイ・マイ・サイド
12.ラン・オン
13.ヒー・タッチト・ミー
14.ロック・マイ・ソウル
15.リード・ミー・ガイド・ミー
16.ジェリコの戦い
17.イフ・ウィ・ネヴァー・ミート・アゲイン
18.ハレルヤ・ジョン
19.リーチ・アウト・トゥ・ジーザス
20.フー・アム・アイ?
21.ヘルプ・ミー
22.ロザリオの奇跡
23.テイク・マイ・ハンド・プレシャス・ロード
24.谷間の静けさ
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死ぬまでに聴きたいエルヴィス・プレスリー100曲
苦しいとき、悲しいとき、うれしいとき。親友のように励ましてくれる声。
聴くものの暮らしを変える力を持つ真実。
一度は聴いてほしい魂揺さぶる100曲をセレクト。
エルヴィス・・・それはあなた自身の魂の声です。
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