小エビの唄
Song Of The Shrimp
■キングなオススメ インデックス
最近エルヴィス・プレスリー11本目の主演映画『ガール!ガール!ガール!』をDVDで鑑賞しました。
『ガール!ガール!ガール!』は他のエルヴィス映画と比較して男っぽいエルヴィスが魅力です。そして一番おしゃれに出来上がっています。エルヴィス・ファンでなくても観てソンのない楽しい映画だとお約束できます。
『ガール!ガール!ガール!』ではじめてエルヴィス・プレスリーを見て、聴いて、ひかれたわけがようやく語れるような気がしました。
それになにより、なにより『ガール!ガール!ガール!』ではロックンローラー、エルヴィスならではの躍動感が見えます。
ただ観ていたら、似たようなパフォーマンスを見せる人がいますから、どってことないかのように思いますが、何も知らなかった愛ピがひかれたのも、「こんなの見たことない!」というカルチャーショックだったからです。
同じようでも本物ならではの光がまぶしいくらいにビューン、ビューン、飛んできます!!
<心のとどかぬラブレター><僕を縛らないで>には
エルヴィスがロック、ポップスのオリジナルな巨星としてキラキラピカピカさん然とまぶしくまぶしく、白昼の青い空、青い海をモロともせずに光っています。
DVD『ガール!ガール!ガール!』 アマゾンで買うなら
オリジナルは本物ということです。原点にして頂点。唯一無二。
オリジナルが通る道・・・
叩き、馬鹿にする既成の大きな勢力があります。一方では全体では微弱ですが支援する勢力があります。
ロックンロールだから反抗ではなく、オリジナルだから反抗せざるを得ないわけです。
そのことを抜きにして「ロックンロールは反抗の音楽だ」なんて、お〜ダサ〜イよね、磁力のない商品のキャッチコピーのようでしかないと思います。
「反抗する音楽だから若者の音楽でもありません。
オリジナルは生まれてきたばかりですから、いつでも若いです。 オリジナルが年月をかけて磨きをかけていきます。
『ガール!ガール!ガール!』は磨きのかかったオリジナルが原点にして頂点のとっても一般的な表情をみせる映画です。
<壁の耳には聞こえない>はこの映画を凝縮した場面で、なんだかフランス映画のような洒落っけが溢れています。
この場面には『G.Iブルース』の成功が色濃くでているような気がしますが、監督は同じノーマン・タグロウ。
やはりいい監督さんだと思います。とっても幸福な気持ちにさせてくれます。
そういうことって映画を作る上で最高に素敵なことだと思いますね。 冗談の延長にあるようなホラー映画ではなく、あまりの残虐さに、客席の女性が目をそむけたり、悲鳴あげるような映画があります。
リアルな作風のどうしてこういう映画作る必要があるのかと思うような映画。
お金出してこんな気分にさせられるなんて大損したと思いたくなるようなもの。
丹波哲郎さんが、ある世界的に名の通った監督(黒沢明監督ではありません)の映画に出演、撮影中のことです。
監督は実際に犬を殺したそうです。そこまでして映画をつくる必要があるのかと嫌悪し、以後2度とこの監督の作品には出演しないと決めたそうです。
賛成!丹波哲郎さん、大好きです。
芸術だかなんだか知らないけれど、楽しいほうが素敵です。
さて、愛ピが最近感動したのが
ファインディング・ニモを思い起こさせるような<小エビの唄>です。
DVD ファインディング・ニモ アマゾンで買うなら
聴いているうちに涙がにじんできました。
悲しいけれど、そのなかに明るさが漂うエルヴィスならではのしなやかさが素敵な<小エビの唄>。
「エルヴィスは明るいからイヤ」という人がいます。
先にもあげたロックは反抗の音楽というイメージが、そう言わせるのかも知れません。
なるほど<ハート・ブレイク・ホテル>以外はにぎやかですよね。
<監獄ロック>なんてどんちゃん騒ぎ状態です。
愛ピはどのエルヴィスも淋しさがいっぱいだと思っています。
でもどのエルヴィスも明るいです。
このせめぎ合いがエルヴィスの音楽だと思っています。
どんなに悲しくても絶望しない。
どんなに楽しくても有頂天になれない。
その狭間から匂い立つ孤独の香り。
「ガール!ガール!ガール!」では大漁の歌なんて絶品です。
同じく<小エビの唄>も、そんなエルヴィスだからこそ、歌えた曲だと思います。
Stay Groundhotelなんて、最高ですよ。
小エビの唄
エビを3匹見つけた
2匹は灰色の年寄り
近寄って耳をすませたら
3匹目がこう言っていた
さよならママ
握手しよう パパ
ニューオリンズ行きの船に乗るんだ
ニューオリンズ行きの船に乗るんだ
こどものエビは両親に
手にした新聞を見せた
ニューオリンズへ
エビのみなさまをご招待
船賃は無料 宿舎はグランドホテル
美女があなたの殻をきれいにむいてくれます
美女があなたの殻をきれいにむいてくれます
物忘れする年になっても
これだけは忘れないだろう
小さなエビが歌いながら
網の中に入った光景を
さよならママ
握手しよう パパ
ニューオリンズ行きの船に乗るんだ
ニューオリンズ行きの船に乗るんだ
ニューオリンズ行きの船に乗るんだ
ニューオリンズ行きの船に乗るんだ
DVD『ガール!ガール!ガール!』より
ロイ・C・べネットとシド・テッパーが共作した書きおろしナンバー。
このコンビでは<僕はあやつり人形><すてきなメキシコ><ハワイアン・ドラム・ソング>などがありますね。
<小エビの唄>は
エビを見つめている人間のとっても温かな声がします。
美女が皮をむいてくれるって言われても、
皮をむかれるエビにしたら、相手が誰でもいやですよね。
それをエルヴィスがとってもソフトにやさしく歌う時、
せめて美女の柔らかな手で、やさしく心地よく
エビにとって最良の死に方をさせてあげたい気持ちが曲いっぱい溢れてきます。
残酷な世界の絶望から救うかのような声とパフォーマンスに
エルヴィス・プレスリーの音楽と人の本質が聴こえてきます。
エルヴィスの歌声には心があるっていわれる由縁だと思っています。
物忘れする年になっても
これだけは忘れないだろう
小さなエビが歌いながら
網の中に入った光景を
いいですよ、ここ。
そこなんですよね!エルヴィスは。エルヴィス・プレスリーが歌ったものには、
どの曲にも、男でもなく、女でもなく、動物でも、花でもなく、風景でもなく
、”人間”が佇んでいます。
それに輪をかけて素晴らしいと思うのは、
アルバム作るのに、いまでは1年2年かけるのが当然のようですが、エルヴィスはコレを1〜2日で仕上げています。
時代が違うといえばそれまでですが、それで売ったレコードが2億枚です。
しかも物価も違えば人口も違う。
メディアの活動も違うのですから単純にセールス記録の比較もできません。
時間かければいいってものではなく、それこそハートですよ。
残されたレコーディング風景のエルヴィスを聴いていても、そんなに考え込んでいません。
裏を返せばエルヴィスの人間への思い方が素晴らしいということだと思うのです。
その時々の行動やおもしろおかしいゴシップを凌駕してなおそびえたつ尊厳を感じずにはいられないのです。
エルヴィス・プレスリーが生のハワイの青い空と海をバックに歌います。
ガール!ガール!ガール!Girls!Girls!Girls!
ところで、『ガール!ガール!ガール!』はハワイで撮影されたものとしては最初の『ブルー・ハワイ』と最後の『ハワイアン・パラダイス』、そして中間にあたる
『ガール!ガール!ガール!』があります。
ファンの方や映画会社ではハワイアン3部作と呼んだりしていますが、連作ではありません。
”ご好評にお応えして”のセンスです。
特に『ガール!ガール!ガール!』は海と空が素晴らしくきれいです。
『ハワイアン・パラダイス』は壮大なポリネシアン・ショーを見せてくれますが、この時アメリカのカラーテレビ普及率が50%に達したということです。
観光地を際立たせる作品も限界にきていたようです。
その後テレビでは見れないものが映画のウリになっていきます。
だからといってスペクタル映画量産は予算的にもキツイ。
一方ではベトナム戦争というわが子、わが親など身内が死んでいくという深刻な問題を抱えたアメリカ国内にあって、リアルなテーマ、演出が見どころのニューシネマが登場。夢想あっぱれなエルヴィス映画もリアルの前にはゲンキがなくなっていきます。
それはやがて・・・エルヴィスの音楽への復帰。
さらに20世紀最高のミュージシャンのかけがえのない遺産となった記録映画「エルヴィス・オン・ステージ」の誕生につながります。
迫真のステージを感動体験(DVD)
■エルヴィス・オン・ステージ スペシャル・エディションDVD
こんなメールをいただきました。
その方は、帰郷した自宅で『ハワイアン・パラダイス』をDVDで観ていたそうです。
そばにいたおばあちゃんも黙ってみていたそうです。
翌日また『ハワイアン・パラダイス』をDVDで観ていたそうです。ポリネシア・カルチャー・センターの川を下るしーンやラストシーンの<ハワイアンドラム・ソング>の場面になると、眠っていたおばあちゃんが起きて、しっかり鑑賞していたそうです。
そこなんですよね。エルヴィス映画の急所は!気持ちのいい音楽、景色、色彩。和みます。
平和です。
いま時代から解き放たれた『ガール!ガール!ガール!』や『ハワイアン・パラダイス』を観ていると、のびのびします。
平和ってスローガンではないですよね。
縁側で眠っている猫は平和を満喫しています。
平和な行動をすれば自然に平和になります。みなさん、エルビス映画で平和を満喫しましょう!
万才シリーズなんてタイトルかして平和がいっぱい。
VIVA LASVEGAS・・・・このタイトルつけた方に「ノーベル平和賞」ひとつ! リストラ、テロ、自爆、世界はやたらサド&マゾに傾斜しているように感じます。
時代の荒波のもまれて、もまれて、
ハワイやフロリダの自然とひとつになって輝いていた
昔ピカピカだったエルヴィス・プレスリーの極楽映画は
いつしかふたたび、
サド&マゾな世界に反抗する
とってもアナーキーなキング・オブ・ロックンロール映画になってしまったようです。
ガール!ガール!ガール! アマゾンで買うなら
メールマガジン
読んであげようかなと思っていただける方は
ここから登録してくださいね、 ↓
死ぬまでに聴きたいエルヴィス・プレスリー100曲
------------------------------------------------------------------------
★ご意見・ご質問など
どんな些細なことでもいいので
メール下さい!
(時間は多少頂きますが)必ずお返事は書きます。 → edit@genkipolitan.com
■キングなオススメ インデックス
|