エルヴィス・プレスリー2役の映画<キッスン・カズン> | ||||||||
ジャケット裏の解説。下に記載しました。 | ||||||||
いとこにキッス/胸に来ちゃった
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「アカプルコの海」「ラスヴェガス万才」そして「いとこにキッス」等日本でのプレスリー映画は,今年は大忙しです。此の後が,バーバラ・スタンウイックと言う大女優を相手にしての「波止場人足」そして「雪のカーニバル」それからユナイテッド・アーチストと二本の契約が成立してエドワード・スモールの「フランキーとジョニー」,映画会社もこれ迄20世紀フォックスを初めパラマウント,MGM,ユナイテッド・アーチストと毎年ひっばり凧で全くツイてると言った感じです。日本でも彼の入隊前は、絶対あんないやらしいおヒップをふるわせる男の子の映画はみないし,レコードはきかないと言っていた人達が,最近では,「プレスリーわるくないよ」と意見が変り,「やっぱり軍隊はクスリだね。此の頃のプレスリーなら御機嫌だ」とファンに成る人がふえて来ました。ましてデビュー当時からの熱烈なファンは想いはつのるばかり。もっとも映画デピューが,1956年ですから,プレスリー'ファンの古参は,ハイ・ティーン当時から,彼を応援したとして,今24、5才,歌手としてデビューした頃からだともう少し上で女性なら子供さんの一人や二人いるママに成っているかも知れません。処で当のプレスリーもそろそろ30才「マアいやだ。プレスリーにかぎってそんなこと」と反対するファンもあるでしょうが,彼だけが年をとらないでいられるわけがない。そこでアン・マークレットの如き積極型のファイト・ガールがあらわれると彼もそろそろなんて,年貢の収め時みたいな噂も流れるのです。彼の5万ドルのロールス・ロイスは,後の座席にもきりかえられる電話がついてて,冷い水をつくる機械迄設けられているとか,一ダースの車のコレクションに加えて長さ50米近いヨットで故ルーズベルト大統領が愛用していた「ポトマック号」を5万5千ドルでセリ落して買い,而もこれを故郷メンフィスの聖ジュード病院に寄附しちまったとか,そう言うこともあって,メンフィスでは,彼に「青年として模範的な行為をした」と言うアメリカニズム賞を贈ったとか,彼がこう成ったのも3年間に5万ドル以上もメンフィスの慈善事業に寄附した為だとか,ともかく太平洋のこっちにもいろいろ話題をまいてくれる好青年です。運がいいと言えば,いいのですが、彼自身の徳のある人柄の為と言っても反対する人はないでしょう。さて此の「いとこにキッス」でプレスり一は,初めて二役を演じます。物語の舞台は,プレスリーの故郷のテネシー。その山の上にアメリカ空軍は,大陸間弾道弾の基地をつくろうと計画しますが,此の山をもっているおやじさんが,何回交渉してもガンとして承知しません。ガンにはガンと言う訳で一寸おどしの砲声を上げ,強行手段に訴えましたが,おやじさんの決心は一層つよく成る許り。実は,おやじさんは,山で密造酒をつくっているので,交渉の人間を内国税収納係と思っていたのです。彼には,妻と美しい二人の娘セレーナとアザレアがあり,それに甥のジョディとの五人暮し。此のジョディがプレスり一の役です。ワシントンの空軍当局は別の手を考え,頑固おやじの住んでいる処からあまり遠くない土地の出身者ジョゼフ・モーガン少尉を選んで、一週間以内に交渉を成功させるように命じます。このモーガンが,もう一つのプレスリーの役。少尉は捕虜に成る覚悟で,おやじさんの処にのり込み,説明にこれつとめますが,そんなことよりおやじさん達は,少尉とジョディがそっくりなのでビックりしてしまいます。少尉は,その理由は,先々々代の伯母とおやじさんの家との関係だと説明しますが,大切な交渉の方は,その位のことではうまく行きません。その中に,おやじさんの甥のジョディは,少尉の部下の美しい婦人兵ミッジにぞっこん参ったり,相棒のベイりイ軍曹とおやじさんの娘セリーナの間にロマンスの花が咲いたりします。結局,空軍とおやじさんとの間で条件の交換がうまく成立して,めでたしめでたし。監督はジーン・ネルソン。パメラ・オースティン,イヴォンヌ'クレイグ,アーサー・オコンネルの共演です。(関光夫) | ||||||||
文中の<波止場人足>と<雪のカーニバル>は同じ作品で原題<ROUSTABOUT(青春カーニバル)>のことです。 エルヴィスはこの作品撮影中に目の上を切り、絆創膏を貼ったまま出演している。ピエロはこの作品の<激しい恋には深い痛手>にジーーーン。 <いとこにキッス>ことアルバム<キッスン・カズン>にはELVISWEEK1999で記載しているキャンドルライトサービスの3曲目に流れた<愛はやさしく>が挿入されています。優しさに満ちたすごい声です。 |
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