自分をじぶんの味方にする 子育て・親育て |
子どもには早くから目標を自分で立てさせる
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目標達成に熱心に打ち込む人には2通りのタイプがあります。
ひとつは自尊感情つまり自信を求めて達成する人です。
もうひとつのタイプは、もともと自尊感情がしっかりしていて自己肯定感があるから達成できる人です。
自己肯定感を求めて達成する人と、自己肯定感があるから達成する人という違いです。
自己肯定感を求めて達成する人とは、心の奥底で、自分はつまらない人間だと思いこんでいるのが特長です。
克服するためにがんばっているのですから、自分は愚かで、価値のない人間だと思いながら克服する意欲もない人に比べたら立派といえます。
ただ、この種の人にはどんなに成功しても、満足できることがない。
ほんの一瞬の満足はあったり、表向きは虚勢で自信満々に見えたりしても、心の奥は不安でいっぱいということが多いのです。
その達成が、自分の知性、能力、資質による成果であってもそうは思えず、周りから称賛されたり、評価を得ても、内心では周りが本当の自分を知らないだけだと感じて、ペテン師のように思えて安心することがないのです。
子育ての過程で間違った育て方をしていることからこのような悲劇が起こってしまうのです。
一見同じように見えることがありますが、励ますのと、プレッシャーを与えるのは、まったく違う行為です。
それはがんばっている姿にも言えることで、自信を求めてがんばっている人と、自信があるから頑張れる人も、同じように見えることがあります。
ですから気をつけたいのは、学校やスポーツ、習い事の成績などを基準に考えないことです。
私たちは親になった段階で、自分が思う「社会の常識」を念頭において子育てをします。
ところがここに問題が生じる原因が潜んでいます。
たとえば企業活動は前年比、目標達成率など、達成しても達成しても「もっといい成績」「を求められます。「これでいい」ということがありません。
この感覚を子育てに持ち込んでしまうのです。
するとそうなるでしょうか、よくがんばった「もっといい成績を」「もっと速く」「もっと遠くまで」・・・・・これでは目標を達成した喜びを味わうことがなくなってしまいます。
「よくがんばったね。次は5をとろうね」これは励ましでしょうか?
答えはノーです。
これではゴールのないマラソンと同じです。
親としては励ますつもりでも、実際はプレッシャーを与えるだけになります。
励ましは「いい成績がとれてよかったね、毎日予習をしてきた成果だね」
励ましは、因果関係を自らの体験によって学ぶことで、自己肯定感つまり自信を強めます。
励まし主体の育て方、プレッシャー主体の育て方、そのどちらの育て方をしても、子どもを成功させることはできるかもしれませんが、思いやりがなく、ひたすら批判とプレッシャーの育て方をすると、精神面が荒廃してしまう点が問題なのです。
親たちが暮らしている社会を思うと、「現実は”もっと”の連続だ。子どもの幸福を考えると、現実に対応できるように育ててやらないと、不幸になるだけだ。もし子どもがそれ以上やる気を起こさなかったらどうしよう。現状に満足してしまったらどうしよう。達成したら”これでいいや”と満足してしまうような子になったら困る」と思うのはもっともな心情です。
自立心と自律心は連動しています。
自律心の乏しい大人が、大人になってから「もっともっと」に対応する力を身につけようとするのはとても困難なことです。
習慣がないために悪い習慣が変えられないのです。
その状態を心配するあまり子どものときに身につけさそうとして、励ましとプレッシャーの混乱が起こってしまうのです。
さて、ここで原点に立ち戻りましょう。
子育ての目標は「自立させる」ことにあります。つまり「人生の喜び」を味わえる精神的基盤を身につけた大人にすることです。
自立心を身につけることを目標にするのと、いい成績をとることを目標にするのでは、子育ての方法に大きな違いがでます。
自立心を身につけることを目標にした子育ては親のロボットにすることではなく、自分で自分に責任を持ち、考え判断し行動できるスキル(能力)を身につけさせることにあります。
それには高い自尊感情(自己肯定感が必要です。
自尊感情(自己肯定感)が低いと自立心が乏しくなるからです。
親のロボットにするとは、親の顔色を見るような子にするということです。
親が満足したら安心する子には自立心は望めません。
自立心は自分が満足できるところに育ちます。
自立心と自律心は連動しています。
自律心があると、企業活動などで生じる「もっともっと」のくり返し、実際には目標はないのと同じに対応できる力が育ちます。
子どもときに求めることと大人になってから発揮してくれることは同じではありません。
自分からやる気を出させるには、自分のよろこびに注目させる習慣が必要です。
一度成功の喜びを経験した子どもは、もう一度あの喜びを味わいたいと思うものです。
たいていは自分からもう一段高い目標を掲げるものです。
ただしそれには喜びが自分の喜びでないとなりません。
周りの人の喜びのために、自分からもう一段高い目標を掲げることはありません。
周りの人の喜びのために、もう一段高い目標を掲げる必要は周りの人の喜びに応えるためです。
自分の人生が周りの人の喜びのために費やされるのは悲劇です。
これでは可哀想ですね。
親がいくらあせっても親のぺースと子どものぺースはちがうのが普通です。
自分からもう一段高いところをめざして進もうとしたときに、励ましてやればいいのです。
自分から目標を立てて進めるようになるために、子どもに必要なのは親からの信頼です。
子どもは、いろいろなことに挑戦し、ほぼその都度、まちがいをおかし、失敗します。
それでも自分のプロセスに関心を持って、見捨てず愛してくれる信頼です。
このとき、親が結果だけに関心を持っていたら、子どもは親の顔色を見るようになり、親の期待におしつぶされそうになりながら、それでも応えようとするか、あらゆる挑戦をやめてしまうかです。
どちらの場合も自分の喜びには注目しない子という点で同じです。
すると喜びの代替品を「消費」や「依存症的行為」に求めるようになります。
空虚で充実感がないために、自分を忘れて暮らすことが日常化するのです。
いくらいい成績をとっても、成功しても満足はありません。
子どもの選択を後押ししてやる努力が必要になります。
「自分がより高いところに向かって進みたいと用意ができたときにやればいい。それは、君にしかわからないことだよ。」「それをやってみたいと思うならやってみたらいい。難しいかも知れないし、つらいこともあるだろうけれど、やってみたらいい。」
親が心からこんなふうに言えるようになればいいのです。
それを可能にするために、まず自分が目標をどこにおいているのか確認しましょう。
その上で、子どもには目標を自分で立てさせるようにしましょう。
早くから目標を持つことが望ましいことに気をつけましょう。
自分がどうしたいのかをきちんと聴いてやって、その目標達成のための計画を立てさせてきちんと聴いてやる。
おかしな点があれば本人に考えさせるようにヒントを教えてやり、何度も聴いてやり、本人に修正をさせる。
計画の実行を見守ってやり、結果よりプロセスに関心をもってやり、よい習慣を身につけるように励ましてやるようにしましょう。
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