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ライフスキルのこと
ライフスキルは、 世界保健機構(WHO)が日常の様々な問題や要求に対して、より建設的かつ効果的に対処するために必要不可欠な能力と定義づけた技術のことです。
ライフスキルは、よりよく生きるために「なにを、どうするのか」という選択の場面で役に立つ技術で、性格を変えようとするものではありません。
かつては、生活の知恵やコツとして、親から子へしつけというかたちを通して、地域社会や子供社会で、また年長から年少者へ世代の違った集団による遊びの中で、無意識的・体験的に伝えられていたものです。
しかし少子化、地域社会の変質、情報化が進むなかで、世代間の乖離、人間関係が希薄になり、ライフスキルを学ぶ機会が極度に減少する傾向にあります。幸福で豊かな人生を過ごす上で欠かせないライフスキルには、全部で10のスキルがあります。
・自己認識 ・共感性 ・効果的コミュニケーション・スキル ・対人関係スキル ・意志決定スキル ・問題解決スキル ・創造的思考 ・批判的思考 ・感情対処スキル ・ストレス対処スキル
以上10のライフスキルは、補完関係にありますが、数が多いと理解が複雑になるので、分かりやすくまとめると次の5つのライフスキルに集約されます。
1.自己認識スキル(自己認識・共感性)
2.目標設定スキル(創造的思考・批判的思考)
3.意志決定スキル(意志決定・問題解決)
4.コミュニケーション・スキル(効果的コミュニケーション・対人関係)
5.ストレスマネジメント・スキル(感情対処・ストレス対処)
この5つのライフスキルも、補完関係にありますので、個別に見ると強いライフスキルがあっても、ライフスキル全体の力は、もっとも弱いライフスキルに引き下げられます。短所を伸ばすより長所を伸ばすことは間違いではありませんが、弱点を克服することも大切です。それでは5つのライフスキルを順番に説明していきましょう。
5つのライフスキルから
自己認識スキル
ライフスキルのなかでも自己認識スキルとは、自分を知る上で欠かせないスキルですが、裏を返すと他者のことを理解するスキルにもなります。
それだけに自己認識スキルが弱いとコミュニケーション・スキルも弱くなり、将棋倒し式に他のスキルも弱くなります。
私どもに一番多く寄せられる相談は、他者とのコミュニケーションへの不安です。コミュニケーションへの不安といっても多いのが、自分を抑圧するか、逆に支配に走りすぎるか、極端に相反する態度によるトラブルや不満です。
現象は正反対ですが、どちらも自己認識スキルが不足しているために、自分と他者とは違うという現実をアサーティブ、つまり率直、誠実に、対等の立場で、自己責任で受け入れることができません。
この問題は「境界」の問題と絡んでいます。
「境界」というのは、人と人の間には、国境のように境界があり、その先には無断で侵入してはいけない「領域」があることです。つまり「人権」(アサーション権)です。
気持ちのいいコミュニケーションをするには、お互いの境界を超えて無断侵犯しないことです。それにしても境界は壁のように固定したものではなく、人や状態で境界を自在に調整することができます。
ところが、「一心同体」という言葉や、垣根のないことが親しさの証しのように考える方が少なくありません。これらを最強、最上の関係と勘違いすることで、人間関係の苦しさの発端になっている場合も少なくありません。
一方では「親しき仲にも礼儀あり」「和して同ぜず」という言葉もあるように距離の大切さを伝える言葉もあります。
「境界」「人権」の距離感の間違った持ち方は、自己否定感の裏返しである「万能感」と密接に絡んでいて、「依存」の問題に発展します。
依存が強すぎると「自立」の妨げになります。思うように自立ができなくなると、自分への信頼感か弱まり、健全なコミュニケーションが難しくなり人生は混沌としてきます。
自分への信頼感のあり方はコミュニケーションに影響を与えます。
自己信頼感を基礎にした信頼関係が数多く作れると、サポートも得やすくなり、主体的な活動が増えるようになります。体験を通して目標設定スキル、意志決定スキルもしっかりと強くなります。
ライフスキルだけでなく専門スキルも育み、自分の力が内側からと外側から強化され、より挑戦的な人生が過ごせるようになります。
■ 自分を知り、違いを発見するスキル
よく私たちが「自分のことが分からない」と言うように、知っているようでも分からないのが自分の考え、意識、感情です。
「自分のことは分からないが他人のことはよくわかる」とも言いますが、自分が絡んでいない場合は客観視できるからです。
自己認識スキルは、自分を他者のように客観視できるスキルです。自分を育むうえで、とても大切なスキルです。
自分の考え、意識、感情を、第三者のように認識できることは、裏返せば他者のこともよく分かるようになります。
自分と他者が判るほど、なにかにつけて、自分と他者は違うことに気づきます。
さらに、互いの違いを否定せず、ユニークな存在として受容できると共感する力も強くなります。共感力はコミュニケーションを円滑にし、自己信頼感につながります。
■両極端な態度でも、原因は同じ
ある人は他者に対して、自分の考え、意見、感情を抑圧して遠慮がちになります。
ある人は他者に対して、自分の考え、意見、感情を押し付けて支配的になります。
態度は真逆です。
こういう場合、気が弱い、気が強いと性格の問題にしがちですが、実はそれ以上に決定づけているのは、自己認識スキルの不足なのです。
つまり自分のことを認識する力不足が原因で、他者を理解する力が不足しているのです。
■自分と他者は違うことを知る
人は育ってきた環境が違うので、体験も違います。体験が違えばこの世界への認識が違うのは当然のことです。教育はそれを正し育むものですが、教育も親や教師のパーソナリティの影響を受けるので公平公正とはいえません。
そこで、どうしても自分への認識、他者への認識が変わってしまうのは防ぎようがありません。しかしその混沌のなかに自分の個性、自分と違う「個性」を発見して尊ぶことはできます。
自分を知り、他者を知る力は、個性を尊ぶスキルになってこそじぶん力になります。それには互いの人権を尊重する態度なしにはありません。但しこれにはいささか注意が必要です。ただ違いを受け入れるだけでは、ノン・アサーティブ、アグレッシブになる可能性があるからです。
お互いの違いに遭遇したとき、違いを否定せずに、ただ受容するのではなく、どう違うのか、どうすればWIN-WINな関係が作れるかを意識することが欠かせません。
自分を大事にするように、同じように相手も大事にする。共感力があってこその自己認識スキルです。■アサーティブ
お互いの妥協点を探るというと「我慢」のイメージがちらつき消極的な印象を受けます。
お互いの違いを否定せずに、ただ受容するだけでは、ノン・アサーティブ(非自己主張的)あるいはアグレッシブ(攻撃的)になる可能性があります。自分を大事にするように、同じように相手も大事にする。共感力があってこそ接点をアサーティブに見出すことができます。
アサーティブとは、積極的に自己主張することです。「積極的に自己主張」というと誤解される方もいますが、攻撃的に自己主張することではありません。
先に例にあげたように、他者に対して、自分の考え、意見、感情を抑圧して遠慮がちになるのがノン・アサーティブ(非自己主張的)
他者に対して、自分の考え、意見、感情を押し付けて支配的になるのがアグレッシブ(攻撃的)です。
つまりアサーティブとは、自分の考え、意見、感情を「率直、誠実、対等、自己責任」で表現するものです。
ノン・アサーティブ、アグレッシブには、アサーティブの柱である「率直、誠実、対等、自己責任」が不足しています。不足する理由は、人によって違いますが、不足をなくすことはできます。
■価値観の調整
不足をなくす方法を説明します。
人はそれぞれ体験が違うので、物事を見る目も違います。立つ位置も違えば、持っている言葉も言語も違います。ですからお互いに率直に言うだけではコミュニケーションは成立しません。
ノン・アサーティブもアグレッシブも自分中心という点では同じです。
特にノン・アサーティブの場合は、自分を抑圧しているので相手を優先しているつもりになりますが、相手を等身大で見ているわけでなく、自分の想像した相手でしかありません。つまり「あなたはこういう人だ」と決め付けがあり、その意味で人権を無視しているのですが、自分に注目しているため、それに気がつきません。
アサーティブな人は、自分への関心より、相手への関心が強いので、相手の言葉を傾聴し、態度を注視します。ノン・アサーティブ、アグレッシブな人は相手より、自分の感情を注視するので、相手を等身大で受容できなくなります。
ですから、ノン・アサーティブもアグレッシブな人も、まず客観的になる努力をします。
客観的になる努力は、WIN-WINを目標にすることですが、そうは言っても難しいと思います。
そこで誰もが求めていることを意識します。
誰だって自分は価値あるものと思われたい。大事にされたい。安全に暮らしたいものです。
相手のそれを目標にしてコミュニケーションすればいいのです。言うのは簡単ですが、ノン・アサーティブ、アグレッシブな人は、相手のそれより自分のそれを優先してしまうために、ノン・アサーティブ、アグレッシブな態度をとってしまうのです。
その結果、現実はどうでしょう?
ノン・アサーティブ、アグレッシブな態度をとることで、逆に不安を生み、悩みの種になっています。自分を優先することがプラスになっていないのです。
この背景には、対人関係に無用な「対立」があります。相手は敵ではないのですから、対立する理由はないはずです。
たとえば上司と部下は仲間であり、同志です。ノン・アサーティブ、アグレッシブな態度をとることは、仲間、同志でなく上下関係にこだわりすぎているからです。
その背景には、責任感と、責任を果たす上での自分への信頼感の不足があります。
責任を果たすためにコントロールしてしまいますが、意見、考え、感情のコントロールをする前に人間をコントロールしょうとするために、アサーティブになれなくなるのです。動機がなんであれ、人をコントロールしょうとすると知らず知らずの間に、対立してしまいます。
人間をコントロールすることは、「境界」の侵犯です。
しかし、意見、考え、感情を言葉で理解しあうのは、「境界」を尊重した上で、互いの領域から、コミュニケーションすることです。
ですから、意見の食い違いはありますが、目的が同じなら、意見の違いでしかありません。目的を最優先するのです。
■ 「率直、誠実、対等、自己責任」の不足をなくす
「率直、誠実、対等、自己責任」の不足をなくす方法は、自分や相手を優先するのではなく、なにより「目的」を最優先するのです。その場合、目的が健全であることが欠かせません。みんなが求めている価値を目的にします。(目的と目標は違います)
自分は価値あるものと思われたい。大事にされたい。安全に暮らしたいものです。
その方法論の違いが意見の違いになることはあります。
ですから方法論も個人の思い付きを優先するのではなく、原理原則、つまり数多くの成功事例、失敗事例に共通している要因から決して逸脱しない考え方、方法を遵守することが条件なのです。
そうすると、どんな状態でもぶれることはありません。■ 中間管理職に学ぶ
中間管理職の立場は、自分と相手の間に、さらに第三者が入った状態です。
違う価値観が増えるほどコミュニケーションは複雑になります。
しかし、どれほど人が介入しても、むしろ介入するほど、普遍的な価値観を大事にすることが大切です。
中間管理職の立場に苦しむ人は、普遍的な価値観を中心に置かず、それぞれの言い分を尊重します。尊重は大切ですが、大局から見ると、矛盾があるものです。矛盾はコミュニケーションの火種になりますが、この矛盾を整理し矛盾を除去するのが大局的な見解、原理原則です。
私もあなたも大事にされたい。そのために生きているという立場で、互いの個性を認めながら、方法論を言葉で伝え合うことをすれば、違いを認めながら、接点を見出すことができます。言葉より感情を優先すると、コミュニケーションは必ず破綻します。
■「なぜ」を3回繰り返す。
自分の考え、意識、感情を知る方法は、自分を第三者の「ように眺めてみることです。なぜ、自分はそう考えるのか、なぜ自分はそう感じるのか、なぜを3回繰り返す。
同じように、彼の考え、意識、感情を知るようにします。なぜ、彼はそう考えるのか、なぜ彼はそう感じるのか、なぜを3回繰り返す。
「なぜ」を3回繰り返すには、自分の中でする場合は問題ありませんが、相手に向かって「なぜ」を3回繰り返すと、刑事の尋問のようで、追求しているように感じます。注意しましょう。
相手に聞く場合には「なぜ」ではなく、「どうしたら(できる?)」の方が心理的なプレッシャーがありません。1.自己認識スキル(自己認識・共感性)
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2.目標設定スキル(創造的思考・批判的思考)
3.意志決定スキル(意志決定・問題解決)
4.コミュニケーション・スキル(効果的コミュニケーション・対人関係)
5.ストレスマネジメント・スキル(感情対処・ストレス対処)
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