ELVIS PRESLEY
ロックンロールがした一番重要なことは「君は自由だ」「君にもやれる」といメッセ−ジを投げ込んだことです。
ロックンロールの起源については諸説がいろいろあるかも知れないが、やはり1954年のエルヴィス・プレスリ−に尽きます。
アメリカ、テネシ−州メンフィスのスタジオで <ザッツ・オールライト・ママ>が収録されたとき、エルヴィスの相棒だったスコッティ・ムーアの有名な言葉「やれやれ、これでオレたちは町かた追い出されるぜ」がすべてを語り尽くしています。
黒人差別問題がアメリカ全土を覆っていたからです。
ラジオで放送されたとき、誰しもが「黒人だと思った」・・・やがて白人だったと知って、白人若者はエルヴィスを支持しました。
しかし大人たちの一部は怒りました。
大人たちの一部を不安にさせたのは、黒人の力が強くなることでした。
長年にわたって黒人は白人より劣っているという価値観が崩れることを恐れたのです。
やがてエルヴィスのレコードは焼かれ、コンサートは中止が相次いぎます。
警官隊に取り囲まれて、逮捕状を用意された状態でエルヴィスは歌い、若者は熱狂的に支持をします。
エルヴィス・プレスリーの登場は「事件」でした。
この構図が、のちにビジネスとしてのロックンロールの形となりました。
やがて多くのロック・ミュージシャンが登場しましたが、エルヴィス登場による自然発生的な事件を、故意に作りだそうと模擬したものばかりでした。
本当の意味で世界を変えた音楽は、エルヴィス・プレスリ−の音楽であり、ロックンロールが最もロックンロールらしいメッセ−ジを放ったのもエルヴィスのロックンロールでした。
そして社会を変えたのもエルヴィスの音楽。やがて黒人差別に一応の終止符が打たれたのです。さらには女性差別問題にも影響を与えています。
つまりエルヴィスによる表現の自由の主張は、当時くすぶっていた問題に火をつけ、社会へアサーティブ(自己表現)を認めさせる巨石を投じたことです。
その点についてはこちらに記載していますので、是非お読みください。
当時の娯楽環境から、ポップなス−パースタ−というイメージが強すぎて、ロックンロール・ヒーロ−の影が薄くなりがちですが、ザ・キング・オブ・ロックンロールという呼称が表現しているように、唯一無二の存在です。
それになにより楽しいのは、どんな歌を歌ってもエルヴィス自身のオリジナリティに満ちてしまいます。
エルヴィス・プレスリ−とは何者だったのか?
アサーティブ(自己表現)によって、成功し、アサーティブ(自己表現)しなかったために苦しんだ世界でもっとも有名な男といえます。
それを知ることは決してムダではありません。
エルヴィスの音楽には、 「君は自由だ」「君にもやれる」と書かれているからです。
PROJECT
#0017
愛ピのエルヴィス・プレスリ−
コレクション
(LIFE誌の調査では、やはり最高のロックンロール・アーティストはエルヴィスだった)
▲このぺージのTOPへ戻る
|