PROJECT
#0011 ROAD
旅
旅は一時の避難場所ではありません。
日常と非日常と切り分けるのもいいけれど、それではなんだか日常が悲しそう。
How I'm Doing?
自分の仕事ぶりはどうですか?と見知らぬ土地に質問してみる。
見知らぬ人や空気は黙って応えてくれます。
旅は自分の居場所と見知らぬ場所とのコラボレ−ション、
知恵と勇気と根気のハーモニーによる夢につなげる道。
買い物ツア−も楽しいけれど、
お金を使うのではなく、 知恵と勇気と根気使って自分をテストしてみるのはもっと面白い。
友人のニュージーランド人の女性。
彼女の「旅」はドラマティックです。
彼女は医師からガンのためあと数年の命と宣告されました。
彼女がしたことは、まず離婚。
夫に負担をかけたくないという思い。
新しい恋人を見つけて幸福になってほしいとまっすぐな気持ちの末の選択です。
ふたりのこどもは、自分と、やがては自分の親、そして弟たちが面倒みると告げました。
若い夫を自由にしてあげたいと思ったのです。
余命がないことで、さらなる決断をします。
以前から興味のあった日本へ行くこと。
決断すると行動は迅速でした。
ふたりのこどもを連れて日本にやってきました。
「病身」の彼女を追って弟が日本へきました。
こうして日本でのロングスティがはじまりました。
なにもかも捨てた彼女は、異国の街で人生を謳歌します。
一生賢明、働き、子育てし、遊びました。
そのエネルギッシュな姿は魅力的でした。
そしてドイツ人の彼と出会い。恋におちました。
やがて・・・
医師の宣告した「死」は彼女から去り、彼女は結婚をし、人生の再出発を手にしました。
こどもの成長のために旦那さんは日本に残して、母国に帰り、弟はアフリカに。
旦那さんの休暇にはブラジルで言葉をマスタ−するためにふたりで旅行。
やがて弟はアフリカでバスで知り合った老人の言葉にインスピレーションを得て、ガスを発掘。ガス会社を起こして、いまでは彼女が副社長です。
旦那さんは、いましばらく日本住まいの通い婚。だけどふたりとこどもたちはハッピー。
自分の居場所と見知らぬ場所との見事なコラボレ−ション、
誰にでもこんなことが起こるわけではない。
しかし、 先住民一家のハンディを気にすることなく、物事を悪くばかり考えず、人生を自己表現として積極的に行動する。
死を前にしても、自分を最後の一滴まで、生きようとした彼女への神様からのプレゼントだったのかも知れません。
旅のかたちはさまざま。
どんな旅もすてきですが、いくらでもすてきな旅に仕上げることはできることを信じて、デザインしましょう。