STOREという英語は、預かるという意味を含んでいます。
誰のものを預かっていると思いますか、お客さまのものです。
まだ売れてはいなくても、お客さまが買うという前提で仕入れたり、生産したりしています。
もう少し こまかく言うと、「この商品はあの人が買うから用意しておいてあげないといけない」という発想です。
少し昔、いまでも、町の魚屋さんなんかは、そんなふうにお客さんの顔を思い浮かべて毎日市場で仕入れしていることも少なくありません。
つまり商品はお客さまのもの、店はお客さまのものという意識が必要なのです。
同じく会社もそうです。
ですから、あなたに仕事の指示をするのは上司や先輩、あるいは会社のトップですが、その先にはお客さまがいるのです。
つい、イヤな仕事がくると、そのウップンを指示した上司、先輩に向けがちです。
また社長のことを悪く言ってしまいがちです。
しかし指示の向こう側にはお客さまがいることを忘れないでくださいね。
ですから会社や店は「顧客満足」を優先的に考えて行動するのが常です。
顧客満足って何でしょう?
お客さんの心をどれだけ動かすかっていうことです。心つまり感情のことですけど、感情をどれだけ動かすか、うれしい、楽しい、気持ちいいといった感情をどれだけ強くしてあげるかです。
言ってみれば会社は、必ず回収できると約束されたわけではない資金を投入し、お客さまの感情を動かすかにチャレンジしているわけです。
そのための商品やサービスなんですよ。
感情を動かすために、お客さんが望む商品やサービスを提供するために活動しているんですよ。
ですから投資した資金が回収がうまくできて、利益が出せるようにするためには、なによりお客さまに喜んでもらいながら会社を機能させていくことが欠かせません。
そのために、会社や店を経営しているわけです。
だから、お客さまが商品やサービスを手に入れやすいように、店を出したり、通販したり、代理店を作ったり、営業マンがお客さまの会社やお家を訪問します。
すべての仕事のもともとは、お客様のために行なっているのです。
それによって社長をはじめ、末端のアルバイターまで、その会社や店に従事するすべての人を支えることができるんです。
いまどき新聞やテレビの事件ネタになっている会社は、順番間違えて利益がまず先に来るからトラブルになっているんです。
慈善事業ではないので、誰だって利益が真っ先に気になります。しかしいくら利益が気になっても、やっぱり順序があるんですよ。
ですから、顧客満足の大切さがわかっている人なら、お客様から頼まれた仕事は、少々無理なことでも、なんとか努力してそれに応えようと努めます
しかし、仕事はたいてい役割を分担しているので、直接お客さまに接することのない仕事もあります。
たとえば倉庫で配達のための配車業務に携わっている人は、社内の営業マンから配達の指示を受けても、「こんな日程の配達はできない」と拒否したりします。
それぞれ事情のあることですが、もしお客さんから直接頼まれたら、やはり同じように拒否するでしょうか?
工場で生産に携わっていても同じことが生じます。経理でも、コンピュータ室でも同じです。
相手がお客さまだったら、だれも言わないようなことや対応しないことが、上司や先輩、同僚なら平気で言うことがあります。
だけど、みんなお客さんのことを考えて、自分に無理を言ってるんだと分かっていたら、拒否する前に、事情を真剣に聞いてみたいと考えることができます。
この態度を忘れず大切にすることが、お客さまを大切にするということにつながっています。
いつも、あなたの目のまえにお客さまがいると考えて行動するようにしてください。
その上で、自分に与えられた役割を達成してください。
きっと仕事が楽しくなりますよ。
正社員になる基本の自分づくり
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