大リーガーには「博士号」を持った選手がゴロゴロいますが.文武両道が基本だからです。
その背景には、学問以前に、まず他者の評価に依存しない内なる「じぶん力(人間力)」を身につける発想があります。
「じぶん力(人間力)」とは、期間限定、地域限定の外部評価による力ではなく、生涯使える力です。
学生がスポーツに取り組むのもライフスキルを身につけるうえで最適と認識されています。
「アサーティブ」も同じで、欧米では一般的に高校生ぐらいから訓練されています。
「アサーティブ」な会話力の基本は、正直な自分の気持ちを上手に伝えることです。
ところが、日本ではアサーティブ・コミュニケーションの訓練は体系立って行われておらず、精神的な問題を抱えた場合に治療法のひとつとして使われるのが主です。
教育の在り方や認識もあって、過度に相手に対して攻撃的に出たり、仕方なしに無理して引き受けたために被害者意識が生じたりと、健全ではない状態のコミュニケーションが蔓延していているのですが、現代のニッポンでは学生時代から、それを上手に隠すスキルを磨いているのが現状のようです。
そのためストレスが溜まっているものの、その処理すら判らないことが多く「うつ病」などの発展しているようです。
ストレスの原因になるのが、お悩みの「グチ、妬み、怒る」です。
「なぜ自分だけ報われないのか」とグチになったり、「彼ばかりが得をしている」と妬んでみたり、そこには自分目線で考え決めつける傾向があります。
「自分がこう思うから、相手もそう思って当たり前だろう」という自分の目線で、相手との違いを認めることができないまま決めつけるから、自己主張ができなくなりストレスになります。
ストレスが強くなると、「なりたい自分」や「こうありたい」自分の願望から意識が離れ、めざす「自分」から遠のきます。
自分が遠のくくらいですから、周囲の人も遠のきます。そんなことしていて楽しいわけがありません。負のスパイラルから抜けられなくなり、自分を厳しい立場に追い込むばかりです。
私たちは「グチ、妬み、怒る」は相手にぶつけていると思い込んでいますが、実はそうではないのです。
私たちは相手を変えよう、変えようと思い込んでいる場合が多いものです。
変えようと思うから、変わらない相手を見て、判ってもらえないと感じます。
「あの人に話したところで、どうせわかってもらえないだろう」と、グチとともに相手のせいにします。
「自分の言うことなんか、どうせ聞いてもらえないだろう」と哀しみと共に自分の価値を値引きします。
自分のモチベーションを思い込みや決めつけで引き下げてしまうのは、誰にとっても悲しいことです。
私たちは誰でも、変える事ができるのは自分だけです。
自分が変わる事で相手が変わるのです。
相手を変えようとするのではなくて、自分の優先順位を考え、伝え方をほん少し工夫するだけで相手が変わることを、スイッチチェンジの事例で確認していただいたと思います。
アサーションなコミュニケーションを実現に書かせないツールであるDESC法は、次の4つで構成されています。
D=Describe(描写する)
E=Express(表現する)
S=Specify(提案する)
C=Consequences (結果を伝える)
では、「上司が話を聞いてくれない。」という困った状況を、 DESC法で心の通うアサーションなコミュニケーションに置き換えてみましょう。
クライアントとの関係ではメリットを柱にしてアサーションなコミュニケーションが容易ですが、社内の場合はそうはいかない場合が多いように見えます。
しかし、冷静に考えると判りますが、人の行動には理由があります。クライアントと違うのは、メリット(見返り)が複雑なだけです。その複雑なメリットはクライアントとの関係にも共通しているので、社内だからと甘えず、自分を磨く場と心して、アサーティブにチャレンジしていきましょう。
上司からイエスを獲得するコツは、日頃から気持ちのいいコミュニケーションをしておくことです。
それは「信頼」を築くことです。信頼出来る部下というのは上司にとって最大のメリット(見返り)と言えます。
さて、「上司が話を聞いてくれない。」場合ですが、
D)描写=「都合の悪い事はいつも耳を貸さない」
E)表現する=「大事なことなのに、どうでもいいのかな」
S)提案する=「後で困っても知りませんよ」
C)結果を伝える=「指示が出るまで放置しておきます」
これでは、信頼を自ら台無しにするようなものです。
この状態を、DESC法でスイッチチェンジして、 快適なコミュニケーションに向かって変えていきます。
D)描写=「都合の悪い事は聞きたくないのは誰でも同じだ」
E)表現する=「部長の関心のあるテーマにも影響する」
S)提案する=「テーマへの影響も含めて、整理して企画書にしてみよう」
C)結果を伝える=「部長もご心配だと思います。随時ご報告しますので、確認とアドバイスだけしていただけば、この企画で任せていただけばご安心していただける結果にいたします」
任せるのがイヤなタイプの上司の場合には、
C)結果を伝える=「段取りは私の方で整えます。指揮を執っていただくと、安心して打ち込めますので、結果が出るように頑張ります」
というようにアレンジします。
先のD→E→S→Cと比較してみてください。
随分違いますね。同じ状況なのに、全く違うアプローチになります。
上司の気性を考慮して、2つの案をサンプルしましたが、どちらにしても自信を持ってアプローチすることが大切です。
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「グチ、妬み、怒る」をやめるには、相手との蓮いを認めればすがすがしくなれます。
相手と自分は違っていいのです。
自分を大事にするように、相手も同じように大事にしていると、グチ、妬み、怒りから解放されます。どれほど気持ちが軽くなるでしょうか。
そして自分の欠点を隠す必要もないことがじんわり判ってきます。さらに軽く晴れやかになります。
アサーティブの本質です。
■アサーティブ
ある状況を肯定的に認識する人もいれば、否定的に認識する人もいます。
つまり、私たちは世界をあるがままに見ているのではなく、自分のあるがままで世界を見ていることを意味します。
それは、認識の仕方が現実的で柔軟であればあるほど、他者とのコミュニケーションはアサーティブになりやすいことを意味します、
アサーティブの知識があっても、考え方が現実的でなく硬直化していると、アサーティブなコミュニケーションは困難です。IQ
よりもライフスキルが大事という意味もここにあります。
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