変わり行く世界にあって、女性のアイデンティティも多様化しています。ワイルドなファッションに身を包んだ女性が増えましたが、生活力、自己実現力の点では疑問が残ります。
子育てに限らず、女性とコミュニケーションするときの基本的な構えと共通しています。従来から継承されていて、無意識の内に刷り込まれている男尊女卑的な価値観は、悪意のない保護する優しい気持ちの場合にも浸透しています。まず思い込みを自ら払拭することがはじまりです。
併せて「美しさ」とのつきあい方にも注意が必要です。男女問わず、本当の魅力は内面からにじみでるものです。しかしテレビが家庭に浸透して以来、女性の美しさへのこだわりは増す一方です。デジタル化によってさらに強まる可能性があります。
しかし生涯守ってくれるはずの男性が先立つこともあります。ひとりで生きるたくましさが必要になることもあります。状況によって、時には女らしく、時には男っぽく、柔軟になれるように育てることが重要です。
そのために重要なポイントを「基本」「能力」「男女差意識」に分類してピックアップします。
基本的な構え
・父親が娘のアイデンティティ形成に深く関わっていることを認識する
・言葉に頼らず行動で教えるポリシーを持つ
・言葉、態度と行動が矛盾しないように教える
・娘、息子を問わず、こどもの人生はこどものものであり、選択と行動は本人が決
めることである認識、覚悟しておく
・「女性だから」という思い込みで判断しない、口(言葉)にしない
・見習ってほしい人物とその理由を説明する
・接し方を変えるのに遅いはない
・一貫してアサーティブであることを心がける
能力について
・能力を値引きしない意味で、助けてというまで助けず、必要以上に助けない
・危険なことをさせるときは、プロセスを優しく見守る
・自分を主張したり、意見を明確にしたときは、やさしく、あたたかく受け入れる
・希望、目標は高く持たせる
・冒険すること、挑戦することを奨励し教える
・不安、恐怖に打ち勝つ方法を教える
・能力を信じていることを態度、行動で示す
・抑えつけない、過保護にならない、甘やかさない
・機械・電気関係・自動者・パソコンなどのことを教える
・「数学ができなくてもいい、数学は苦手」の思い込みをしない、させない
・作戦を練らないと勝てない遊びやゲームをコーチする
・初歩的なお金の扱い方から利殖の方法まで教えてやる
・ビジネス社会で必要な基礎知識をコーチしてマスターさせる
男女差意識について
・母親の手伝いだけをさせずに父親の手伝いもさせる
・息子への接し方と変えない
・状況に応じて男性的行動、女性的行動を、柔軟にとれるように教える
・特定の分野にしか興味がないと決め付けない
・少女向きでない書籍、映画などへの関心を妨げない
・女子校に入りたいと言えば許可してやる
・スポーツすることを奨励する