アサーティブなビジネス、あるいはアサーティブでないビジネスとはどういうことか、小売りサービス業で表現してみます。
新規のお客さんが100人来られたとして、リピートしていただく方は40人、さらに3度目となると35人、4回目は30人・・・と減少していきます。
リピートしない理由をいろいろ考えますが、リピートしない理由の一番は、「なにもない。」なのです。
気にもしていない。お客さまの記憶に残らないからです。
実は、これが怖いのです。
気にもしていない。記憶に残らないとは、ネガティブな考えをすると「あってもなくても、どうでもいい店」ということになります。
「あんたはいてもいなくてもいい存在だ」って言われたら、落ち込みますよね。
ポジティブな考え方をしたら、「肩のこらない店」という言い方ができます。
ニュートラルな見方をしたら、空気みたいな存在。
それにしても「オレたち、みんな空気みたいな存在なのか」って寂しくありませんか?
人得は自分の存在をしっかり認めてほしい生き物ですから、空気みたいな存在では、やる気が起こるはずもありません。
リピートしてもらうには記憶に残す。
効果的にやろうとすれば「また次も行きたい」というカルチャーショック・レベルで記憶に残すことです。
そのために仕掛けをする。
それが無理でも、「また次も行きたい」という"かずり傷"くらいは記憶に残したい。
「また来てくださいね」「この道、よく通られますか?・・・だったら是非次も寄ってくださいね」とっておきの笑顔とホスピタリティで、そっと脳にかすり傷。リピートしない理由が「なにもない」とは、キツい言い方したら、やる気が誰にも起こらない店なのです。
マネジャーに「目標達成をする気」がない。
従業員(スタッフ/パートナー)にも「売る気」がない。
お客さんにも「行く気(買う気)」がない。
ないが三つ並ぶと、これが、リピートしない理由のトライアングル(三角関係)です。
コミュニケーションを断ち切っているのは誰だかはっきりしています。
では、リピートしたい理由のトライアングル(三角関係)に変えようとしたら、
「したい」を三つ並べると、リピートしたいトライアングルに変わります。
マネジャーに目標達成する気がある。
従業員(スタッフ/パートナー)に「売る気」がある。
お客さんに「行く気(買う気)」がある
これが繁盛店の方程式。
マネジャーに目標達成する気がある。
従業員(スタッフ/パートナー)に「売る気」がある。
お客さんに「行く気(買う気)」がない
このトライアングルだとクレームになります。
店側の「目標達成したい気」「売る気」が、お客さんのモチベーションを下げるような間違ったことをしているからです。
お客さんのモチベーションを上げることを忘れてしまっているからです。
三つ揃わないと売れないことを知らないか、忘れているからです。
いい形で三つの内、ひとつでも欠けたら、どこかに不満が出ます。
つまり、誰かに「安心と楽しさ」がないからです。
この点から、もGIVE&TAKEではうまく行かないことが分かります。
成功の法則のひとつは、GIVE&GIVEです。GIVEの5乗だという人もいるくらいです。
GIVE&GIVE、GIVEの5乗を難しく考えることはありません。すごくシンプルです。
マネジャーが自分に「安心と楽しさ」を与えてやろうとしたら、自然に従業員(スタッフ/パートナー)にも「安心と楽しさ」、お客様にも「安心と楽しさ」を与えるしかないのです。
マネジャーが従業員(スタッフ/パートナー)に「安心と楽しさ」を与えようとしたら自然にお客様にも「安心と楽しさ」、自分にも「安心と楽しさ」を与えるしかないのです。
マネジャーがお客様に「安心と楽しさ」を与えようとしたら、自然に従業員(スタッフ/パートナー)にも「安心と楽しさ」、自分にも「安心と楽しさ」を与えるしかないのです。
モチベーションのトライアングルは、GIVE&GIVEや、GIVEの5乗を通じて強くなります。
マネジメント・サイクルを回せば回すほど、このことが良く分かります。そのマネジメント・サイクルの中心にあるのが、自他尊重するアサーティブな人間関係、WIN-WIN(ウィン・ウィン)をめざす実践サーティブです。アサーティブなマネジャーの日々は、毎日、毎日、毎時、毎時、モチベーションと向かい合う日々です。
そして、モチベーションの正体は、実は「安心と楽しさ」です。売る側にも買う側にも、「安心と楽しさ」がないとモチベーションは高くならない。
余談ですが、スターバックスはこれがとても上手にやれている店です。
注文して、商品を受け取るまでのお客さんの顔を見ていたら分かります。みんな自然にほころんでいる。わずかな時間ですが、「安心と楽しさ」すなわち。自分が大事にされている気分に浸っている。これがコーヒーやサンドの隠し味になっている。
こういう王道を無視して、「もっといい方法はないのか」と考える人を役に立たない情報に翻弄されている「情報を処理できない人」と言います。三つの内、ひとつでも欠けたら、どこかに不満が出ると言いました。
マネジャー、お客様、従業員(スタッフ/パートナー)の三角関係の構造からすれば、一番欠けそうになるのは、マネジャーになるのは明白です。なぜならマネジャーは仕掛ける人、つまりケアすることに忙しい人だからです。裏返すと誰もケアしてくれない存在なのです。
時には孤独に萎れそうになるときもあります。マネジャーは、自分と、部下と、お客さんのモチベーションをあげるのが仕事です。
自分のことは後回しにして、おいしいところは部下と、お客さんにあげてしまう。
それを黙々と淡々と、男前の仕事なのです。でも、挫けずに活動をやめずにいたら、とんでもないよろこびに出会えます。
そのご褒美に、他の誰も味わえない感動があります。自分の力で周囲の人が、こんなにも生き生きするんだと体験できる。わたしは「仕事は愛だ」と思っています。
従業員(スタッフ/パートナー)が生き生きと仕事をしていると、お客さんを笑顔して「ありがとう」という言葉で返してくれる。
「ありがとう」と言われると、ますます元気に笑顔で対応するようになる。それが増えるほど業績も良くなる。どんどん回転すると、最初は文句ばっかり言ってたライバル会社も「あれを見習え」と従業員に檄を飛ばす。
地域全体が活力を帯びてくる。逆にそれを体験しないと自分が死に体になってしまいます。
ビジネスアサーティブを成功に導くアサーティブな男前になるか、ならないかは、自分の選択と行動です。
▲コミュニケーションを正常化すれば利益は大幅に増大します。お客様に喜ばれるだけでなく従業員やその周囲にいる人にも喜ばれるからです。