アサーティブな資質を高めるにはどうしたらいいのか?
アサーティブな行動を遮る要因は、どこから来るのか?
どうすればアサーティブな自分を創造できるのか?
アサーティブを言葉にするより先に、目の前の問題をどうすれば排除できるのか?
アサーティブを語る前に、どうすればアサーティブを考える時間を持てるのか?
アサーティブの素晴らしさは分かった、でもどうすればアサーティブの素晴らしさを自分の暮らしに落とし込めるのか?
アサーティブを語るとき、とても大切なこと。
たとえば、ある日、大きな自動車事故をやってしまった!
突然のように思える事故ですが、実はそうではなく、本人も意識しないままに、自分が周到に用意した事故である場合がほとんどです。
個性ある人々が多く集まって仕事をしていると、さまざまな問題が生じるものです。
しかし、大きな問題はある日突然起こるものではなく、チリも積もればゴミになると同じで、繰り返しのミスやトラブルを重ねた結果であって、結果には必ず予兆があるものです。
予兆は致命的な問題でないことから、時には笑い話で済んでいたりしますが、実は将来のメッセージを含んでいる場合が少なくありません。
それを知っていると、危機を事前に排除することが可能になります。あらゆる現場での事故やトラブル、クレームも同じです。もちろん自身や家庭においても同じなので、ぜひ身につけたい「危機管理スキル」です。
私たちは、夢、目的、目標というような言葉で表現することができるものを持っていたり、持つことができます。
しかし、それとは別に無意識に持っている人生脚本があり、人生脚本の結末に向かって日々暮らしているものです。
人生脚本が、言葉で表現できる目的と同じなら、その目的を達成する可能性は飛躍的に高まります。自分自身がしっかり統合されているからです。
しかし、目的がない場合には気をつける必要があります。
自分が意識しないままにネガティブな人生脚本にコントロールされている場合が少なくないからです。
ポジティブな人生脚本の場合は、その実現のために具体的な活動が必要になることから意識するようになります。つまり具体的に目的さらに目標、計画というようにどんどん具体的な言葉と行動で語るようになるからです。
もともと、人間の意識は氷山に一角、大半は無意識の領域にあります。しかもネガティブな人生脚本は考える本人にとっても気持ちのいいものではないし、聞かされる相手も楽しくないので、言葉にされることは少ないものです。その分、無意識の領域に沈めらます。
さて、コミュニケーションのスタイルには、3つのタイプがあることをご説明しました。
アサーティブ
アグレッシブ(攻撃的)
ノンアサーティブ(パッシブ/受身的)
その背景には、次のような心の働きがあります。
厳格な親の心
保護的な親の心
大人の心
従順な子供の心
無邪気な子供も心
人間には三つの心、つまり親の心、大人の心、子供の心があります。
さらに対極となる心のありようがあり、上記のような5つに分類される次第です。
実際には5つの配分は、人によって違い、コミュニケーションのあり方の違いになって表出します。
この5つを組み合わせてコミュニケーションしていますが、場面、場面で組み合わせも変わりますので、同じ人でも仕事中と家庭での人物像が全く別人というようなことも起こります。
組み合わせが違うだけのことなので、驚くに値しませんが、よりよい自分を創造するために、なぜ違うのか分析する価値がある場合もあります。
三つの心による6つの組み合わせは、生きる構えから生じていますが、習慣化によって強化してしまうことから、結局、原因である生きる構えが強化されることになります。
生きる構えとは、どういう構えでしょうか。それが人生脚本です。
人生脚本の事例は、マスメディアに登場する有名人に見つけることができます。
たとえば最近では、飯島愛さんの場合がそうです。
彼女に関する情報がほとんど私にないので、残念ながら説明できませんが、ニュースで伝え聞いた彼女の行動から察してどのような人生脚本だったのか、容易に想像できます。
言い換えると悲劇的な結末から救う手立てはあったということですが、それは客観的に見ることができるからです。
それにしても、自分のことほど分からないという言葉をよく耳にしますが、本人や身近なひとは客観的に判断することが難しいのと、自分の主観を絶対視する傾向が強いために、客観的は判断が難しいものです。
人生脚本で、有名な事例が世界的な伝説の女優マリリン・モンローです。
彼女は、幼少の頃、父親がいない状態で、母親が精神病院に入院したため、親戚の家に引き取られます。その後、親戚を家をたらい回しされますが、保護者が結婚したため、孤児院に、さらに補助金目当てに養子にされるなど安定しない生活を過ごします。
大事に扱われることなく成長した彼女は16歳で結婚、その後、スカウトされモデルになりますが、20歳で離婚。やがて映画の端役で出演、モデルをしながら女優の勉強をしますが、やがて天性の才能と努力の末、27歳で世界的なスターになります。
スターになった彼女は有名な野球選手ジョー・ディマジオ、劇作家のアーサー・ミラー結婚と離婚、さらにジョン・F・ケネディ大統領との交際説も有名です。
世界中に衝撃と悲嘆が駆け巡った36歳の最期は自殺とされていますが、他殺説もあり真偽は分かりません。
どちらにしろ、「大事にされない(自分は愛されない)」という脚本にコントロールされ、それにふさわしい最期でした。
彼女の最大の問題はここに潜んでいます。
彼女と結婚したジョー・ディマジオもアーサー・ミラーも、離婚後も彼女を心配し愛し続けたことです。
さらに両者ともに、「どうにも助けてやれなかった」と悔やんでいることです。
わたしは、彼らの心情に小泉八雲(こいずみ やくも/パトリック・ラフカディオ・ハーン)の「耳なし芳一のはなし」を思い出します。
つまり、彼女の問題は、事実を受け入れず、「大事にされない(自分は愛されない)」の思い込みにコントロールされ続けたことです。
思い込みに囚われて、アサーティブのコアである「スイッチチェンジ」が、自分の人生で、できなかったのです。
離婚は最期の前兆であり、離婚の前兆としていくつもの小さなトラブルがあり、トラブルに潜む問題の本質にかってのパートナーは気がついていたわけです。しかし残念ながら、早いの段階で救いの手を差し伸べても彼女が拒絶することから、何度もパートナーが無力感を味わう体験をしたことが読み取れます。つまり、彼女の人生に登場した超一流と言われる人物たちが、強固な脚本に揃って屈したのです。
もちろん彼女は自身にそのような脚本があるとは思っていなかったでしょう。思っていれば対策することもできたのです。
彼女の場合は、そのすべてが際立った特徴があるので、分かりやすい事例として語られますが、一般の場合には、これほそ際立った特徴がないので、分かりにくいものです。それだけに自分がどのような生きる構えをしているのか、注意したいものです。
どのように、注意すればいいのか、考えても分からないことに時間を使うのはもったいない。
自分ができることは、自分を統合することです。
つまり、自分が目的と目標を明確に意識し、その達成のために、同じことを習慣になるまで繰り返し実行することです。
新しいよい習慣が悪い習慣や傾向を排除します。
アサーティブ
アグレッシブ
ノンアサーティブ(パッシブ/受身的)
も習慣です。
三つの心の5つの配分も習慣です。人生脚本も生きる構えも習慣です。
いまはそうでなくても、好ましい習慣が分かればそれを身につけるようにしたらいいだけのことです。
タバコを吸う理由を問題にしなかった人が禁煙に成功したように、自分と周囲の人に好ましい新しい習慣を導入する上で、古い習慣に理由を与える必要はありません。
アサーティブな構え方に変えるのに遅いということはありません。