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実践アサーティブ

アサーティブが問われるビジネス環境

組織では、いろんなポストにいろんな人が仕事しています。
それぞれが立場にふさわしいスキルをイメージしています。
そして、イメージとは別に現実があります。
たとえば、課長職があります。
 
トップが思う課長職があり、現実の課長がいます。
部長が思う課長職があり、現実の課長がいます。
部下が思う課長職があり、現実の課長がいます。
外部組織の思う課長職があり、現実の課長がいます。
当事者である課長が思う課長職があります。

それぞれにイメージと現実があり、そのズレがあります。
そのズレが大きいほど、共感の土台にぶれが生じます。
ぶれると、人の考えや行動がバラバラになってきます。
バラバラになるとは、それぞれがこれが仕事だろうと思うことをするようになります。
空中分解状態です。
こういう組織は少なくない。組織はチームワークだからです。

アサーティブなチームワークとは仲がいいということとは別の次元のことです。
チームワークとは、それぞれのポスト、ポジションのひとが、自分の役割を果たせることです。
いくら仲が良くても、自分の役割を果たせないひとがいたら、チームワークは歪みが生じて破綻に発展することもあります。

そんな状況で、一番、悩むのは、イメージとスキルにズレを感じている当事者です。
どのように、どの程度気にするかは、個人の性格によりますが、実際のスキルとは関係ありません。自分が不足していて罪悪感や劣等感を感じると悩んでしまいます。

そこでアサーティブなアプローチが必要になりますが、その前に当事者の悩み以外にどんな問題が生じるかについて考えてみます。
それぞれがこれが仕事だろうと思うことをする組織は、価値観にまとまりがないということです。こういう組織は少なくない。
たとえば多店舗展開していても価値観にまとまりがないと、店の標準が分らなくなります。
それでも意欲的なマネジャーがいる場合には、個別に成功店を創ることはできます。
そして実際に創ります。
すると、ますます課長は混乱します。

アサーティブが問われるビジネス環境

ベンチャーというのは、成功例を体験したり掌握しているトップが、ブレーンと共に、トップダウン式に、マニュアルを浸透させながら、つまり自分の成功事例を念頭に、マニュアルを作成して、それを遵守することで、トップが体験した成功事例を再現します。
つまり何も知らない人でも、言う通りに行動すれば最高の結果を出すというのがベンチャーの常套です。

成功店を基準にして、ベンチャーのように水平展開できる可能性が生まれますが、店舗レベルでのたまたまの成功であり、強いトップダウンでないために、価値観、仕事の仕方に葛藤が起こります。
結局、参考にする程度になり、状態を目標にすることまで発展せず、数値目標だけに留まり、その状況を野放しにすると、価値観はバラバラのままです。
共感が起こらず、人が育たない環境に陥ります。
仕事の仕方や価値観に共感が起こらない風土は、数値目標だけに終始します。
組織のどこにも、自分の幸福感という心のフックがないと意欲はまとまりを持たず力が抜けているような感じがつきまといます。

ベンチャー型では、優秀な本部体制とチームワークの徹底が原動力です。
マニュアル型とマニュアルレスに大別できますが、マニュアル型は人材派遣など雇用形態の変化によって、働き手の意識の変化に、若年労働力の減少傾向が加わって人手不足が深刻化している現在ではマニュアル型は限界に達しています。

ここでも共感ができないために意欲は低下を免れず競争力を弱めています。
一方、マニュアルレス型に移行するには自律型マネジメント体制に移行する必要があり、そのスキルを浸透できない企業では立ち往生したり、飛躍のチャンスがあってもステップアップできない状況にあります。

そこで問題になるのが、ベンチャー型でないマニュアルレスの自律型マネジメント体制の確立です。
トップダウンでない、つまり本部が全体を思う方向へ牽引できないタイプの企業。
現場から生まれた成功事例を水平展開するしかない場合、その担い手になるのはスーパーバイザーの役割になります。

ところが、スーパーバイザー自身に成功体験がないと、どう落とし込んでいいのか分らないために、結果的に水平展開ができず共感を得られず挫折する可能性が一気に高まります。
この場合、着手すべきは、最初の一歩。
トップとスーパーバイザーのコンセンサスを得ることから始めますが、ここからアサーティブが大きな課題になります。
説得力が問われるのです。
社内に待ち受ける反対意見をクリアしていかなkればならないからです。

 

アグレッシブに高圧的になったり、皮肉っぽくなったり、ノンアサーティブに抑圧して控えめになったり、率直でない態度は無用な感情のこじれを引き起こします。

説得作業には書かせない、次の2つの側面があります。

・自分の率直さを引き出すようにする
・意見を伝える以前の準備として、良識のある共感できる価値観を整備する

アサーティブに、いくら率直に伝えるにしても、その内容が心に響くものえないといけません。
正しいことを伝えるのだから問題ないだろうとい考えは禁物。正しくても心に響かないことはあります。
目的は共感してよしやろうという気持ちを引き出すことです。
それには相手の幸福を考えていない正義では、気持ちに届きません。

自分が感情的になるのは、問題ですが、ひとの心を動かすには感情に触れないと 動かせないのです。

アサーティブであるために、ビズアサーティブの目的でもある、2つの側面について順次説明していきます。

意見を伝える以前の準備として、良識のある共感できる価値観を整備する

 

 

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