■結婚の目的 アサーティブであるために
結婚の目的はなんですか?そう尋ねられたとき、どう答えますか?
自分たちはどんな夫婦になりたいのか?
夫婦のイメージが曖昧な方ほど、不和の現実が、結婚のあり方を語っています。38%の離婚率の背景には「性格が合わない」、「異性関係」があります。
性格が合わないという理由で、築いてきたものが瞬く間に崩れてしまう。一緒にいればマンネリもあり、新しい異性は刺激的で、刺激度では敵うわけがない。どのようにでも乗り越えられるはずのことで破綻するのは、そもそも結婚に目的があったのかという疑問です。
ありきたりな言い方ですが、「結婚式がゴールの結婚」は結婚ではないのです。
互いに別の人格、性格が合わないのは当たり前、共通の好みにも限界があり、限界が境界のあることを教えてくれます。
二人して人間関係の問題を乗り越えていくのが結婚の課題であり、自立の課題。
つまり二人して共通の課題である「自立」への意欲が欠けている裏返しと言えます。
■結婚の条件 アサーティブであるために
●親から離れる
結婚は、親と同居の有無を問わず、互いの実家から離れることです。つまり経済的、精神的に独立して、自立していくものです。
親から離れるとは、夫の親は夫の親でなくなることです。妻の親は妻の親でなくなります。それぞれが自分の親から相談を受けても自分が独断で決めることはしない、できなくなります。
ふたりで相談して決めるのがルールだからです。
ですから夫の親の子は夫婦二人です。妻の親の子は夫婦二人です。
それは自分の親は二人で面倒を見るとためのあり方を言ってるのではなく、親よりも身近な存在、大切な存在はパートナーであるという意味です。
ですからパートナーより親のほうが大事な人は、結婚するべきではありません、
●添い遂げる
結婚に対する考え方は、人によって違います。その確認は決して簡単ではありません。交際中に、「永遠に愛します」と言ったにしても、それだけでは信憑性に欠けます。
私たちは結婚については親をモデルに学ぶことはできますが、父親と彼氏は別人格です。母親と彼女もそうです。さらに恋愛については、どこからどのように学ぶのでしょうか。
恋愛映画に小説、ポップスが、もっとも身近な手本になっていることも少なくありません。恋愛の延長が結婚であることは、結婚式をゴールに考えた者には自然な成り行きですが、そこには「添い遂げる」目的も理由も存在しない場合が少なくないのです。
しかし、結婚は添い遂げるものでなければなりません。
それは家庭内離婚も含めて離婚するべきでないを前提にしていて、不和のときがあっても、話しあい協力して乗り越える意志を持った者がするものなのです。と、言うように両者が明確に認識していることが結婚の条件です。
そういうと束縛されるような印象を持つかも知れませんが、そういうことではなく、自立をめざしていたなら、自然に添い遂げるのが当たり前のように思えるからです。
自立とは、どのような状況にあっても、自分を見失うことなく、率直、素直、誠実、対等で、責任を引き受ける態度だからです。励ますことは出来ても相手の価値を値引くような考え、行動に及ばないからです。
●パートナー最優先
結婚して、やがて子どもが生まれる頃、妻は育児に、夫は仕事に、パートナーへの関心が薄れることがあります。そうしたときに異性が入り込んでくると、ますます関心が薄れることもあります。
なぜ、そんなことになるのでしょうか?
どちらかが、あるいは互いに、パートナーとの間に、パートナー以外のものを入れるからです。
こども、仕事、趣味、親、友人など、いろんなものが入ってきます。入れることができます。すると二人の関係性は弱まります。
新婚の頃、二人の間に、なにかが入ってくると邪魔だと思ったことが、いまではなにかをはさんだほうがコミュニケーションしやすいというのは間違った態度です。
それがこどもであっても間違いです。一番大事なのはパートナーであること。これが結婚の条件です。
共依存と勘違いされるかも知れませんが、そうではありません。パートナー最優先では互いに自立していて両者が主体性をもって、「私」ではなく、「私たち」と意識します。
共依存には、依存と自分が一体なので相手はいなくて自分しかいませんので、私だけです。
●秘密がない
パートナーとの間で秘密があると、関係性はきしんできます。愚痴や不満も含めて、秘密のないようにすること、しなくてはならないことは持たない。それが互いが幸福になるための自立に欠かせません。
愚痴や不満を相手に伝えないのは、関係性を悪くしたくない気持ちからですが、相手の変化を待つ態度です。つまり自分は相手にコントロールされた状態になります。一方、相手はコントロールしている気持ちはありません。
すると一方だけが言いなりに、我慢している錯覚が膨らんでいきます。
その抑圧は不満となって知らない間に伝わります。今度は相手がコントロールされていると感じます。コントロールは支配ですから、しかも理由もなく支配されているように感じると不愉快です。
やがてコントロール合戦が始まり、言いたいことを伝えるにも、間にこどもをはさんだりして、代弁の形で伝えます。二人の間には、率直、素直、誠実、対等で、責任を引き受ける態度が消えます。建設的な家庭は築けなくなります。
こんなことにならないようにするには、イエス、ノーを明確に伝えること、それを否定せずに認めることです。イエス、ノーを率直、素直、誠実、対等、責任を持って伝える、受け入れるには、秘密は邪魔なのです。
●喧嘩のルール
・人前でパートナーを愚痴らない、責めない、叱らない
・大事なことは二人に最適な時間を用意して話す
・不満の原因が自分にないか確認する
・相手の意見は否定的に扱わない
・自分の意見には代替案を含めて複数持つ
それでも喧嘩になったら
・喧嘩のテーマ以外のことを持ち出さない
・お互いに尊重して、率直、素直、誠実、対等に責任を持って
・暴力は絶対にダメ、お互いの安全を守る
・終われば、誠実に修復に努める
●ねぎらい
夫婦は家族です。家族で人生を波を乗り越え渡っていく。いいときもあれば辛いときもあります。同じ目的を持った同志であり、戦友でもあります。常にねぎらう気持ち、言葉、態度を忘れることなく、世界一の味方であることを実行していきます。
■アサーション権の事例
1.自分の行動を自分で選択して実行する権利
2.他者と違う自分の価値観を大切にする権利
3.(知らない、できない、分からないなど)不完全であってもいい権利
4.論理的な説明できなくてもいい権利
5.自分の意見を主張しない権利
6.間違いや失敗をする権利とその責任を果たす権利
7.自分の考えや意見、行動を変更する権利
8.他者の困難に対して援助の選択を自分で判断する権利
9.周囲の期待に応えなくて良い権利