新たに発見されたエルヴィス・プレスリーの貴重なコンサートの映像と、以前に公開され大ヒットした『エルヴィス・オン・ステージ』の映像をミックス、大胆なリストアで全く新しい『エルヴィス・オン・ステージ」がやっと日本のファンの前に登場した。映像を見ながら「エルヴィスを悪くいう人は誰も許さない」と力むほどに興奮、感動している矢先、今度は輸入盤が先行で国内販売されていた４枚組『ELVIS LIVE IN LASVEGAS』が正式に国内盤としてリリースされた。
息を飲む美しいデザインを施されたこのセットは2001年「24th命日記念コレクション」としてエルヴィスの命日にあたる8月16日にリリースされた。
このアルバムの中味が何であれ、それだけでも嬉しくなっていまうというのは、ある意味では尋常ではない。しかしそれでいいのだ。このようにエルヴィスの芸術が大事にされることが尊い。
ともすれば使い捨てのように消えていく人や、ものや、ことが多い時代にあって、このように大切にされるというのは素敵なことだ。
もちろん大切にされるだけの功績があるからだが、そこには意識的に守っていこうとする人の気持ちが働いていることは見逃せない。出せば売れるからリリースも可能なのだが、買うという行為が単に音楽を聴きたいという行為に留まらず「火を消さない」という意志が内包されていて、それが地球規模で延々と続き循環しているのは素敵を通り越して特異でもある。
その意味でELVIS WEEK、グレイスランドの延々と続くキャンドル・サービスはマーケットで起っている状況をそのまま象徴したものと言える。
