愛なき女
Woman Without Love
大事なことは人生を愛していること。
エルヴィス・プレスリーが歌った<広い世界のチャンピオン><心の届かぬラヴレター><ボサノヴァベビー><ラスベガス万才>・・・こんな歌から、たっぷり響いて来て、いつ聴いても楽しくなった。
バラードはコロッケの横の野菜のようで興味はわかなかった。
「エルヴィス・オン・ステージ」やには少しばかり違和感があったものの感動した。
「エルヴィス・オン・ツアー」は互いに心密かに想っていた人との最後のデートをした。
<別離の歌>の文字を見るだけでその人のこと、そのことを思い出す。好きな曲だけど、そんなこともあってあまり聴かない。
「エルヴィス・ナウ」「ラヴレター・フロム・エルヴィス」が苦手だったが、「エルヴィス・カントリー」は気持よかった。
リリースされたばかりの<マイボーイ>に感動していた友人の興奮を聞かされた後、その友人の離婚の証人になった。ふたりはいまでも喧嘩しながら暮らしている。そのようにしか暮らせない二人は、おそらく墓場でも喧嘩し続けるのだろう。
いくつもの季節が過ぎて、やがて2年近く寝袋で生活したり、1年近く病床生活を送ったり、忙しくて音楽を聴く機会は減っていった。
時間差が申し訳ない気がしたが、アルバム「エルヴィス・トゥデイ(TODAY)」を時間差のなかで聴いた。
<恋のトラブル><愛なき女><嘆きのスーザン><想い出のグリーングラス><想い出の影><シェイク・ア・ハンド><アンド・アイ・ラブ・ハー・ソー><ピーシズ・オブ・マイ・ライフ><フェアリテイル>・・・どれももいい。エルヴィスの人柄がにじみ出るような味わいがのあるアルバムだ。
えらく変わった気がしたが、人生を愛する歌をたくさん歌ってくれていたエルヴィス・プレスリーは、やはりここでも人生を愛する歌を歌ってくれていた。<フェアリテイル>の伴奏だけでも幸福な気分になれる。
身も心もガタがきているそうだけど、あの日のエルヴィスの風が吹いていた。
エルヴィスに作曲する才能がなかったなんて思ったことがない。エルヴィスの関心が・・・どう歌おうか・・・に集中していただけだ。医師が自分のカラダより患者のカラダに心を奪われるのと同じことだ。
エルヴィス・プレスリーの飛行機(リサ・マリー号)
愛なき女
彼女の目がよく物語っている
彼女は必死に隠そうとしているけどね
それほど期待されず,しょっちゅう無視され
プライドを奪われた女は
いつだって泣かないように気をつける
僕が眠りにつくまでは
モれから静寂の中で
頬に涙を伝わらせながら横になる
こんな思いが浮かんできた
どういうわけか分かるんだ
はっぎりとは思い出せないけれど
愛のない男は半人前の男だ
だけど愛のない女は何者でもない
償に愛されていないって彼女は知っている
僕がどんなに努力したか神は知っているけどね
彼女の生ぎ甲斐は与えることにあったんだ
彼女が得られない唯一のものを
ある朝とても早い時間に
いきなり彼女は泣き出した
心の奥深くに隠そうとしていたけれど
その目に現れてしまったんだ
こんな思いが浮かんできた
どういうわけか分かるんだ
はっぎりとは思い出せないけれど
愛のない男は半人前の男だだけど
愛のない女は何者でもない
愛のない男は半人前の男だだけど
愛のない女は何者でもない
<愛なき女>はエルヴィスの到達点のような気がするほどに、とても好きでマイベスト5に入る。
70年代エルヴィスはカントリーにどんどん傾斜しているが、そこがいい。
自分は用がありコロラド州のデンバー空港に行くことがあるが、この空港が好きで、行くたびにワクワクする。
地平線が広がり、空が思い切り視界を占領する。クルマからはカントリー専門局のDJの言葉にのってカントリーミュージックが止まらない。
いわゆる大衆酒場では男も女もラインダンスが躍動する。平日はガラガラだが、金曜の夜はいっぱいになる。生活とはそういうことなのだ。
エルヴィスのコンサートは生活とともにあるものだと思う。
カーニバル、移動遊園地の興奮とはかなさといかがわしさに似て、とてもアメリカ的だ。
それはニューヨークのような華やかさとは明らかに異質なもので、キングコングの涙が分らないものには、エルヴィスの心は死んでも分らないだろう。
エルヴィスを聴きながらやってきた。
<愛なき女>は神様がくれた宝物のように愛しい曲だ。
ところで、エルヴィスの歌はエルヴィスに気をとられすぎるのだが、この<愛なき女>のバックコーラスは抜群にいい。
同じくあの「エルヴィス・イン.コンサート」の<今夜はひとりかい?>のコーラスには泣ける。 聴くたびにいつも気持がやさしさに向かって転がって行く。人間はとてつもなく素晴らしいことができるんだと勇気づけられる。
エルヴィスの遺したエルヴィスの心を聴いていると、自分はもっと人生を愛し、人を愛し、もっと素晴らしいことを実現しないといけないという気になる。
エルヴィスは終わらない。
自分の耳にはあの日の<広い世界のチャンピオン><心の届かぬラヴレター><ボサノヴァベビー><ラスベガス万才>が流れ、それらと一緒に<愛なき女>が響く。
WOMAN WITHOUT LOVE
Her eyes telf the story so well
She trles hard to h de
So little expected, too often neglected
A woman stripped of her pride
Always s o careful not to cry
Until I fall asleep
Then there in the silence
She lies with a tear on her cheek
The thought comes to mind
That read t somehow
Far hear it I can't quite recall
That a man without love's only half or a man
But a woman is nothing at all
She knows don't ave her
Although heaven knows i've tried
Her reason ror living to go might on giving
The cne thing lhat she's been denied
Without any warning in the wee hours
Of the morni ng she crios
Her deep inside she tries so to hide
Is beginning to show in her eyes
The thought comes to mind
That read tsametimes
Fcr hear it I can't quite recalll
That a man without love's only half of man
But a waman is nothing at all
That a man without love's only half cf a man
But a wcman iis nothing at all
ボク達の世代の多くがエルヴィス・プレスリーにあこがれ、彼のようになりたいと夢見ました。
そして、レコードを買い集め、映画館へ通った日々が昨日のことのように思います。
また、彼の残した足跡が今も尚、新しい世代の人達にまで影響を与え続けていることは凄いことだと思います。
日本でのヒット曲を中心にボクの思い出深い曲ばかりを選曲しました。
没後30年、彼の深い音楽の世界にはまってみませんか。
小倉智昭
2007年8月16日で没30年を向かえるエルヴィス・プレスリー。
今日の音楽のみならず文化に与えた影響力は今尚続いている。
毎年ヒット・チャートやRIAAの記録を更新し、グッズなどの関連商品は次々とリリースされている。
■選曲監修を音楽文化に造詣の深く、TVコメンテイターとして人気No.1の小倉智昭氏が行った。
氏は、青春時代から現在にいたるまでエルヴィスを心底愛し聴き続けてきた。
日本のヒット曲を中心に小倉氏の思い出深い曲を29曲厳選。
■今まで海外で選曲されたベストは数多あるが、その選曲が必ずしも日本の市場にとってベストであるとは言えなかった。
小倉氏の選曲により、エルヴィスを昔から知る往年の方たちにはベスト・フィットのエルヴィス・ソング集となる。
また新しく開拓されたファンたちにも一番わかりやすいエルヴィスとして長く売れ続けるベストとなるだろう。
■没後30年を記念するメイン・リリースとして海外で「THE ESSENTIAL ELVIS PRESLEY」という2枚組ベスト盤が企画されたが、日本においては日本独自企画のベスト盤をリリースすることの許諾を得た。
■BMGからのリリースの他、ワーナー・ホーム・ビデオからの未発表映像を含む大量のDVDリリースもあり。日本だけでも諸団体によるエルヴィス・イベントが例年以上に多く開催され、没後30年エルヴィス・プレスリーへの注目度もさらにアップされることが予想される。
★初回生産分のみボーナス・ディスクが付属される。
記憶に新しいリミックス・ヒット「ア・リトル・レス・カンヴァセーション」、「ラバーネッキン」
そして82年にシングル・リリースされ現在入手困難となっている「エルヴィス・メドレー」を収録!
収録曲
1.ハートブレイク・ホテル
2.アイ・ウォント・ユー、アイ・ニード・ユー、アイ・ラヴ・ユー
3.ハウンド・ドッグ
4.冷たくしないで
5.ラヴ・ミー・テンダー
6.監獄ロック
7.思い出の指環
8.イッツ・ナウ・オア・ネヴァー
9.今夜はひとりかい
10.G.I.ブルース
11.サレンダー
12.クライング・イン・ザ・チャペル
13.ブルー・ハワイ
14.好きにならずにいられない
15.夢の渚
16.サスピション
17.心の届かぬラヴ・レター
18.悲しき悪魔
19.ラスヴェガス万才
20.君は僕のもの
21.去りし君へのバラード
22.明日に架ける橋
23.この胸のときめきを
24.知りたくないの
25.アメリカの祈り
26.オールウェイズ・オン・マイ・マインド
27.マイ・ボーイ
28.マイ・ウェイ
29.ブルー・クリスマス
☆初回盤のみボーナス・ディスク付
1.ア・リトル・レス・カンヴァセーション(JXL リミックス/ラジオ・エディット)
2.ラバーネッキン(ポール・オークンフォールド・リミックス/ラジオ・エディット)
3.エルヴィス・メドレー
(監獄ロック~テディ・ベア~ハウンド・ドック~冷たくしないで~バーニング・ラヴ~サスピシャス・マインド)
*ボーナス・ディスクは小倉氏の選曲ではありません。