何でもないのに
She Thinks I Still Care
何でもないことのないエルヴィス・プレスリーの
<何でもないのに / She Thinks I Still Care>
<ムーディ・ブルー>のB面に収録されたが両A面といって過言ではない。
イントロのギターが誘うプロの真髄の世界。
エルヴィス・プレスリーにしかできない“エルヴィスのブルース”が繰りひろげられる。
体裁はカントリー。
しかし最初から最後の一滴まで、エルヴィスのブルースだ。
“いまでも俺が彼女のことを思っているなんて誤解さ、そんなことないさ”
ということを歌っている。
歌詞は否定に終始しているが、エルヴィスの歌声は違う心を映し出す。
真実は忘れられなくて苦しんでいる。
過去と未来に引き裂かれた男の苦悩を
カントリーのマッチョさを体裁にして、
未練に抗うことのできない弱さを背負って、墓場まで涙を隠す。
友達に彼女のことたずねたがらって
どこかで彼女の名前を言ったからって
今日、たまたま彼女のとこに間違い電話したからって
まだ自分に気があるなんて思ってる
昔、二入で行った所を巡ったからって
ああ、どこもかしこも思い出でいっばい
前のような明るさがなくなったからって
神様、あの娘ときたら僕がまだ
目分に気があるなんて思ってる
僕が未練を持コてるなんで下らないことで
嬉しいならいくらでも喜べぱいい
でもああ、なんておぱかさん
そんなこと、どこから思いついたんだろう
友達に彼女のことたずねたからって
どこかで彼女の名前を言ったからって
彼女に会って気が動転したからって
神様、あの娘ときたら僕がまだ
自分に気があるなんて思ってる
まだ自分に気があるなんて思ってる
あの娘ときたらまだ僕が
自分に気があるなんて思ってる
(フエード・アウト〕
この時期のエルヴィスは、体調も優れなく、
レコーディングも自宅で行うまでに情熱も低下していたといわれている。
<何でもないのに / She Thinks I Still Care>もグレイスランドで収録された。
しかしそれがデマとしか思えないほどソウルが響いてくる。
それを支えているジェームス・バートンとの信頼関係が気持ちよく聴こえる。
ありがとう、ジェームス
・・エルヴィスの傍らで、あなたが一段とすてきです。
カッコいいとはこんなこと。
もちおん。ピアノもドラムスも。
時に考えながら歌っているエルヴィスの姿が浮かんだりすることがある。
映画用の楽曲を歌うエルヴィスに、そう感じることがある。
しかし、というか、もちろん<何でもないのに / She Thinks I Still Care>では、それがない。
無情の風がやせ我慢を吹き飛ばすソウルフルなエルヴィスが浮かんでは浮かんで、とにかく歌声と、それ以上にフィーリングが渋い。
もう一度言うが、これは唯一無二、エルヴィスのブルースだ。誰とも比較できない世界。
70年代エルヴィスのシングル盤がいいですね。
<ロックンロール魂><約束の地><恋のトラブル><ムーディ・ブルー><ウェイダウン>
が大好きで、いくら聴いても飽きない。
大人のロックンロールとして、ほどよいさじ加減も天才的な計算の匂い。
キャリアの力も魅力だけど、この<何でもないのに / She Thinks I Still Care>あたりになると、心の赴くまま計算抜きの力量が「エルヴィス・プレスリーの真実」を伝えてくるようで、感動なしに、このすごさを受けとめることはできないのだ。
Oh, just because I asked a friend about
her
Just because I spoke her nclrne samewhere
Just because I rang her number
By mistake today, you know She thinks l, I stiil care
And just because I haunt the same old p!aces
Weli. the rnemory how I iingered everywhere
Just because l'm not the happy guy I used to be
Lord you know, she thinks
l stil! care
Well, if she's happy thinkin' t still need her
Then let thaf silly notion bring her cheer
Oh, how could she ever be so foelish
Tell me where did she get Lord, such an idea
Just because I asked a friend abauf her
You know, just because i spoke her name somewhere
Jusf because Lord, I saw here and went to pieces
Lord you know, she th!nks l stili care
You know, she thinks [ still care
She thinks I still care
Oh Lord, she thinks ! still care
(Fode out)
土に埋もれて男はなにを夢を見る。
ボク達の世代の多くがエルヴィス・プレスリーにあこがれ、彼のようになりたいと夢見ました。
そして、レコードを買い集め、映画館へ通った日々が昨日のことのように思います。
また、彼の残した足跡が今も尚、新しい世代の人達にまで影響を与え続けていることは凄いことだと思います。
日本でのヒット曲を中心にボクの思い出深い曲ばかりを選曲しました。
没後30年、彼の深い音楽の世界にはまってみませんか。
小倉智昭
2007年8月16日で没30年を向かえるエルヴィス・プレスリー。
今日の音楽のみならず文化に与えた影響力は今尚続いている。
毎年ヒット・チャートやRIAAの記録を更新し、グッズなどの関連商品は次々とリリースされている。
■選曲監修を音楽文化に造詣の深く、TVコメンテイターとして人気No.1の小倉智昭氏が行った。
氏は、青春時代から現在にいたるまでエルヴィスを心底愛し聴き続けてきた。
日本のヒット曲を中心に小倉氏の思い出深い曲を29曲厳選。
■今まで海外で選曲されたベストは数多あるが、その選曲が必ずしも日本の市場にとってベストであるとは言えなかった。
小倉氏の選曲により、エルヴィスを昔から知る往年の方たちにはベスト・フィットのエルヴィス・ソング集となる。
また新しく開拓されたファンたちにも一番わかりやすいエルヴィスとして長く売れ続けるベストとなるだろう。
■没後30年を記念するメイン・リリースとして海外で「THE ESSENTIAL ELVIS PRESLEY」という2枚組ベスト盤が企画されたが、日本においては日本独自企画のベスト盤をリリースすることの許諾を得た。
■BMGからのリリースの他、ワーナー・ホーム・ビデオからの未発表映像を含む大量のDVDリリースもあり。日本だけでも諸団体によるエルヴィス・イベントが例年以上に多く開催され、没後30年エルヴィス・プレスリーへの注目度もさらにアップされることが予想される。
★初回生産分のみボーナス・ディスクが付属される。
記憶に新しいリミックス・ヒット「ア・リトル・レス・カンヴァセーション」、「ラバーネッキン」
そして82年にシングル・リリースされ現在入手困難となっている「エルヴィス・メドレー」を収録!
収録曲
1.ハートブレイク・ホテル
2.アイ・ウォント・ユー、アイ・ニード・ユー、アイ・ラヴ・ユー
3.ハウンド・ドッグ
4.冷たくしないで
5.ラヴ・ミー・テンダー
6.監獄ロック
7.思い出の指環
8.イッツ・ナウ・オア・ネヴァー
9.今夜はひとりかい
10.G.I.ブルース
11.サレンダー
12.クライング・イン・ザ・チャペル
13.ブルー・ハワイ
14.好きにならずにいられない
15.夢の渚
16.サスピション
17.心の届かぬラヴ・レター
18.悲しき悪魔
19.ラスヴェガス万才
20.君は僕のもの
21.去りし君へのバラード
22.明日に架ける橋
23.この胸のときめきを
24.知りたくないの
25.アメリカの祈り
26.オールウェイズ・オン・マイ・マインド
27.マイ・ボーイ
28.マイ・ウェイ
29.ブルー・クリスマス
☆初回盤のみボーナス・ディスク付
1.ア・リトル・レス・カンヴァセーション(JXL リミックス/ラジオ・エディット)
2.ラバーネッキン(ポール・オークンフォールド・リミックス/ラジオ・エディット)
3.エルヴィス・メドレー
(監獄ロック~テディ・ベア~ハウンド・ドック~冷たくしないで~バーニング・ラヴ~サスピシャス・マインド)
*ボーナス・ディスクは小倉氏の選曲ではありません。