天の主を信ず
I BELIEVE IN THE MAN IN THF SKY
ミステリー・トレインに乗車して、
”howdy, howdy, howdy ”
ミルキー・ホワイト・ウェイを疾走。
天の川駅に着いた。
そこで聴こえてきた<天の主を信じて>
嘘のような本当の話
信じるか、信じないか・・・
エルヴィス・プレスリーの歌声を聴いてからにしてくださいね。
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街路樹を越えて、交差点の角にある地下鉄への入口に入っていきホームに立つ。
二羽の鳩だけがいるだけで人影はない。
ミステリー・トレインが入ってくる。
鳩は出口を探しながら飛んでいく。
ドアが開き、ボクは乗り込む。
列車は、汽笛をあげて走り出す。 ボクひとりだけを乗せて突っ走る。
ピンクのボディのミステリー・トレイン。
ミルキー・ホワイト・ウェイをボクの胸の高まりと同じ速度で行く。
howdy, howdy, howdy
ボクは<ミルキー・ホワイト・ウェイ>を口づさんでいる。
どれほど走っただろうか?
列車は筋かに、躊躇なく自信たっぷりに止まる。
ミステリートレインが「天の川駅」に着いたのだ。
上も左右も足下も、星に囲まれた駅のホームに降り立つと、涼しい風が吹いている。
真っ暗な空間のどこにもレールはどこにもない。
ホームの俳壇を昇ると、外に出た。
ホームからの光景とは一転して、青い空が広がっている。
星の砂浜が目の前に広がっていて、人の気配はなく水の音がざわめいている。
砂浜の向こうは海のようだけど、本当は川で、天の川が流れている。
ブルーリバーと呼ぶにふさわしい青い涙のような澄んだ川に向かって進んでいくと、小さなパン屋がある。
星のイラストを手書きのマジック書いた看板がひとつだけある。
小さな文字でWelcomeと書いてある。
そこでは、星くずで作ったパンを売っている。
店先には誰もいない。
そっと奥を覗き込むと、女性がひとり。背中を向けたまま青い川を見ている。
背中でボクの気配を感じている。
パンを注文すると、向こうをみたまま少しだけうなずき、彼女は黙々をパンをフライパンで焼きだした。
弾んでいる背中に、えくぼがあるように見えた。
女性は22才、ミニスカートのお嬢さんのような雰囲気を残しながら、少年ぽさを匂わせている。
すり減ったジーンズがよく似合っている。
少し焦げた匂いがしてきて、熱で星の小さな小さなかけらが飛び散っている。
星のかけらが飛び散るのと合わせるかのように彼女の全身も弾んでいる。
白くなったブルームーンとボクは黙って見ている。
焼き上がったのか、彼女の背中の動きが小さくなった。
パンを皿に移すと、彼女の姿は消えた。
カウンターの真下から手に持った皿が出て来て、皿は着陸地点を探すように、左右に動き、ようやくボクの前に落ち着いた。
しばらくすると、安堵したように 彼女はまた背中を向けて海を見ている。
かゆい背中をかきあいたいと思ったが、そんなことをしたら、彼女は川に飛び込みかねない。
ボクはその背中を見ながら、風に乗ってきた<天の主を信じて>を聴く。
バック・コーラス 、そして絶妙の声が絶妙のバランスで歌いだす。
いつ聴いても、何度聴いても、美しい。
飽きる・・という言葉と無縁の表現が続く。
彼女の背中と最高の歌声。
ここは天国。僕は間違いなく天国にいる。僕は自分を信じてここにいる。
I BELIEVE
IN THE MAN IN THF SKY |
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(The
steps that head to any ohurch
From a Stairway to a star
They're part of God and should be trod
More often than they are)
l belleve In the Man in the sky (the Man in the sky)
l bellieve with His help l'll get by (His help l'll get by)
My footsteps may falter
My eyes may grow dim
But He's my Gibraltar
I'rn trusting in Him
* Though a sparrow fs all I may be (is all may be)
On me He will still keep an eye
Yes, l'm Singing His praise till the end of my days
l believe in the Man in the sky
* Repeat
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そして時計のない空間で時間が過ぎていく。
精算をする。
払うのはボクの胸に流れている涙。
彼女はそれを星に変える。
その星を誰にも渡すことはない。
天の主は彼女をじっと見守っている。
ボクはまたミステリートレインに乗って帰ることにした。
「ありがとう」とひとこという。
返事はない。
彼女はオレンジの啓帯電話で話している。
声には出していないけれど話している。
ボクにはその声が聴こえる。
水のせせらぎと共に、その声は濡れている。
彼女はボクの内なる声を、その電話で聴いている。
やがて彼女の声が少し弾力をもつ。
天の川駅に戻り、ミステリートレインに乗り込む。
列車は走り出す。
しばらくして、またしばらくして、しばらくすると、
男が4.5人やってきた。
その内のひとりが、そっとボクを見ていないようで、見ている。
そして足でリズムを摂ると、仲間全員がリズムをとりだした。
男は<Baby What You Want Me To Do>を歌いだした。
仲間のひとりがボクを見てウィンクした。
ボクは彼女の声と言葉を思い出しながら、男の歌声を聴いている。
窓からグレイスランドが見えた。
星空を列車はひた走っている。
また彼女が待つ「天の川」に来るために。
実話に着想を得た物語は決して終わらない。
天の主を信ず
(アイ・ビリーヴ・イン・ザ・マン・イン・ザ・スカイ)
(教会につながる階段はみな 空の星へのきざはしです
それは神の一部ですから 今よりもっと利用されていい道なのです)
私はいと高き天にし、ます御方を信じています
その方のお助けがあれば無事にやっていけると信じています
私の足もとがおぼつかなくなろうとも
私の目がかすもうとも
その方はいつも私の堅い砦です
私はその方のお力を信じています
たとえ私の身は一羽のすずめほど小さくとも
神様がいつもこの私を見守っていて下さるのです
そうです私は最期の日まで神様を称える歌を
歌いつづけます
私は いと高き天にいます御方を信じます
没後30年企画
エルヴィス・アルティメット・ゴスペル〜アップグレード・エディション
ELVIS ULTIMATE GOSPEL
■エルヴィスのレコーディングをしてきたゴスペル・ソングの中から厳選され1CDに収録。
キング・オブ・ロックン・ロールと呼ばれた彼だが、生涯3回とったグラミー賞は全てゴスペル部門。
それだけエルヴィスのゴスペルは評価が高く愛され続けている。
■これは2004年に発売された「アルティメット・ゴスペル」をアップグレード化したUSヴァージョンにさらに2曲を追加収録した日本盤を制作。
■7月末に、本CDの解説者でもあるフェリス大学教授、前田絢子先生による、「最後のアメンカン・ヒーロー エルヴィス・プレスリー」が角川書店より出版され、エルヴィスのアメリカ文化との相互関係やゴスペルにスポットをあてた内容となっている。
1.偉大なるかな神 2.ソー・ハイ 3.アメイジング・グレイス 4.クライング・イン・ザ・チャペル 5.ユール・ネヴァー・ウォーク・アローン
6.スイング・ダウン・スイート・チャリオット 7.イン・マイ・ファーザーズ・ハウス8. ミルキー・ホワイト・ウェイ9. ヒズ・ハンド・イン・マイン
10. アイ・ビリーヴ・イン・ザ・マン・イン・ザ・スカイ11. ホエア・クッド・アイ・ゴー・バット・トゥ・ザ・ロード
12. イフ・ザ・ロード・ワズント・ウォーキング・バイ・マイ・サイド13. ラン・オン14. ヒー・タッチト・ミー15. ロック・マイ・ソウル16.
リード・ミー・ガイド・ミー17. ジェリコの戦い18. イフ・ウィ・ネヴァー・ミート・アゲイン19. ハレルヤ・ジョン20. リーチ・アウト・トゥ・ジーザス21.
フー・アム・アイ? 22. ヘルプ・ミー 23.イヴニング・プレイヤー 24.テイク・マイ・ハンド・プレシャス・ロード 24.谷間の静けさ
日本盤のみのボーナス・トラック:25.ワーキング・オン・ザ・ビルディング、
BVCM-34062 |
Price: \2,205(税込) |
US 2007/03/06 |
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エルヴィス・プレスリーの音楽
エルヴィス・プレスリーのDVD
エルヴィス・プレスリーの本