1995年に『エルヴィス・ストーリー』のプロデューサーたちが主役のオーディションをはじめたとき、マルタン・フォンテーヌは芸術監督に忘れられない印象を与え、主役を獲得しようと心に決めていた。

彼はその役を得ただけでなく、演出もショー全体の成り立ちも変えてしまった。
プロデューサーたちは、多大なエネルギーの要る主役には複数の人間を当てようと考えていた。しかし、フォンテーヌの実に印象的な『ラヴ・ミーテンダー』と『マイ・ウェイ』を聴いたあと、複数の主役という話はどこかへ消えていた。それから500回以上の公演を成し遂げた今でも、フォンテーヌはエルヴィス・プレスリーの人生と音楽を魔法のように描き出すことによって、観客を魅了し続けている。

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モントリオールに育ったフォンテーヌは、常に音楽に囲まれた人生を送ってきた。
16歳のときには、手にしたすべての楽器−−−ドラムス、パーカッション、チェロ、サクソフォンなど−−−の基礎をマスターしていた。それからバレエ、ジャズ、演技の技能を獲得することに興味が移り、地元の大学で個人レッスンを受けた。
1980年に最初のロックバンド“ザ・ウィールズ”を結成し、ビートルズやローリング・ストーンズの名曲を演奏した。1988年〜1995年までは、2番目のバンド、REDで活動し、その頃には、エルヴィス・プレスリーを含む、ロックンロールの偉人達の音楽と存在感を表現する並外れた能力を持っていることが明らかになった。
フレンチ・カナダにおいて、彼のソングライター及びパフォーマーとしての評判は高まっていくばかりである。ケベックのテレビスペシャルにも何回か出演している。
ステージ上で実物以上のペルソナを見せているのとは対照的に、フォンテーヌは作詞作曲したり、2人の子供や『エルヴィス・ストーリー』で共演しているパートナー、マリー・クロード・ラポワントと時間を過ごしたりすることを楽しんでいる。

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