それは自分らしく生きることの大切さ。 ELVISが火の玉になった瞬間 |
(苛酷な生活を強いられた幼年時代を過ごしたテュペロの家) 苛酷な少年時代 エルヴィスの少年期は一般に知られている以上に、貧困その他苦渋に満ちた生活を強いられたようです。父バーノンの投獄、アルコール中毒、失業、家庭内暴力。母グラディスの精神不安、過度なエルヴィスへの干渉とマナーの教育、双生児の兄を死産したことに苛まれる日々。母の悲惨を見るにつけ、どうせ死ぬなら兄ではなく自分が死ぬべきだったと背負い込んでしまった罪悪感。教会から支給される食事によって支えられた日々。貧しくても友達、親戚に囲まれた生まれ故郷テュペロを捨てて夜逃げ同然に引っ越したメンフィスでの屈辱。粗末な身なりを笑われた学校生活。嘲笑から離れるように無口になっていった思春期。 生まれ故郷テュペロと転地先メンフィス、その間に位置する形のナッシュビル。地理的に偉大なアーティストの才能を育む要素があったのが幸運でした。ナッシュビルはC&Wの、メンフィスはR&Bの、それぞれが聖地です。生まれ故郷のテュペロでは小さい頃から教会に出入りしていたおかげでゴスペルが体内にしみ込むことになりました。 以上の要素すべてが、良きにつけ、悪しきにつけ「20世紀のアーティスト」「キング・オブ・ロックンロール」の細胞となりました。
火の玉になった瞬間、ロック誕生の瞬間 そして1954年7月5日、エルヴィスは自分の夢に近付いていきます。
(瞬間が録音されているザ・サンセッションズ) 人にはいろんな才能が潜んでいます。周囲とバランスをとるために持てる才能を無にしている人がほとんどです。自分自身に正直であれと口々に語ります。自分でもそう思いながらも、なかなか出来ないのが事実です。他人の目や考えを基準にしてしまって自分を封じ込めてしまいます。 エルヴィスに限らず、才人たちに共通して言えることですが、身を解き放った時に、才能は火の玉のように燃えて跳んでいきます。 それにどんな悲惨もエネルギーや才能になる可能性があるということです。エルヴィスの幼い心を傷つけた様々な苦難も、細胞になっていったように。 反対に身を封じ込めた時、やはりエルヴィスに限らず、終わりを迎えると思います。 Jポップスの時の人である椎名林檎がパンクスへの思いをこめた言葉はまことに興味あるものです。 エルヴィスが教えてくれたこと。 あるがままに生きなさい。自分の力を信じなさい。 命が終わっても永遠に生き続ける「魂という領域」があるのです。 絆に応えなさい、魂は永遠。 数々の歌声を通じて、エルヴィスが教えてくれたことです。 |
(http://www.genkipolitan.com/elvis/graceland/elvisweek.html、グレイスランドの前面道路で。) |
|