ライフスキル/コミュニケーションスキル
幸福で心理的に豊かな人生を過ごす上で欠かせないライフスキルには、全部で10のスキルがあります。
・自己認識 Self-awarenessr
・共感性 Empathy
・効果的コミュニケーションスキル Effective
Comunication Skills
・対人関係スキル Interpersonal
relationship Skills
・意志決定スキル Decision
Making Skills
・問題解決スキル Problem
Solving Skills
・創造的思考 Creative
Thinking
・批判的思考(クリティカル思考) Criticai
Thinking
・感情対処 Copingwith
Emotions
・ストレス対処 Copingwith
Stress
以上10の技術のことです。
まとめると次の5つに集約されます。
1.自己認識スキル(自己認識・共感性)
2.意志決定スキル(意志決定・問題解決)
3.コミュニケーションスキル(効果的コミュニケーション
・対人関係)
4.目標設定スキル(創造的思考・批判的思考)
5.ストレスマネジメントスキル(感情対処・ストレス対処)
この5つのライフスキルも、補完関係にありますので、個別に見ると強いライフスキルがあっても、ライフスキル全体の力は、もっとも弱いライフスキルに引き下げられるという結果になります。
短所を伸ばすより長所を伸ばすことは間違いではありませんが、ライフスキルでは、弱点を克服することも大切です。
共同体で暮らす人間にとって、円滑なコミュニケーション能力は大きな課題です。
コミュニケーション・スキルを含む5つのライフスキルの内、なかでも自己認識スキルは、自分と他者を知る上で欠かせないライフスキルで、コミュニケーションのあり方に強く影響します。
特に心理的に身近な人との関係でこじれます。つまり「境界」の認識と理解が不足していること、「依存」のあり方に問題のある点が気になります。
それでは、コミュニケーション・スキルについて、次のことをお話していきます。
・コミュニケーションの土台
・因果関係を念頭に置く
・信頼感のある人とない人の違い。
・私を主語にする
・ 信頼関係を作れる人を数多く持つようにする
・ 大局を観る
・コミュニケーション・スキルを身につける方法
・コミュニケーションをこじらせる要因
・コミュニケーションを深める要因
・傾聴のトレーニング
・自己認識スキルとコミュニケーション・スキル
■コミュニケーションの土台
「親しいことは人権を軽く扱うことではない」・・・・これがコミュニケーションの基本です。
その土台は、自分を信頼することです。
コミュニケーションの土台は、「信頼」です。
信頼は「なれる最高の自分になろう」と目的を持って向かっているプロセス・・・つまり「自立」しょうとしている態度のなかから獲得できる力です。
自分を信頼できない人ほど、親しい人の人権を軽く扱います。
親しいほど、境界を無断で越えて、相手の領域を侵犯してしまうことがあります。
その理由は自己認識スキルで話した「境界」の認識の欠如がありますが、越境したくなる心理も見逃せません。
つまり「依存」です。
依存は、「なれる最高の自分になれない」決めつけから生じた不安と、自分への怒りから生じた行動パターンです。
コミュニケーションした結果、なんとなく楽しくない、気が重くなることはありませんか?あるいは相手の行動にいやな気分になった。腹が立ったことはありませんか?
こんな場合、実は相手がかかえている気持ちを自分が味わっていることが多いものです。相手が持てないほど重い感情を、知らない間に押し付けられて、相手に代わって持たされているのです。これが依存された状態です。
「依存」は「自立」の対極にあり、「自立」を妨げるものです。
依存は、自分より強い相手に対して起こるものでもなく、自分より立場の弱い者、たとえば「幼児」に対しても起こります。またモノ、こと、動物、何に対しても起こります。「アルコール依存症」はもっとも認知された依存でしょう。人間関係では恋愛の姿を借りた依存も多いパターンです・
親しいほど、越境が起こるのは、傷つく可能性が極めて低いからで、安心感があるからです。アルコールは身体を蝕むことはありますが、「お前はダメな奴だ」と言うことはありません。生命の危機に影響することであっても、依存には安心感が必要なのです。
しかし、私たちが本当に望んでいるのは、幸福の代替品ではなく、幸福そのものです。どのように依存しても、気持ちのいいコミュニケーションを求めていることから目を逸らすわけにはいきません。
気持ちのいいコミュニケーションの基本は、自分と相手を大切に扱うことです。
互いの人権を尊重することが基本中の基本です。そのためにまず自分への信頼感を高めていくのが早道です。急がば回れなのです。
■因果関係を念頭に置く
私たちが暮らす社会は、たくさんの人が暮らしています。
たとえば10人の人がいたら、そこには100のコミュニケーションが生じます。100の因果関係があることを意味します。
「あの人、今日は機嫌が悪いね」というとき、機嫌が悪い背景には100の因果関係があるのです。
私たちは、仕事やプライベートで計画します。
計画とは、因果関係を計算して予測を立て事前に手を打つことです。どれだけ因果関係を発見して計算できるか、計算したことを事前に手を打てるかで、マネジメント力は変わります。
自分を認識するには、自分の考え、意見、感情が、どのような因果関係を背景にしてそこにあるのか、計画するときと同じように分析できるので、自分のことが客観的に分かるようになってきます。
ここから自分が考えている自分と、なぜ自分が想像と違っているのか、そのズレが発見できます。
本当の自分を社会にデビューさせるには、どうしたらいいのか。
5つのライフスキルを使って実現する時と場所、それがコミュニケーションなのです。
■信頼感のある人とない人の違い。
自分を信頼していない人は、コミュニケーションするとき、相手が自分をどう思っているかに注目します。そのため相手の考えや意見に集中できません。
逆に自分を信頼している人は、相手の考えや意見に集中し、相手がどんな人か、できるだけ深く相手を知ろうします。
これは悩みを持っているこどもが、授業に集中できない状態にそっくりです。先生の話を聞いていない子は、家に帰っても勉強よりも不安に関心を持っているので、成績が悪く、他者との比較で自信をなくします。
相手が自分をどう思っているかに注目していると、これと同じことが起こってしまうのです。ますます自信を失くします。より一層、相手が自分をどう見ているかに注目するようになります。
自分の不足を指摘されると、批判されていると思い込み、拒絶的な態度を強めてしまいます。
このように自分がどう評価されるかが気になると、温かみのある深いコミュニケーションは不可能になります。なにかにつけ競争的になります。と、言っても本当の競争ではなく、相手のあら探しに終始します。
相手が事情を察して、援助の手を伸ばしても虚勢を張り拒否しますので、相手は寂しくなり徐々に遠のくしかなくなります。孤立感というもっともインパクトのある不安が心の底に張り付きます。
孤立感を避けようと、自分が優位に立てる相手を選んで親密な関係を作ろうとしますが、自分の発展がなく、物足りなさを感じます。
そこで周囲を見下すような態度や言葉を使うようになりますが、そんなことでうまくいくはずがありません。
状況を打破するには、相手との違いを隠して相手に合わせる、あるいは支配しようとする・・・・率直、誠実さに欠けるコミュニケーションをやめることが先決です。
率直、誠実、対等、自己責任を柱にしたアサーティブなコミュニケーションを目標にして実践を心がけるようになれば幅広い人間関係、深いコミュニケーションができるようになります。
■私を主語にする
率直、誠実、対等、自己責任を柱にしたアサーティブで快適なコミュニケーションをめざすには、英語のように「私」を主語にしましょう。
実際に使ってみると分かりますが、自分の使う言葉に対する責任感が変わります。
「私はこう感じる」「私はこう考えている」と、主体性が自分にあることがはっきりします。
これが「あなたが言った」「あなたの考えだ」というように主語を自分以外にすると、責任感が薄れ、主体性は自分から遠のきます。
責任を引き受けたくない人にはうってつけですが、自分の人生でありながら、傍観者のように感じます。それが狙いということであれば成功ですが、その成功は自己信頼感、自己効力感の点で決定的な失敗になります。
自分への信頼感を高めるには、ぜひ「私」を主語にした会話をしたいものです。
■信頼関係を作れる人を数多く持つようにする
コミュニケーション・スキルのある人は、信頼関係を作れる人を多く持っています。
意図的でなくても、自然にそうなります。
なぜなら、コミュニケーションを深めるには、意見の衝突があっても、避けずにコミュニケーションを続けることが必要だからです。
その繰り返しが、コミュニケーション・スキルを育んでいきます。
信頼関係を作っている人を多く持たない人は、些細なことを深刻にしてしまうので、他者との関係のひとつひとつが重くなります。
軽い問題を重い問題のごとく取り扱っていると、意見にわだかまりが生じやすくなります。単なる意見が意見で終わらなくなり、感情的な問題になるのを恐れて、意見の衝突を嫌うようになります。それ以上意見の交換をしようとしなくなるので、コミュニケーションは断絶します。
なにもないところに自分が波風を立てるのです。
その背景には「完全主義」があり、さらにその背景には「生きる構え」が潜んでいます。人間は完全な生き物ではありません。ちょっとしたミスや誤解はつきものです。それをひとつひとつ深刻にしていたらキリがありません。
「テキトーでいいでしょう」ということではありません。大局から判断する力が大事なのです。
大局を観るとは、より高い視点から、より広くワイドに、より長期的な展望で、注意深く本質を見て目の前の問題に対処します。
また話すときも大局的な観点から話します。
重要なことに先に触れて、細部を説明すると、聞く人は隅を突かれているような気にならないものです。優先順位を心得ていることがポイントです。
■大局を観る
大局を観ることを習慣化している人は、自分の個人的な考えは考えとして、一般的な考え方、他者の考えは考えとして認知するので、考えを総合的にまとめることができます。
大局を観ない人は、自分の考えが絶対的であるとおもいがちであるため、細部中心、現象面への対応が中心になるため一貫性を欠き、実は合理的でないことを合理的と判断する間違いをします。
何事もテキトーというのは不誠実ですが、誠実であってもミスや誤解は起こります。普通の会話ですむことでも、言葉だけで済ませずに「感情的な行動」に発展させてしまう背景には生きる構えがあるのです。それが私の信念だと言えば聞こえがいいのですが、些細なことでも、感情的になる経験を繰り返してしまうと、自分にも他者にもいい影響があるはずがありません。
自分自身、意見が衝突した場合に感情が抑えきれそうにない不安があるので、優位に立てない場合には、言葉を抑圧してしまうようになります。逆に相手を責めると相手は反発したくなるので、互いに感情的になります。これがストレスになり、悪循環が起こります。悪循環こそ生きる構えが実行されていることを意味します。つまり人生脚本を着実に演じているのです。
自分が優位に立つ場合には自己肯定感が高まり、相手を責めるというのは、実は自己否定感の裏返しでしかない場合が多いのです。日頃の抑圧から生じた恨み、憎しみ、嫉妬を解放しただけに過ぎないのです。
抑圧の解放が問題解決になるのなら、それも価値がありますが、代替作業なので実際には反対で自己満足にもならない虚しさと依存心を強める効果になります。
それと引き換えに信頼関係を作る能力を弱めて、コミュニケーション・スキルが身につかないようにするのは実にもったいない話です。
大局を観る力を身につけるには、因果関係を考慮する習慣を持ち、私的な価値観、論理を手放すことです。
私的な価値観、論理を相手に押し付けようとする限り大局を観る力は身につきません。
意見の相違から、可能な限り統合へ発展させていくのがコミュニケーションの王道です。
■コミュニケーション・スキルを身につける方法
コミュニケーションは、ひとりでできません。相手が必要ですので、いくら自分が努力しても相手が努力してくれないとうまくいきません、
ですから「境界」を意識して、自分は自分、相手は相手として、自分ができる努力を最大限するしかありません。
つまり、言葉の衝突を恐れずにコミュニケーションをする。自分がそうしても、相手によっては、言葉の衝突を恐れてコミュニケーションを切断する人もいます。
その場合は相手の問題として、人格を否定せずに受容します。関係は深まらないでしょうが、自分が感情的にならないことは、自分のコミュニケーション・スキルを育む上でマイナスになりません。
コミュニケーション・スキルは、実際のコミュニケーションを通して身につけるしかありません。留意したいのは、率直で誠実なコミュニケーションの実行です。■コミュニケーション、3つの要素
コミュニケーションは、次の3つの要素で行っています。
・言葉
・声の調子
・態度・表情・行動など言葉以外の要素
これら3つの要素が統一されていて、相手は「本当」だと信用します。3つの要素がバラバラなら、本心が分からなくなります。
男女の関係、会社の上下関係では、自分のガードが目的で、バラバラになることが、よくあります。しかし一生使えるコミュニケーション・スキルを磨くには、バラバラにしないのが基本。何を言わんとしているのか、相手に考えさせるのは禁物です。
誤解されないコミュニケーションをモットーにしましょう。
■コミュニケーションをこじらせる要因
皆さんもご存知のように、なんでも本当のことを言えばいいのかというと、そうではありません。誰もが自分は価値ある存在と思いたいものです。コミュニケーションの土台に必要なのは「励まし」の心です。
励ましとは「頑張れよ」と言葉にすることだけではありません。「なれる最高の自分」になれるように応援することです。
相手のためと思ってしたことでも、応援でないコミュニケーションはいくつもありますので注意しましょう。
・レッテルを貼る
・思い込み
・批判する
・命令する
・不安にさせる
・アドバイスする
・回避する
・理屈を言う
1)レッテルを貼る
1)
人はいろんな面を持っています。時と場所で違う面を見せるものです。
こどもを人生初期にくじくのは、親がこどものことを十分に知りもしないままに、決めつけて勝手に貼るレッテルです。
親が知っているのは一面でしかありませんが、こどもは無力なので、その呪縛から逃げることができず、自分でも思い込まされてしまいます。能力を自在に伸ばす力を剥奪されてしまうようなものです。
レッテルの呪縛を受けた子は大人になっても、他者を決めつけレッテルを貼ります。
レッテルは、いい意味で貼っても、能力の制限になるので、迷惑な場合が多いのです。レッテルを貼る、決めつけるのは、人と人の間にある境界を越境する人権無視の行為です。
2)思い込み
「それはノイローゼさ」「それは親の育て方が原因だ。」というように、自分が判断して相手に告げる。たいていは相手のことを心配してですが「相手にしたらよく分かりもしないのに、勝手な思い込みだ」と怒りを我慢することがあります。これでは励ましになりません。
「ほめる」と「励まし」は似ているようで違います。「ほめる」のは簡単です。結果に対して上から目線で「よく頑張った」という調子です。
上から目線でほめるとは、主体性がほめる側にあり、相手の自立を支援するものではないのです。反対にほめられる側がほめる人に従属していることを強調する効果が働いてしまいます。
しかし励ましの場合は、主体性が相手にあります。
プロセスを見ていて、具体的に言えないと励ましにならない点が特徴的です。
「それはノイローゼさ」「それは親の育て方が原因だ。」というのは、ほめる立場とスタンスが同じです。励ましと同じようにプロセスに注目することが「想い」なのです。
たとえば具体的にプロセスを認識して「早く寝るようにしたほうがいいよ」と具体的に言うと、気遣いが伝わります。自分の力量を誇示するのではなく、相手を思う気持ちが勇気づけになります。
3)批判する
批判も無意識にすることが多い行動パターンです。無実の人を裁いている裁判官のようにならないようにしたいものです。悪気はなくても癖のように批判することの多い人は、癖で済まない意識を強くしましょう。
4)指図する
命令の必要性は関係性によりますが、命令と指図は似ていてまるで違います。
命令も上から目線ですので注意が必要ですが、指図はもっとひどいものです。
命令は、なぜするのか、どのようにするか、いくつもの条件を詳細に伝えるものですが、指図には、それがありません。言ったことだけ言ったようにしたらいいというのではロボットです。
育成の配慮もなく人間性尊重の点で、欠けているものが余りに多すぎます。
5)不安にさせる
価値観が違う場合、お互いの価値観を言葉で伝え合う作業が必要です。不安にさせるはその手間を省いて、自分の価値観に従わせようとする場合に使われます。不安してコントロールしても、そこには主体性がありません。主体性を必要としないコミュニケーションは相手の価値を値引きすることなので、必ず不快感が残ります。
6)アドバイスする
アドバイスをする本人は、善意だと思ってのこと。それがどうして問題のあるコミュニケーションになるのでしょうか?
それは「タイミング」なのです。アドバイスはしていいタイミングと、してはいけないタイミングがあります。本人が懸命に頑張っているときにアドバイスすると、それが善意であっても相手を見下しているように映ることがあります。
懸命に頑張って努力しても、結果が出なくて苦しんでいる時にするアドバイスはアドバイスの効果を発揮します。その見極めができるようになるには、日頃からプロセスに関心を持っていることが欠かせません。
7)回避する
相手の心配事や不安に対して、「大丈夫」だよとか、根拠もなく安心させるような言葉を使い、重要度、緊急性を過度に軽減したり、話を逸らしたり、真摯に取りあわない。相手の苦痛をたいしたことがないと言うに等しいのは、不誠実な印象を与えます。励ます大切さを忘れないようにしたいものです。
8)理屈を言う
コミュニケーションは話の内容が正しければいいというものではありません、相手は自分の感情を理解してほしいのに、感情を受け止めず、理屈を並べるのはコミュニケーションの断絶です。これは大局を観る力が不足していると起こしやすい間違いです。
相手の心情を受けとめることが大切なときには、まず共感してあげることが先決です。気持ちが落ち着いてから問題の核心を検討すれば、励ましになります。(「共感」については下記に説明)
■コミュニケーションを深める要因
こじらせる要因とは逆に相手を励まし、コミュニケーションを深める要因がいくつかあります。
・尊重する
・オープン
・共感
・傾聴する
1)尊重する
人は誰でも自分が価値ある存在と思いたい。そのために生きているようなものだと言っても過言ではありません。だから自分がどう扱われているか、どう思われているかについて強い関心を持っているのが普通です。自己信頼感の強い人でも同じです。
2)アサーティブな態度
人は重要な話、大切なことほど、話しにくくなる傾向があります。自分のこと、相手のことを自分の内側で考えてしまうからです。相手のことを思いやる気持ちは大切ですが、それが高じて率直・素直・誠実・自己責任を忘れてしまうと、思いやりでなくなり、自己保身になります。
事実、自己保身でしかないのに、「相手のことを心配して・・・・」という人がいます。自分を隠さず、自分の責任を自分で引き受けるオープンな態度は信頼の源です、
3)共感
共感は、単に同調することではありません。相手の感情に同調して頷くだけでは無責任です。責任をもって気持ちを受け止めてあげる時に、共感する心情は相手に伝わります。
共感とは、「共感しているよ」と共感する側が言うものではなく「共感してくれている」と相手が感じて成立するものです。主体性は共感される側にあるのです。
相手が本気で自分のことを考えてくれていると感じてこそ共感なのです。
4)傾聴する
「人間関係」はもっとも多い悩みですが、「人間関係」をよくする秘訣は「傾聴」です。
傾聴とは、相手を知ろうとする態度です。ライフスキルの柱になる大事なスキルです。積極的な傾聴は、相手を理解しようとする態度で、次のような目的があります。
・相手の話している内容を知り、意味を理解する
・内容を知り、意味を理解するために、言葉の背景にあることを知り、理解する
・言葉の背景にあることを知り、理解するために、そのひとを理解する
・そのひとを理解するために、どんなことを大切にしているのかを知る
・そのひとを理解するために、どんな生き方をしてきたのかを知る
・そのひとを理解するために、どんな生き方をしたいのかを知る
自分に強い関心を持ってもらえるのは、親の愛に通じるものがあります。
傾聴は「励まし」の最初の一歩なのです。
傾聴のポイントは、次の4点です。
1) 自分が話したい誘惑に負けない
2) 相手を話し上手にさせる
3) 表情、態度、動作も表現の一部として観察をする
4) 相手との違いを受け入れる
「傾聴」のトレーニングは、自分の言葉を聴くことです。
自分の言葉を聴くとは、自分の考え、意識、感情を知ることです。
いまではTwitterが人気ですが、自分のつぶやきをすくいあげることは、自分を知る訓練になります。
音にならないつぶやきの声を受け止めて返事をすることで、自分の考え、意識、感情を知る訓練になります。訓練を重ねると傾聴のスキルも磨かれます。傾聴のスキルは自己認識スキルに通じています。
自己認識が深まるほど他者への認識も深まります。自分と他者の違いを知り受容できた上で、励ましの気持ちを育むと、コミュニケーション力は飛躍的に進化します。その始まりが「傾聴」であり、傾聴は「人間関係の決定打」です。
*冒頭にあげた「信頼感のある人とない人の違い。」を参照してください。傾聴できない理由を説明しています。
■自己認識スキルとコミュニケーション・スキル
自己認識スキルとコミュニケーション・スキルは密接に結びついています。ライフスキルの中で、もっとも自己信頼力が反映されたスキルです。この2つのライフスキルの不具合を知らせるのがストレスであると言えるかも知れません、
2つのライフスキルを育むと、ストレスマネジメント・スキルが改善されるので、感情に振り回されることは少なくなります。
逆にストレスマネジメント・スキルを注意深く改善しないと、コミュニケーション・スキルも育まれません。この点から自分と他者への関心の薄さがストレスの原因になっているかを知ることにもなります。
この感情のトライアングルをマネジメントできれば、考えても仕方のないことを考える時間が減る分、自分のスキルを有効に使いやすくなります。行動力が増すのでライフスキル全般のアップが可能になります。
■ライフスキルと因果関係
■ライフスキル イベント開催のご案内
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