ライフスキル学習の本来の目的は、個人の人権を擁護し、健康問題と社会問題を積極的に予防することによって幸福な生活を営む点にあります。(WHO、1998)
ライフスキルとは、簡単にまとめると人とうまく付き合い、日常生活における苛立ちやストレス等に対処できるスキルです。
「ライフスキル」は、ストレスに対して「ストレスちゃんこんにちは。また来たの、久しぶりだね」の感覚で上手につきあうことができる力と考えると分りやすいと思います。
WHO が1993年に定めた「ライフスキル」の定義では、個人が日常生活の欲求や難しい問題に対して効果的に対処できるように、適応的、前向きに行動するために必要な能力としています。
つまり人が日常暮らしていくと、「なにを、どうするのか」という課題が頻繁にふりかかってきます。
その都度、自分と対人、社会、環境と調和することが必要になりますが、どうしていいのか分らないとなると、ストレスが生じるものです。
「なにを、どうするのか」を、迅速に考えることができて、適切な判断ができればストレスも最小限度にするおとができるでしょうが、神様ではない凡人には現実には不可能です。
「なにを、どうするのか」以前に、苛立ちやストレスにつきあえる力があれば、落ち着いてベストは判断も可能になります。
ストレスにつきあう力は、個人本人の身体的健康、精神的健康、社会的健康が重要な役割を果たします、WHO(世界保健機構)では、1993年にライフスキルとして以下の10のスキルを掲げています。
自己認識 共感性
効果的コミュニケーションスキル
対人関係スキル
意志決定スキル
問題解決スキル
創造的思考 批判的思考 感情対処スキル ストレス対処スキル
以上10の技術のことです。
いずれも 心理・社会的変化に対する適応能力を高めるのに非常に重要なスキルです。
スキルを身につけるには、心身の発達段階に適合したふさわしい方法で、人格的・社会的発達を促すことが必要で、幼児から成年した後も続けていくことで、心理社会的スキルを育み、強化することで可能になります。
家庭教育、学校教育はもともとそのスキル獲得の一旦を担っているものですが、現実は時に適切でないことも発生しています。
ライフスキル教育は現実を総合的に見直し、幸福な生活を営むスキル獲得をより容易にするためのツールと考えることができます。
ゲンキポリタンでは、教育的アプローチであるライフスキル教育を念頭に置きながらも、教育ではなく、現実に多忙な成人を対象にスキルを補足するアプローチとしていくつかの選択肢をご用意しています。
しかし、そのいずれも治療的アプローチではありません。
なぜならライフスキルは、もともと個人のパーソナリティを変えるためのものではなく、パーソナリティや行動にプラスして使うものだからです。
より自分らしくあるためのスキルであって、本来その個人が求めているスキル、潜在しているスキルをより効果的に引き出すものです。
具体的に言うと、ライフスキルとは、個々人持っている知識、態度、価値観を、実際に行動化するために必要な能力であって、「何をするか、どのようにするか」という場面で、健全な方法で行動することができるように使うスキルなのです。
たとえばあなたがどこかに行きたいと思います。
そのときに歩くもよし、車を使うもよしです。
ライフスキルは、このとき車の役割に相当します。
車を運転するのはあなた自身です。
これからもお分かりだと思いますが、パーソナリティを変えるためのものではありません。
より安全で快適に移動を実現するために車を使うように、ライフスキルを使っていただくといいわけです。
これが昔なら混雑も少なく少々機能が低い車でも問題なく使えたものですが、高度で、複雑、多様化する現在にふさわしい車を使えるようにしましょうという提案です。
ゲンキポリタンが展開するサービスは、あなたの前にピカピカの車を差し出すことと、その運転方法をお伝えすることだと思ってください。
それによって、混雑した複雑な社会や環境を快適に走行して、目的地に到達するお役に立てると考えています。
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ライフスキル
WHOが定義したライフスキルは以下の10のスキルです。
これら10のライフスキルは互いに関連するので、以下の5つに集約できます。
1.自己認識スキル(自己認識・共感性)
2.意志決定スキル(意志決定・問題解決)
3.コミュニケーションスキル(効果的コミュニケーション
・対人関係)
4.目標設定スキル(創造的思考・批判的思考)
5.ストレスマネジメントスキル(感情対処・ストレス対処)
自己認識スキルは、自分への気づき、つまり自分自身の性格、長所、短所、願望、嫌なことを自分自身が認識できるライフスキルのことです。
自分自身の性格、長所、短所、願望、嫌なことを知ることで、なにが変わると思いますか?
どんなメリットがあると想像しますか?
自己認識ができると、マイナスの印象、想像、つまりネガティブな発想をしないで、逆にイメージをプラスにとらえることができるようになります。
気づかない人が案外多いのですが、実は、どんなことでも、人は自分で選択しているのです。
だから、同じことを見てもマイナスのイメージしか浮かばない人と、反対にプラスのイメージを考えることができる人がいます。
自己認識スキル を身につけると
・ 自分の長所を認識することができ、自信が持てるようになります。
・ 自分の短所を認識して、否定して終わりではなく、自分の能力に対して現実的な期待することができるようになります。
これによって、空想や妄想ではなく、自分の短所を具体的に知って、どうすれば改善できるのかと具体的に対策を検討、実行できるようになるので、現実的な自己イメージに基づいて、自分の能力いっぱいの範囲のことはやったらできるとの意識のもとに意志決定をすることができるようになります。
「自分探し」とかよく言いますが、自己認識、つまり自分はまわりの人が存在するからこそ認識できます。
自分が理解できるには、まわりの人の力が必要なわけで、お互い様という発想が自然に芽生える者です。
自分を知るほどまわりの人が解る。まわりの人を知るほど自分が解るようになります。
●私は私のままでいい……
自分の長所を認識することができ、自信が持てるようになります。
いいふりをしたり、相手のために無理をすることなく、そのままの自分でつきあえる。お互いの弱さを受け入れることができます。
●自分のことは自分でできる……
相手に引きずられるのではなく、どうしたいのか自分で決める。 決めたことがうまくいかなくても相手のせいにしない。自分のことは自分でできるようになります。
●一緒に楽しめる……
ともに過ごす時間を持ち、その機会をお互いに大切にできる。
●価値観を明確にして、別々でも楽しめる……
お互いの価値観を率直に認めることができて、別の友人と過ごしたり、一人で楽しむこともできる。相手の自由を束縛しない。
●権利や責任を認識した上で話し合える……
関係に問題が起きたり誤解が生じたときは、率直に話し合える。
●応援する……
相手がつらいときはそばにいてあげたり、話を聴いてあげる。
●成長を認め合う……
自分の短所を認識して、否定して終わりではなく、自分の能力に対して現実的な期待することができるようになります。
同じくまわりの人の成長を心から応援し、喜ぶことができる。お互いに新しいことに興味をもったり、考え方が変化していくことを認める。
自己認識スキルは共感性のスキルと補完し合っています。
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共感性は 自己認識と補完し合うライフスキルですが、この共感性というライフスキルによって、まわりの人の意見、感情、立場、気持ちを「そのとおりだ」と肯定的に受け止めることができるようになります。
その おかげで内面から理解することができるようになります。
さらに、 表面的なつきあいを優先するために受け入れるようなことをしなくなります。
共感性スキルは自分を認識し、自分の短所を受け入れることができることから、「人はそれぞれ」と本心から思えるようになります。
まわりの人の短所や長所が見えても当然だと思えるようになり、自分と違うまわりの人の価値観、性格、願望、嫌なことにも共感ができるようになります。
しかし生半可な理解は過ちのもとです。
共感性の理解にはいささか注意が必要です。
日本には昔から「情けは人のためならず」ということわざがあります。
同じく、共感は同情や同感と異なるスキルで、相手に巻き込まれないスキルである点に注目しましょう。
真の共感性(Empathy)を身につけると、以下のようなメリットが獲得できます。
・他人をケアする
・いろいろな人々に対して寛大になる
・攻撃的な対人行動がなくなる
・自然に友達をつくろうとし、いままでよりも好かれるようになる
・環境を大切にする
共感性は自己認識なしには芽生えることがなく、自己認識と補完しあっています。
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効果的コミュニケーションスキル
(Effective Comunication Skills) |
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効果的コミュニケーションスキルとは、人にコントロールされたり、しないライフスキルのことです。
効果的なコミュニケーションを行うには、受ける側の人はメッセージの送ってくる側の人に十分な注意を払う必要があります。
・効果的で適切な言語的・非言語的コミュニケーションができるようになります
・積極的自己表現(アサーティブネス)・交渉(ネゴシエーション)が可能になります。
・断ることができるようになります。
・内気さを克服できます。
・人の話をよく聞くようになります。
管理職にある方で、人が使えない、つまり指示できない、フォローできない、目的が達成できない方は、特に意識して身につけるようにしましょう。
内気だからといって、主張がないわけではありません。
内気な人に多い主張の仕方で多いのが、統一されていない言語・非言語のコミュニケーションを行うことです。
つまり言葉では怒っていないけれど、態度は怒っているとうようなコミュニケーションの仕方です。
言葉にするには抵抗があるので、態度で伝えようとします。
しかし相手に要求がましくなってまうので、まわりの人を混乱させ、傷つけます。
しかし依然として 自分には被害者意識しかないので、加害者意識はありません。
結局、 まわりの人は不満を持ちますので、効果的でないばかりかコミュニケーションは断絶します。
コミュニケーション・スキル
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対人関係スキル
Interpersonal Reiationship Skills |
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好ましいやり方で、人と人との良好な関係を作ったり、維持したりする人間関係の構築と維持を効果的にするライフスキルのことです。
また社会生活を営む上で、支援してもらえる最強の味方となる家族との良い関係を作り、維持するスキルであり、
より建設的な形での別れを可能にするスキルになります。
対人関係スキルがを身につくと、主に以下のことに役立ちます。
・協力しあう
・信頼して共同作業をする
・適切な対人行動のための限界を知る
・友達をつくる
・対人関係をつくったり終了したりできる
・家族と建設的な関係を作れる
尚、対人関係スキルは、効果的コミュニケーションスキルと補完し合うスキルです。
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意志決定スキル
Decision Making Skills |
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意志決定スキルは、自分のことは自分で決めるライフスキルのことです。
個人がある問題に対して、期待したり、される効果を最大限に実現するために、いくつかの選択肢の中から最良と考えられる1つをを判断して、選択するスキルが意志決定スキルです。
意志決定スキルは以下のことに役立ちます。
・健康に対する選択と決定がもたらす結果の予測
・選択肢と選択権に影響する要因を認識し、それに基づいて積極的に意志決定する
・状況を正確に予測して意志決定する
・現実的な目標を設定する・計画を立て、自分の行動に責任をとる
・新しい状況に適応するためにあらたな選択、判断をして、意志決定をする場合
意志決定スキルは、問題解決スキルと補完しあっています。
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問題解決スキル
Problem Solving Skills |
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私たちは日々さまざまな重要な問題に直面しますが、多様な問題に適切に対処するライフスキルが、問題解決スキルです。
適切というのは、なんとなくうまく処理するということではなく建設的に対処することです。
重要な問題を未解決のまま、放置しておくと精神的ストレスが増えるばかりですが、ついには身体的ストレスにも発展します。
しかし、問題解決スキルがあれば建設的に処理できるようになります。
問題の解決とは、期待する結果を実現するために、いくつかの選択肢からもっとも最適なひとつを選ぶ判断をすることです。
問題解決スキルを身につけていると、問題やその原因を見極め、何が起こったのかを正確に予測、推測、判断できるようになります。
さらに問題が広がることを防止し、バランスよく判断、対策を打てるようになります。
その力のおかげで精神的にも身体的にもストレスを軽減し、意欲を引き出す源泉になります。
問題解決スキルを身につけると、以下のようなメリットが得られます。
・問題やその原因を見極め、何が起こったか正確に測、推測、判断できる
・助けを求める
・和解(衝突を解決するために)
・問題が生じたときにまわりの人が助けを得られる場を考えられるようになる
・地域の問題に対する集団的な解決法を考える
問題解決スキルは、意志決定スキルと補完しあっていて、2つのスキルを統合して意志決定スキルとしています。
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創造的思考スキルは、問題解決したりするときにどのような選択肢があるか、いろいろな影響因子を見つけだすことができるスキルです。
また、経験しないことについても考えたりできるスキルが創造的思考スキルです。
創造的思考スキル によって、行動あるいは行動しないことがもたらす結果を考えることを可能にして、意思決定と問題解決をサポートに影響力を発揮します。
また問題がない場合や意志決定をする必要がない場合でも。豊かな発想ができるようになります。
創造的思考スキルを身につけていると毎日が柔軟に適応できるようになります。
創造的思考によって、以下のようなメリットを獲得します。
・ポジティブ思考
・主体的学習(新しい知識を求める)
・自己表現
・選択肢を見分ける(意志決定のために)
・問題に対する新しい解決法を見分ける
創造的思考は、批判的思考(クリティカル思考)と補完し合っています。
2つのライフスキルを当合して、目標設定スキルとしています、
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批判的思考(クリティカル思考) CriticaiThinking |
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批判的思考(クリティカル思考)とは、目まぐるしくどんどん入ってくる情報や自他ともの経験を客観的な方法で分析するライフスキルです。
現代人の生活にはますます欠かせないスキルになっているといえます。
価値観、同僚からのプレッシャー、それにメディアなど、人々の態度や行動に影響する要因を認識し・評価するのに役に立ち、心身の健康に建設的に影響を発揮します。
以下のことに役立ちます。
・態度や価値観行動に及ぼす社会的文化的影響に気づく(仲間のプレッシャーやメディアの影響も含む)
・不平等さや不公平さ、偏見を認識する
・大人が常に正しいわけではないことを認識する
・責任ある市民の役割を認識する
最近の相次ぐ企業犯罪ともいえる不祥事などからも解るように、批判的思考スキルの重要性は高まっています。
批判的思考(クリティカル思考)は、創造的思考スキルと補完しあう関係にあります。
2つのスキルを当合して、目標設定スキルとしています、
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感情対処スキル
CopingwithEmotions |
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感情対処スキルとは、自分やまわりの人の不安や喜怒哀楽の感情を認識し、適切にコントロールできるライフスキルです。
怒りや悲しみなどの感情に適切に対処せずに、自分を委ねてしまうと、タバコ、酒、薬物乱用のような逃避的行動への依存を高め、さらには慢性疾患の危険度を高めます。
心身を危険な状態に追いやる可能性が高くなりますが、感情対処スキルがあれば自分やまわりの人を危険から守ることが可能になり、以下のことにメリットを発揮します。
・自分自身や他人の情動に気づくことで、良好なコミュニケーションを建設、維持できる。
・情動と感じ方、考え方それらと適切な行動の仕方とをつなぐことができる
・フラストレーションや怒り、退屈さ、悲しみ、恐怖、不安に適切に対処する
・まわりの人への強い情動に対処する
感情対処スキルはストレス対処スキルと補完しあっています。
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「ストレスさん、こんにちは」のイメージ がぴったりのストレス対処スキルです。
もう怖がらない。ともだち扱いしてしまう。ストレスが何たるものかを知ってしまえば、怖くはないですよね。
ストレス対処スキルは、日常生活でのストレス源が、どのように影響するのかを知り、ストレスのレベルを調整できるスキルで、緊張とストレスに対処する能力
のことです。
ライフスタイルや物理的な環境を変えることで、ストレスの源を少なくすることができます。また避けようのないストレスに対しては、緊張が心身の健康問題に波及しないようにリラックスできる方法を学び探しだすライフスキルです。
ストレス対処スキルは、感情対処と補完し合っていて、それらのスキルによって以下のことに効果を発揮します。
・自分の力では変えることができない状況に対処できるようになる
・困難な状況(喪失、拒絶、非難)に対処する戦略を考え行動できる
・精神活性うぃするにあたり、アルコール、薬物、依存的な性質のものを使わずに対処する
・プレッシャーの下で落ち着きを保つ
・人間関係、ビジネス、テストのストレスに対処する
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意思決定能力、問題解決能力、創造的思考、批判的思考、コミュニケーション能力、人間関係の構築と維持能力、自己認識、共感する能力、感情対処スキル、緊張とストレスに対処する能力
ライフスキルは、生きる力であり、技術です。
WEBサイトでは、ひとが健全に生きて行くために世界保健機構が定めた「ライフスキル」を仕事を通して身につける方法についてレポートしています。
人は基本的な生きる構えの影響を受けていて、ひとによって不足、アンバランスがあるものです。ゲンキポリタン(株式会社マートワン)が主宰するライフスキルに関する研究と活動は、「ライフスキル」の不足を補いバランスを調整するために仕事、学業、人生の大事な場面などの機会を通して身につけることをめざしています。
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