目標を設定して取り組むメリットとデメリットのバランス、リストアップは、自分の思い込みにも注意して、先の表のように整理します。
頭の中で考えるのではなく、必ず文章にしましょう。
考えがあっても、分っていても、文章にすると書けないことがよくあるものです。
言葉にできない、書けない場合は、本当は考えが整理できていないのです。
書くとはっきりしますので、理解が深まりますし、誰かに話すときも伝えやすくなります。
誰かに判りやすく話せると「励ましを受ける」ことで大きな力になることもあります。
あるいは書くことで問題を明確にするのが怖いということもあります。
怖くても勇気を出して自分と向かいあってみましょう。
意識の水面下に沈めておいても、無意識がチクチクと針で刺すように自分を痛めつけます。
無用なストレスが自分から集中力を奪うだけです。
メリットとデメリットについて書きだせたら、自分の気持ちを整理します。
達成したい気持ちと、いまのままでいたい、2つの相反する考え、感情を書き出して、考えをまとめます。
▼ 次の2点について書きだしてください。
■こうしたほうがいいと思っている
(こうしたいと思っている)ことを書き出します。 |
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■
しかし、こんな考えも持っている
(反対意見)
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メリットが分かり、それを手に入れたいと思う気持ちがはっきりすると、やってみたいと強く思うようになります。
この作業はとても重要なので、気が済むまでやってください。
達成の難易度が低いと達成したときの満足度も弱くなります。
反対に難易度が高いと達成時の満足度も高くなります。
だからといって、難易度の高いことにチャレンジできるかというと、現実的でないように思えて身が入らないことが多いものです。
必要から生まれた目標であっても、達成の可能性が低すぎると困難を強く感じて、達成はありえないと考え、意欲が高まりません。
かといって、誰にでもできるような可能性のものであればこれも興味がわかないと思います。
適度な難易度が意欲につながります。
難易度と達成の可能性の丁度いいバランスは、人の感じ方で変わりますが平均的に60%程度でしょう。
達成の可能性 達成の満足度
難易度が高くてもやりたい場合、投入する時間が十分にとれないのが障害になることもあります。
その場合は、一気に完全制覇を考えずに、段階的に進むようにしたらどうでしょう。
あまり先まで考えるより、目標をコンパクトにしてみましょう。
たとえば英語をペラペラ話せるようになりたい場合には小さくても変化を重ねていくようにします。
最初は「挨拶できる程度」というように、それでも立派な進歩です。
ダイエットなら10キロ体重を落としたいなら、1キロでもいいではありませんか。
目標達成に取り組む最大のメリットは自律心の向上にあります。
自律心は、できるまでやり続けることによって向上します。
その点からも、まずその目標が願望なのか、欲望なのか、あるいは必要なのか、区分けをしておくと自分を知る上で有効です。
目標を決めたり書いたりするだけなら誰でもできます。
それにしてもそれだけで達成することはありえません。
60%の可能性を裏づけするのが、しっかりした計画です。
目標達成を実現するためには計画の質が大切です。
目標と計画を混同して使う人がいますが、これは全然違ったものです。
目標は到達する結果です。
計画は目標を達成する手段、方法。いわゆる作戦です。
醍醐味です。おいしい部分。
計画は実験によって裏づけされていれば信憑性があり、安心感になります。
「いけそうだ!」と可能性が可能に変わったと感じることができるように、できれば実験をしておきたいものです。
部屋では白衣を着て「楽しい実験室」という案内板を掲示してもいいですよ。
楽しさは元気の源。心地よさはモチベーションの源です。
目標によっては、計画作り自体が根気のいる作業になることもあります。
いい加減な計画で頓挫してしまうことを思うと、急がば回れです。