グラフ【人財への道】
反対に、能力が開発されないのに、挑戦レベルだけがあがっていくと、やはり意欲は閉じてしまいます。
それが1bのマーキングです。意欲はまずまずだが、能力がついていかない人材どまりになります。
進化するには、能力と挑戦のバランスをとって<マーキング4>に進むしかありません。その後も、能力と挑戦のバランスをとり続けることが唯一の道です。
<マーキング4>さらに<マーキング5=人財>と進んで行くことが可能になりますが、進むか、やめるかの選択肢が残ります。
ほとんどの場合、楽しさの体験が継続を選択するようになります。
この体験が「やりがい」の正体です。 OJTはやりがいを継続するサポーターの役割をします。
人間は、自分で実際にやってみなければ、何ごとも身につかないというのは幼児からの体験で立証済みです。
OJTはこの点に注目しています。しかも人は何回も繰り返して、自力で取り組んでみてはじめて、やっと自分のものにすることができる点が重要です。
つまり悪いやり方を習慣化すれば不足、リスクにつながります。良いやり方を習慣化すれば力になります。
OJTが、能力アップの手法として重視される理由は、「人は自ら経験することによって学ぶ」「正しいことを学なべば正しいことを繰り返す」という点にあります。
そこにはOJTを通して「学ぶ姿勢」そのものを身につけることも含まれています。 学ぶ姿勢を身につけることで自主性、自律性を身につける。これこそがOJTの狙いです。つまりOJTを通して最終的には他者の力を借りることなく自分で学ぶ力を身につけるのです。
ところが OJTの理念、効果、方法が本当に認識されて導入されているかと言うと、その現実には疑問があります。
OJTが定着しない理由
OJTは、部下という有為の人材を、一人前の"人財"にするために、能力と挑戦のステップアップの実現に欠かせない重要な取り組みです。人材育成のあらゆる機会でOJTの必要が語られるにも関わらず、実態はかなり曖昧です。
定義も違えば、その実践の状況は怪しいことが多いものです。
なにが推進上の阻害となっているのか、阻害要因となっているものは何かをピックアップしてみました。
OJTの実践と成果を阻害している要因
●OJTって現場教育だろ。日常やってるよ。
●部下の指導育成より、何といってもまず当面の業績の違成の方が先だ。
●OJTの効果が信用出来ない
●変化の激しいこの時代に、OJTどころではない
●数値目標を明示すれば、OJTなどやらなくても何とかなる。
●やる気のない者に、OJTをやったところで何にもならない。
●やる気があれば自分から学ぶ。自分はそうだった。
●教育部門や人事は机上プランを振り回すばかりで現場のことなんか分からない。
●なんでも現場にもってくる。
●意欲のない者がどうもがいたところで仕方がない
●忙しいのに、OJTどころではない。ヒマになったらする。
次にトップ、管理者に見られる阻害的な意識や態度をまとめてみました。
トップ階層の意識.態度
●自分の担当分野や関心のあることが気になり、本音と建て前の使い分けている。
●能力開発が大切といっても、所詮は単なる教育。効果への疑問が拭いきれない。
●総論賛成、各論反対をしている。
●厳しい環境を乗り切るには、業績最優先
以上のような態度が意識とは裏腹に、OJTの重要性の軽視につながっています、
現場の管理者の意識.態度
●仕事が忙しくてできない。
●OJTは、現場教育というけれど、所詮は特別なイベントだ。
●OJTは学習方法の一つで、日常業務とは考えていない。
●現場教育とは言うが、本来の仕事とはかけ離れたものだ。
●教育は生産性とは関係ないので、人事教育スタッフが現場で行えばいい。
OJTへの無理解と管理の本質の欠如が、OJTの重要性の軽視と技術アップの遅れにつながっています、