林檎をおいしく
ごちそうさま。
kmaさんの投稿
勝訴ストリップ(以下SS)が出て、なるほど!って感じ。
東芝EMIに上手いことやられたっていうか。こういうマーケティングもありなんだ、って感動がある。
「闇に降る雨」に対する椎名林檎自身のコメントで、「無罪モラトリアムとかは、こういう曲をアリにするための活動だったとも言える」ってのがあって。みんなで「椎名林檎」という戯曲を、脚本に従って創ってるとしたら、いい大人の集まりでないと出来ないでしょう。考えたもんです・・・素晴らしいね!どうりで初めから劇的な印象があったもんね。
無罪モラトリアム(以下MM)で、「この人はどういう人なんだろう?」という関心と「このまま生きてって大丈夫なのか!」っていう一種の不安を喚起しておいて、椎名林檎本人を掘り下げる時間をたっぷり聴衆に与えてから、いよいよ本当に創りたい
ものを世に送り出し始めた、というところか。
MMは、パーソナリティの発達途上にある若者向けというか、ある意味日本文化の古典的王道を行ってた気がする。
日本には古来、そういう若者向けの文化が確固としてあるでしょう。太宰治とか三島由紀夫とか、音楽なら山田かまちとか、尾崎豊とか。
近くはアニメでエヴァンゲリオンっていうのもあった。MMの一番最後に書いてあった「こんな最低人間の為に云々・・・」っていうのには、正直ギョッとしたけど、(あれはあれで当時の本人の真摯なコメントだったかもしれんけど)RATのインタビューとかで知れる椎名林檎自身のパーソナリティは、案外もうそこを過ぎちゃってる感はあった。
MMが、自立した大人には激しくも懐かしい叙情という、それでもやっぱり「娯楽」だったのに比べて、今度SSはそんな大人も「消費」出来るものも入ってて、スタンスが変質してきてると思う。
「浴室」とか「弁解ドビュッシー」もそうだし、「闇に降る雨」とか「本能」、もだな。
「本能」について語ってる中で出てきた、『脱モラトリアム後の・・・』っていう表現の意味がやっと分かった。音そのものについても「本能」は打ち込みふんだんで、作り込んでるし。ロックっていうかパンクな音だもんね。椎名林檎自身、自分の音楽性をロックに限定したことは一度もなかったしね。
それにしても、またもやアルバムは良い出来でした。ベースが粗くて最高。西海岸っぽくもあるし、最近クラブとかではやってたカワイイ系みたいでもあるよね。いつもごちそうさま!って感じ、するもん。
音だけ聴いても、感覚に直で来るのがいいよね。
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