恋愛には大きく分けて、
寂しさから入る恋愛と共感から入る恋愛があります。
寂しさから入る恋愛は、愛されたい気持ちが強くなります。
愛されたいのに愛されている実感が少ないと物足りなさを感じるのは自然です。
ギブ・アンド・テイクの意識はありませんが、
愛されたい気持ちが無意識に計算してしまいます。
共感から入った恋愛とは、相手を愛している自分がうれしいという恋愛です。
この共感は相手のよろこびを同じようによろこび、悲しみを同じように悲しむこと。
自分の意見もないまま、相手のいいなりということではありません。
むしろ反対で自分が相手を尊重できるということです。
その背景には自分で自分を尊重していています。
この段階ですでに相手のいいなりにならない状態を獲得しています。
自分と相手の間には、はっきりとした境界があります。
その上で相手を尊重します。
相手の痛みやよろこびが自分のことのように感じることができます。
相手の能力を少なく見積もることもなく、また自分を見失うことはありません。
つまり「わたしがいないとこのひとはダメ」というような思いに ならないということです。
だから嫉妬することもなく、励ますことができます。
よくある「共感」の勘違いは、愛されたいために相手と同一化してしまうことです。
自分と相手の境界がなくなり、
「わたしがいないとこのひとはダメ」がうれしい状態になります。
なぜうれしいかというと、
相手が自分から去っていく機会がなくなり安心できるからです。
つまり「わたしがいないとこのひとはダメ」は
自分の不安を沈めるための感情です。
相手の生きる能力が自分より低いことがうれしくなります。
寂しいから愛されたい。
これは理想的な状態ではありませんが、自然な感情です。
恋はそうして始まることが、現実の社会では圧倒的に多い。
ところが現実の一方では、女性にさらにシビアな問題を突きつけます。
そもそも男性と女性は生きて行く条件が違います。
最近は女性的な男性も増えていますが、
そもそも男性は自分ひとりの力量が問われます。
だから努力すれば報われる構造になっています。
女性も同じですが、 容姿や年齢によって変わってしまう理不尽を背負っています。
その上、こどもを産む点でも年齢制限という問題を抱えています。
男性も女性も、そのことを知っています。
しかし男は忘れて暮らしています。
一方、女性は、男にはない現実に向きあって暮らしています。
そこで現実的な対処を考えるのは自然で賢明です。
さて、ここから今回の問題です。
あなたが感じる問題は、これらふたつの側面からではないでしょうか。
あなたは初期段階の寂しさはクリアできたと想像します。
いまの悩みは 「努力が報われないのではないか」という不安です。
あなたは立派に自活して自分の城を作っている。
それは自分を守る砦でもあります。
そこで好きな彼と出会い、半同棲の通い婚。
彼にはパートナーとして、あなたの現実を受け入れて、
少なくとも気持ちの上で精神 的な支柱になってほしい、
守ってほしいと思うのは自然です。
ところがあなたには、その実感が乏しい。
誰か側にいてほしいという寂しさからの不安は消えたかも知れないけれど、
反対に女性の現実をあなたは感じる。
相手は感じていない。
一方あなたも、なにが問題か言葉にして伝えられない。
「あなた」の不安に向き合っているのは、
あなただけという孤独があなたを痛めつけているのです。
気遣いが疲れている神経を逆なでするのは、
あなたの求めている気遣いではないからです。
ディズニーランドにいるのと、
現実の社会に住んでいるくらい感覚が違うということです。
この違いの基本が先に説明した男女の違いです。
それでは、不安が消えるより、 不安が増えていくような気分になるのも無理ありません。
そこで他の男性に心奪われることで精神のバランスをとっている。
半同棲の現実、現実逃避のプラトニックな恋。
2つの恋で、暮らしのバランスをとっているのです。
ただいつまでもバランスを続かない。
問題の本質を改善するのがいいでしょう。
あなたの孤独をテーブルの上に乗せて、女と男と違うことを認識して、
横たわる課題をクリアして、共感が芽生えないと、 恋愛が恋愛にも結婚にも発展しない。
態度で分からせようなやり方は混乱を招くだけで、おすすめできない。
率直に語り合って、女性の現実を理解してもらうようにします。
あなたがカレを好きなら、まず相手への共感を深めるのがコツです。
ただ、女性の問題を突きつけると男は逃げることが少なくない。
でも、あなたを引き受けないような男ならつきあっていても仕方がない。
どんな反応があっても感情的にならないように、
コントロールしながら落ち着いて話し合うことが大切です。
怖くても率直に話すのがおすすめです。
応援しています。