人の行動には、どんな行動にも目的があります。
行動の基準である考え方を間違えていると、正しい行動ができず不合理な努力をします。
人の作った世界には、同じ原理が働いていて、その原理に逆らって努力をしても報われません。
電話一本で、平気で休み人がいる一方で、その穴埋めに、多忙を極め、時間外労働を引き受ける人がいます。
有給休暇を取る人、取らない人。
同じ職場の同じ規律で働いて、どうしてそんなことになるのでしょうか?
ガマンして、ガマンして、結局、お互い不幸なだけではないでしょうか?
誰にとっても人生の主人公は自分のはず。
一番大事なのは自分ですよね。
だから同じように周りの人も誰より自分が大事なのです。
見知らぬだれかにとって、あなたは、その他大勢でしかなくても、本当は誰だってその他大勢で片付けられる存在ではない。
人間関係の問題は、周りの人との関係で起こるから、 両者が傷つかないようにしたい。
それがWIN-WIN、つまり両方とも勝者というわけです。
人間関係は平等なものだと考え受け入れ、周りの人も、 自分同様に受け入れることができると、自分の感情を率直に表現し、
他者の感情も自然な形で受け入れ、互いの権利を侵害することなしに、 自分の権利を行使できるようになれたら気持ちいいですね。
どうすればそんなふうにできるのか、その基本は言葉に出すことです。
でもひとによっては言葉にすることをためらいます。
その謎について、少し考えてみましょう。
人は感情の動物ですが、人が暮らす社会は、人の関係も合理的なものです。
そこで、感情はスパイスにように生活に潤いを与えます。
お好み焼きをソースなしで食べたり、 お寿司を醤油なので食べるのは味気ないないですよね。
感情はスパイスです。
しかし、反対にソースの中にお好み焼きを入れたりしません。
醤油のなかにお寿司を入れたらせっかくのお寿司は台無しです。
それと同じで、感情に支配されて感情的な行動をすると、 せっかくの関係も破綻します。
言葉にするのをためらうひとには、 感情と感情的な行動の整理ができていないかも知れません。
と、いっても言葉にするひとができているということではありませんがね。
正しいコミュニケーションを行うと、感情はさらに潤いとなって、良い関係が構築できます。
人づきあいを深めるようにし、 必要であれば周りの人へ援助を求めることをためらわない。
自分の権利を守るために「いや」と言いたい時は率直に伝える。
相手にもそれを許すことをためらわない。
それができなくなるのは、感情がブレーキをかけているのです。
相手から話しかけられるのを待つのではなく自分から会話を始めたり、 目標を設定して、達成に努力するなど、積極的に自分を表現する。
一方で周りの人のそれらも大切にしてあげて、受容する態度を尊重してあげる。
それは、周りの人に依存しない、限りなく自立することを意味しています。
感情の扱い方で自分が自分らしくなれます。
自分らしくなれるとはありのままの率直な自分になる意味です。
すてきだと思いませんか?
小さいこどもは、「あたしはフジオちゃんが大好き」とか、 「さびしくなるよ、もっと一緒にいたい」とか、 「いやだ、そんなに怒ったら。悲しくなるよ。」というように感情を
“自然なこどもの心”から素直に表現します。
でも大人になるにつれ、素直に言わなくなってしまいます。
なぜでしょうか?
言わないことが成長だとでも考えているのでしょうか?
事実、そんなバカみたいなこと言えるか。という人も多いでしょう。
でも本当にバカでしょうか?そんなことはないのです。
感情はどんどん表現しましょう。
感情を表現するのは恥ずかしいことではありません。
していけないのは感情的な行動。どんどんしていいのは感情の表現です。
「うれしい」「悲しい」「イヤな気分です」を言葉にするのは表現。
プンプンやブスッとするのは行動です。
この違いを混同しているために、 感情を表現してはいけないと思い込んでいる人が多いのです。
自分の不快感を行動で相手にぶつけると、 相手は怒っている理由が分からないままイヤな気分にさせられます。
感情の表現は自分の不愉快を感情的な態度や行動でぶつけるのではなく、言葉でそのまま率直に伝えるといいのです。
「あなたと意見が違うと不安になるのですが」とか、 「あなたがそういうと、悲しくなってしまう」というように、
こどもの頃にできていたことをそのまますればいいのです。
それは誰も傷つかない方法です。
ところが言葉の方が悪いと思っている人が多い。
あるいは、言葉にすると引っ込みがつかないと思うひとはもっと多い。
言わないで分かってもらうには態度しかないですから、
でも態度での表現には相手に考えてという要求が含まれます。
つまり自分からは行動しないから、あなたの責任で行動してという要求です。
客観的に考えるとひどい態度だと分かるはずです。
それを罪悪感なしにやってしまうのが怖い。
しかも気がつかないと相手に攻撃的になる。
人とのコミュニーションは感情ではなく、客観的な判断で行うのが大人の関係です。
醤油の樽にお寿司を入れないことを思い出してください。
そして、意見の違い、価値観の違いを話しあって知る、
そこから共感に向かって進めるのがコミュニケーションです。
意見の違い、価値観の違いがあれば、もう話さないというのは、コミュニケーションではありません。
それには自分の意見や思いを言葉にすることが欠かせません。
ただし相手を傷つけるようなことは慎みましょう。
もし言ってしまったときは、自分の責任で謝罪する。
気持ちのいいひとをめざしましょう。
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