明日に架ける橋
Bridge Over Troubled Water
ドキュメンタリー映画「エルヴィス・オン・ステージ」圧巻の見せ場のひとつ。
流れる汗とともにエルヴィス・プレスリー・・・その最上の精神がしたたり落ちるような<明日に架ける橋>。
それを聴くだけで、それを見るだけで涙ぐんでしまう人は少なくない。
なぜ、なにゆえに・・・サイモン&ガーファンクルが創造した<明日に架ける橋>をエ ルヴィス・プレスリーが歌うとき、そこに魂というものの力を感じるから。
疲れ果て自信を失い
君の瞳から涙があふれる時
そのすべてを私が乾かしてあげよう
困った時や友だちもいないときには
君のそばにいる
荒れた川に架かる橋のように
この身を横たえよう
荒れた川に架かる橋のように
この身を横たえよう
君が落ち込み、打ちひしがれて
路上をさまようとき
夜のとばりがおりた時に、励ましてあげる
闇におおわれ傷ついた時には君の力になる
荒れた川に架かる橋のように
この身を横たえよう
帆をあげよう、銀色に輝く君の出発の時だ
君がきらめく時が来たんだ
夢の叶う時がやってきた
あの大いなる輝きを見てごらん
もし、友が必要なら
いつでも私がそばについている
荒れた川に架かる橋のように
その心を安らげよう
荒れた川に架かる橋のように
その心を安らげよう
この歌のようなキモチになる相手とは、どんな相手だろう?
娘、恋人。友人
それがどのような目標であれ、その達成に熱心に打ち込む人は2通り。
ひとつは自尊感情つまり自信を求めて取り組む人。
もうひとつのタイプは自信を持って取り組む人です。
つまり自己肯定感を求めて達成へ取り組む人と、
自己肯定感があるから達成へ取り組む人という違いです。
自己肯定感を求めて達成する人にはどんなに成功しても、満足できることがないのが特徴。
ほんの一瞬の満足はあったり、表向きは虚勢で自信満々に見えたりしても、 心の奥は不安。
その成功が、自分の知性、能力、資質による成果であってもそうは思えず、
周りの称賛や評価も 内心では周りが本当の自分を知らないだけと感じて、 ペテン師のように思えて安心することがないのです。【愛ピのモチベーションアップEセミナー】
励ましと、プレッシャーを間違えた子育てによる悲劇です。子育ては 学校やスポーツ、習い事の成績などを基準に考えないことです。
よくがんばった「もっといい成績を」
「もっと速く」
「もっと遠くまで」・・・・・
これでは目標を達成した喜びを味わうことがなくなってしまいます。
ゴールのないマラソンと同じ。
私たちは親になった段階で、 自分が思う「社会の常識」を念頭において子育てをします。
ところがここに問題が生じる原因が潜んでいます。【愛ピの子育て・親育て】
子育ての目標は「自立」・・自立は自律心と深く関係していて、人生の喜びを味わえる精神的基盤そのものです。
この<明日に架ける橋>から届いてくるのは、どんなことがあっても、君がなにをしても、君を信じる無償の愛に裏付けされた励ましの世界
。
子どもたちは、いろいろなことに挑戦し、 ほぼその都度、まちがいをおかし、失敗する。
その未熟にほほえみと真剣さで、自分のプロセスに関心を持って、見捨てることなく、愛してくれる信頼の絆こそが励ましになります。
このとき、親や目上の者が結果だけに関心を持っていたら、 子どもたちは親や目上の者の顔色を見るようになり、期待におしつぶされそうになりながら、
それでも応えようとするか、あらゆる挑戦をやめてしまうでしょう。
どちらの場合も自分の喜びには注目しない子という点では同じです。
自分の喜びには注目しない子とは、自分から自分が抜け落ちた子です。
その挙げ句、抜け殻となった自分を抱えて、 喜びの代替品を「消費」や「依存症的行為」に求めるようになります。
満たされない空虚を自分を忘れて暮らすことが日常化するのです。
エルヴィスは、どんなキモチで<明日に架ける橋>を歌い上げたのでしょうか?
引き裂いた自分の裂け目に生じた、自分への希望と自分への失意。
その狭間から、 自分への希望と他者への愛情、そして人間の最上の精神への信頼をこめて歌っているように感じるのは私だけではないでしょう。
「自分がより高いところに向かって進みたいと用意ができたときにやればいい。 それは、君にしかわからないことだよ。」
「それをやってみたいと思うならやってみたらいい。 難しいかも知れないし、つらいこともあるだろうけれど、やってみたらいい。」
子どもの選択を後押しするにふさわしい心情と同じ熱さが五線譜を駆け抜けます。
五線譜こそは荒波に架ける橋。
その声は、「人生の喜び」を味わえる精神的基盤を守って、なにがあっても見捨てないという決意がうれしい人間の声です。
サイモン&ガーファンクル がこれ以上にない透明な美しさで実現したロックとフォークの融合を超えて、エルヴィス・プレスリーならではの
人間くささが、なにより励ますことの輝き で魅了します。(愛ピ)