ブリトニー・スピアーズの行状が話題だ。
話題になるのもスターとして、つまり商品価値があるからだ。
よろこばしいことだが、可哀想だと思う。
実像と虚像。見る側と見られる側、互いに複雑なものが交錯するはずだ。
まだ20代前半で世界中のポップアイコンとして成功したものの、普通の女性としての夢や希望の実現。その狭間で苦悩する姿を興味本位で見てあげるのは可哀想。
これまで壊れてしまった有名人は多数。
ブリトニーはいまその別れ道にたっているようです。
しかしきっと再生し、あの明るい笑顔で世界中に元気をふりまいてくれるものと期待しています。
それにはブレーンのしっかりしたサポートが必要。
金のなる木として大事にするのではなく、人間、社会経験のまだ乏しい、ひとりのまだまだ若い女性として見てあげてサポートしてあげてほしい。
小さい頃からショービジネスに関わってきたブリトニー。
限られた時間で暮らしているのだから、ある独特な社会には精通している分、一般社会の常識に不足があるのは当たり前すぎるくらい当たり前、それでないと化け物です。
つまり不足があってこそ普通の人間という目で見てあげないといけないわけです。
そういうことをエルヴィス・プレスリーという人をレコードやスクリーン越しにみて学んできた。
いいんだ、ブリトニー。あなたさえ怪我から立ち直れば。
「世界は日の出を待っている」そんな歌もありましたね。
そしてこんな歌もありました。
お日様なんか出なくてもかまわない。
♪ お日様なんかでなくてもかまわない。
夜になったら、たっぷり君とふたりで愛をかわすのさ ♪
グッド・ロッキン・トゥナイト
とのカップリングでリリースされた。
エルヴィスの若い声は語る。
一日の終わりには、夜のくるのが自然の摂理。
はじまりがあれば、終わりは来るもの。
だれもが夜を迎える。なんじの夜を愛せ。
時は流れる・・・流れる・・・それが自然。
そう、もしブリトニーがもう疲れきってしまって、ショービジネスに戻ってこなくて、かまわない。
事件でなかったブリトニーはエルヴィスのような記憶のされかたはないかも知れない。
それでもブリトニーが残した、すばらしい体験を忘れたりしない。
「 キングはブリトニー」のコピーとジャンプスーツ姿と共に、それらがなくてもブリトニーはクイーンとして記憶する。
きっと復活すると信じているが。
マネジャー、 トム・パーカーは、金のなる木を見つけた。事件になるほどの金のなる木とは思わなかっただろう。
それはケチな商人には、偶然に起こった予期せぬ出来事だったが、時代の空気を読む才能が少しでもあれば計算できることだっただろう。
ビジネスとはそういうものだ。
事件・・・・黒人の音楽をエルヴィス・プレスリーという白人が表現する。
それは白人なら誰がやっても事件にならうかといえばそうでない。
模擬ならジョークで笑っておしまいだ。
ところがエルヴィスはなにが問題だったのか。
白人にして黒人のような「魂」を持っていたことに尽きるのではないか。
エルヴィス・プレスリーこそロックンロールであって、ロックンロールは音楽ではない。
エルヴィスへの支持にはいろんな意味が含まれていた。
ひとことでいえば抑圧に対する反発。
自分らしくいきることがなぜ罪なのかという怒りのメッセージだ。
その沈静化に一役買ってしまったのがエド・サリバンだ。
「山よりでっかい獅子はでない」の言葉通りに社会がエルヴィすや民衆を飲み込む一瞬。
それはロックンロールが飲み込まれる瞬間のこと。
ロックンロールが死んだ瞬間。
ロックンロールは、その一瞬の出来事であって、その前にも、その後にもロックンロールなんてない。
本当の意味でロックンロールはR&Bでも、ロックでもない。
1954年から1960年の、しかも1956から58年に起こった事件のことであって、音楽のことではない。
ビートルズ、ボブ・ディランはそこから派生した事件であって、彼らを事件にしたのはその時代背景にある「兵隊の命は誰のもの」だという切実な思いだった。
毎日、自分の肉親や兄弟が死んでいく。
エルヴィスの時代背景より、もっと分りやすく切実だった。
マーケッターはエルヴィス体験によって学習していた。
「兵隊の命は誰のもの」が商品になることを、戦争を消費する、商品化する力がミュージシャンを押し上げる。
消費社会に取り込まれたエルヴィスは邪魔になる。
エルヴィスを外すことで音楽が「自由」の象徴となり、商品価値になることをマーケッターは知っていた。
ローリング・ストーン誌はゲリラであったかも知れないが、消費社会が取り込むのに時間はかからなかった。
ボブ・ディランは、ポップスは時代の気分を反映していると語っているが、その意味は重い。
メッセージ性が強い、弱いはプロデュースする者のビジネスセンスによる。
「ドリームガールズ」にも描かれていて、ビジネスと音楽の質と時代の関係は興味深い。
(物語に展開から<ハウンド・ドッグ>について語られると思ったら案の定。しあkしこれは白人が作った楽曲。こういうことふぁ氾濫していて、結局なにごとも本質を見極めて自分で判断するしかないというのが真実)
それは聴き手の感覚に従う。
必要であること。これが売れる絶対条件である。
商品はどんなに良くても売れない。
売れないのは必要でないからだ。
気分に共感すること。これが売れる商品の絶対条件だ。
エルヴィスがヒットしたのも他ならない。
モラルは誰のものなんだという気分があったのだろう。
エルヴィスとロックンロールの終わりは、民衆への権力者の返礼である。
その後に起こったベトナム戦争は、兵士の命はだれのものだというメッセージを送り込むために、音楽を使った。
トム・パーカーのようにビジネスに音楽を使った連中がいた。
ビジネスには、より高度さが要求されたが、見事にやってのけた。
ロックンロールは完全に死んだと思った。
そしたら今度はロックンロールが死んだことを音楽にした。
事件にするには、表象性のある「権力」が必要だった。
エリザベス女王が選ばれた。それがロンドン・パンクだ。
こうしてビジネスと音楽は結びついている。
より巨大に、強力に、変貌を遂げ続けながら。
そのわずかな間隙をぬって、本物が疾走する。
それをとらえることができるのは、本物の心を持った者が、音楽にふさわしい気分で生きた瞬間だけだ。
メンフィス・フラッシュ
男が女に出会うことは簡単だ。
しかし一生愛し抜ける伴侶と出会うことは至難の技だ。
それは偶然ではない。そのほとんどは愛情を育むという努力によって実現できる。
同じように聴きこんで、聴きこんで聴こえてくる声に潜んでいる想いを知るのに似ている。
*お日様なんか出なくても構わない
夜になってからたっぶり愛を語るんだ
僕のベイビーと二人の時に
お日様なんか出てたらつまらない
日が落ちてからが本当のお楽しみ
僕のベイビーと二人の時に
**そしたら二人はキスして、キスして、キスして、キスして
もっといっぱいキスをする
何回キスしようが関係ないさ
だって一体、誰が数えてるっていうんだい?
*くり返し
**くり返し
*くり返し
みぞれだろうと雪だろうと構わない
夜のドライブは楽しいものさ
僕のベイビーと二人の時は
雨が降ろうと構わない
彼女さえいれは気づかない
ああ、なんていい娘なんだろう
***そしたら二人はキスして、キスして、キスして、キスして、
もっといっぱいキスをする
愛しいあの娘が口づけくれれば
僕は叫ぶよ、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、ってね
あの日の心を真実にできるかどうか、ぞれは自分の魂次第。
選択はいつもこの手に、このまなざしに。
エルヴィスの歌声のように、四季を愛し、夜を愛す。
いつか見た輝く夏の日、太陽。
闇の不安を超えて、心には輝いていた君がいた。
それだけで幸福じゃないか。
だれにとっても人生は素晴らしい。
なんとクラシックなサウンドが粋だよ。
♪ お日様なんかでなくてもかまわない。
夜になったら、たっぷり君とふたりで愛をかわすのさ ♪
くそくらえ!●▽▲×△▲○●▲▲
がんばれ!ブリトニー、エルヴィスを超えていけ。
良寛さんと遊ぼう。
グッド・ロッキン・トゥナイト
お洒落で可愛いアナログジャケットのミニチュア紙ジャケに収録されたロックンロール&ロカビリーは瑞々しい。超級レアな歴史的音源を24Bit・ハイディフィニッション・リマスタードしたアルバム。
ボーナストラックを11曲を含む全19曲に、ロッケンロールの始まりを聴くことができる。
アルバム表題曲「グッド・ロッキン・トゥナイト
」こそは、正真正銘の人類初ロックンロール第一号と呼んでいい。その理由は・・・・聴いたら分る。音楽は頭で考えるものではないのですよ、