だからといってエルヴィス・プレスリーに野心がなかったわけではない。
ただ歌うことが純粋に好きだった。
純粋に歌うことだけ。それを野心といってもおかしくない。
歌うことは励まし。
映画俳優に憧れたようだ。
1956年・・・この時代は映画俳優の方が社会的地位も高かったのではないだろうか?
音楽以上に人を励ます力が強かったのかも知れない。
エルヴィス登場以前は。
渦中にいたエルヴィス・プレスリー自身が、自分の偉業に気がつかないのも無理はない。
エルヴィスが登場して、その後に人権や権利が尊ばれる傾向がいっそう強くなったけれど、それがエルヴィス自身に影響するには遅すぎたかも知れない。
自分の貢献による恩恵を受け損なったのだ。
なにしろ、 エルヴィス・プレスリーは改革に参加していない評論家が分析する以前に改革そのものだったのだから。
エルヴィス・プレスリーの存在を知った頃、リリースされたいた主なアルバム。
これ以外に「心のふるさと」「クリスマスアルバム」、除隊第一作が目立った。
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自分は、エルヴィスが歌う宗教歌、ゴスペルは宗教から離れて純粋に魂の解放だったと思っている。
エルヴィスには生活習慣の名残、ただ思い出でにすぎなかったと思っている。
疲れると甘い菓子が食べたくなるのと同じように。
自分へ甘過ぎたかもしれないか。
感情的な行動ゆえの敏感と感情表現の強さ
甘やかすこと覚えさせたグラディス・ママの子育て術によって。
「心のふるさと」とはうまく言ったものだと思う。
ありきたりのようで、いま思うに実に的確で見事すぎるアルバム邦題。
ミュージシャンの死に様が語るように、彼らの多くは感情的な行動が目につく。
その態度はリスナーにとって決していいモデルにはならないものがある、
でもだからこそ、お金を払って聴く価値があるのかも知れない。
それは命がけ、人生を投じたパファーマンス。
<Reach
out to Jesus>・・・こんな曲さえ楽しいといったら反則かな?
美しいメロディーライン上で酔わせるかのようなスイング感。
心が、心が全部歌になるのか、歌が全部心になるのか
どっちがどっちか分らない。
分らなくていい。ただ歌声に自分の心をのせる。
Is your burden heavy as you bear It all alone
Does the road you travel harbor dangers yet unknown
Are you growing weary in the struggle of it all
Jesus will help you when on His name you
call
He is always there, hearing every prayer
Faithful and true
Walking by our side, in His love we'll hide
All the day through
When you get discouraged, just remember
what to do
Reach out to Jesus
He's reaching out to you
Is the life you're living filled with sorrow
and despair
Does the future press you with its worry and its care
Are you tired and famished, have you almost lost your way
Jesus will help you, just call to Him today
He is always there, hearing every prayer
Faithful and true
Walking by our side, in His love we'll hide
All the day through
When you get discouraged, just remember what to do
Reach out to Jesus
Come on and reach out to Jesus
l said to reach out to Jesus
He's reaching out to you
lみどりの歌詞部分に心が動く。
もちろん前後を考えて歌っているので。その意味では全部がいいのだが、特にグッグッと迫る部分だ。
なかでも。リフレインする部分はエルヴィスの魂を感じずにはいられない。
特に“He is always there, hearing every prayer Faithful
and true”
“All the day through“は美しく、切なくも安堵感を漂わせて、エルヴィスならではの唯一無二の良さが伝わる。
クロージングは、エルヴィスらしく、ご愛嬌の感すらあるが、一語一語に、想いをこめている.。律儀さに人柄がのぞく。
純粋に、純粋に、歌が好きでファンの気持ちを大事にした。
だから何を歌っても、エルヴィスになる。
<Love
Machine>も<Reach out to Jesus>もエルヴィスの心に変わりはない。
それを凡庸とみるのも仕方がないが、そこにある「最高」を超えようもない。
ボブディランが言った「ポップスは時代の気分を反映する」とは、自分の気分を反映することに他ならない。
エルヴィスは聴く者の心を外さない。(一部の人にとってであったにしても)
うれしいとき、かなしいとき・・・・言葉にできない、
表現できない感情に出会ったら、エルヴィスを聴く。
それはこんな気持ちなんだろうと受けとめてくれる。
偉大な歌い手は、みんなそうではないか。
ドラマのない音楽は響かない。
ドラマと引き換えに、エルヴィスが自分の人生を投じたことを忘れない。
それでもエルヴィスは、 言葉少なく手を差し伸べるだけだ。
それがエルヴィスだ。
エルヴィスを神格化する気はない。
エルヴィスも求めていなかったし、死者にむち打つようなことはしたくはない。
それでも<イエスのみ許へ/Reach out to Jesus>の主イエスに、
エルヴィスの面影を見るのは自分だけではないはずだ。
イエスのみ許へ
あなたのその荷は一人で負って重くはありませんか
あなたが旅する道にはあなたの気づかぬ危険が潜んでいませんか
それらと悪戦苦闘して疲れ果ててしまうことはありませんか
主の御名によって求めるなら 主イエスがあなた在助けに来て下さいます
主はいつも待っていらしてすべての祈りを
誠実に真心をこめて聞いて下さるのです
主が一緒に歩いて下さるので私たちは主の愛の懐に身を隠して
一日中ずっと安全に進むことができるのです
もしも心くじけそうになった時にはどうすればよいか思い出して下さい
主イエスに向かって手を差し伸べるのです そうすれば主が
あなたに向かって手を差し伸べて下さいます
あなたの人生は悲しみと絶望でいっぱいではありませんか
将来を思いあなたは'悩みと不安で押し濱されそうになりませんか
あなたは疲れと餓えを覚えていませんか 道に迷いそうではありませんか
そのようなあなたを 主イエスは助けて下さいます
そのまま今すぐ 主の御名在呼んで下さい
もしも心挫けそうになった時にはどうすればよいか思い出して下さい
主イエスに向かって 手を差し伸べるのです そうすれば主が
あなたに向かって 手を差し伸べて下さいます
そこに向かって手を出すにも意欲がいる。
助けを求めるとき、意欲を持って臨むことを忘れてはいけない。
意欲のない人を助けることは誰にもできないのだから。